こどものけんりじょうやくってなーに？

　☆ こどものけんりじょうやくってなーに？

≪しゃしん：ジュネーブ・かんきょうのもんだいをアピールしているわかものたち！？≫
　☆ こどもの権利（けんり）条約（じょうやく） ☆
　Convention　on　The　Rights　of　the　Child

　１、条約（じょうやく）が目指す（めざす）もの

　こどもの権利（けんり）条約（じょうやく）は、ポーランド（ぽーらんど）によって提案（ていあん）され、１９８９年（ねん）１１月（がつ）　こくれん総会（そうかい）で、ぜんいんがさんせいして採択（さいたく）されました。
　にほんは１５８番目（ばんめ）に批准（ひじゅん）し、げんざい１９２カこくがひじゅんして、まだ批准していないのはアメリカとソマリアだけです。
　条約（じょうやく）が提案（ていあん）された背景（はいけい）には、地球上（ちきゅうじょう）のさまざまなばしょで、こどもたちがにんげんとしての人格（じんかく）や尊厳（そんげん）が維持（いじ）できずに、きずつき、なやみ、ときにはいのちを奪われて（うばわれて）いるという「危機感（ききかん）」がありました。
　武力（ぶりょく）紛争（ふんそう）・飢餓（きが）・貧困（ひんこん）・環境（かんきょう）破壊（はかい）、家庭（かてい）崩壊（ほうかい）・虐待（ぎゃくたい）などにより、こどもたちのちからがぬけてしまい、じしんをなくしてしまったら、もはや人類（じんるい）の未来（みらい）はないのではないか！
　こどもたちがいきるプライドをとりもどして、しゃかいをささえる重要（じゅうよう）な構成員（こうせいいん）としての役割（やくわり）をになえるようになるためにはどうしたらいいのか？
　そのためにせかいの英知（えいち）を結集（けっしゅう）して、１０ねんの歳月（さいげつ）をかけてつくられた「こどもの権利（けんり）についての到達点（とうたつてん）」がこどもの権利（けんり）条約（じょうやく）です。
　そして、こどもを未熟（みじゅく）なものという「保護（ほご）」の対象（たいしょう）である客体（きゃくたい）から、権利行使（けんりこうし）の主体（しゅたい）として認識（にんしき）し、位置付け（いちづけ）て、じょうやくをひじゅんしたくににたいして、憲法（けんぽう）とおなじじように法律（ほうりつ）としての拘束力（こうそくりょく）をもつ条約（じょうやく）の形（かたち）で、こどもの権利（けんり）の主体性（しゅたいせい）を確立（かくりつ）させることをめざしています。
　２．おもな条文（じょうぶん）の内容（ないよう）
　条文（じょうぶん）は前文（ぜんぶん）と５４条（５４じょう）から構成（こうせい）されています。
　おもに
　●「こどもの最善（さいぜん）の利益（りえき）」のかくほ【３条（じょう）】をちゅうしんに
　●　生命（せいめい）への権利（けんり）　【６条（じょう）】
　●　表現（ひょうげん）の自由（じゆう）　【１３じょう】、
　●　思想（しそう）・良心（りょうしん）・宗教（しゅうきょう）の自由（じゆう）【１４条（じょう）】、
　●　学ぶ（まなぶ）権利（けんり）　【２８じょう】、

　など日本（にほん）国（こく）憲法（けんぽう）でも定められた（さだめられた）権利（けんり）と同じ（おなじ）権利（けんり）を定めた（さだめた）ほかに、
　●　虐待（ぎゃくたい）の禁止（きんし）　【１９じょう】、
　●　体罰（たいばつ・非人道的（ひじんどうてき）もしくは品位（ひんい）を傷つける（きずつける）取り扱い（とりあつかい）を受けない（うけない）権利（けんり）　【３７じょう】、
　●　成長（せいちょう）発達（はったつ）する権利（けんり）　【６じょう】、
　●　親（おや）に養育（よういく）される権利（けんり）５条（じょう）、　【１８じょう】、
　●　こどもの参加（さんか）・意見（いけん）表明権（ひょうめいけん）　【１２じょう】、
　●　遊び（あそび）・休息（きゅうそく）する権利（けんり）　【３１じょう】、
　●　プライバシーの保護（ほご）　【１６じょう】などがあります。

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　とくに、こども自身（じしん）にかかわるあらゆる事項（じこう）についての「こどもの最善（さいぜん）の利益（りえき）」第（だい）【３じょう】を確保（かくほ）するために、
　こどもじしんの権利（けんり）として意見（いけん）を表明（ひょうめい）する機会（きかい）を保障（ほしょう）することが不可欠（ふかけつ）であるという考え方（かんがえかた）を手続き的（てつづきてき）原則（げんそく）として定（さだ）めています。
　このけんりは、表現（ひょうげん）の自由（じゆう）【憲法（けんぽう）第（だい）２１条（じょう）】、【権利（けんり）条約（じょうやく）第（だい）１３条（じょう）】や思想（しそう）・良心（りょうしん）の自由（じゆう）【憲法（けんぽう）第（だい）１９条（じょう）】，【権利（けんりじょうやく：３１じょう】といった権利（けんり）とはちがい、『こども固有（こゆう）の権利（けんり）』です。
　政府（せいふ）には、このいけんひょうめいけんを確保（かくほ）させるための立法上（りっぽうじょう）、行政上（ぎょうせいじょう）の措置（そち）が求め（もとめ）られているのです。　★★★★★
　３．こどもの権利（けんり）を実現（じつげん）するために大人（おとな）たちには義務（ぎむ）があります。
　条約（じょうやく）は、こどもがけんりを実現（じつげん）できるよう援助（えんじょ）する役割（やくわり）を、国（くに）や地方（ちほう）公共（こうきょう）団体（だんたい）課す（かす）ため、こどもにかかわる公的（こうてき）、私的（わたしてき）なあらゆる機関（きかん）で以下（いか）のことを義務付けて（ぎむづけて）います。
　■　こどもに関する（かんする）施策（しさく）において、「こどもの最善（さいぜん）の利益（りえき）」が守られる（まもられる）こと。
　■　こどもの意見（いけん）を表明（ひょうめい）する機会（きかい）を保障（ほしょう）し、その意見（いけん）を尊重（そんちょう）すること。
　■　親（おや）はこどもの養育（よういく）について第１次的（だいいちじてき）な責任（せきにん）をもつこと。
　■　人権（じんけん）侵害（しんがい）の救済（きゅうさい）など

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　また、こどもの権利（けんり）条約（じょうやく）は、国内法（こくないほう）よりも優位（ゆうい）に位置（いち）し、条約（じょうやく）の実現（じつげん）のため、すべての適当（てきとう）な立法（りっぽう）措置（そち）、行政（ぎょうせい）措置（そち）、その他（そのた）の措置（そち）を講（こう）ずることが義務付けられて（ぎむづけられて）います。★★★★★
　このことがきちんと実施（じっし）されているか、政府（せいふ）の取り組み状況（とりくみじょうきょう）を監視（かんし）するために、締約（ていやく）国（こく）は批准（ひじゅん）した後（あと）の２年目（ねんめ）と、その後（あと）５年（ねん）ごとにこどもの権利（けんり）条約（じょうやく）の国内（こくない）における進捗（しんちょく）状況（じょうきょう）を報告（ほうこく）することを義務付けられ（ぎむづけられ）、「国連（こくれん）こどもの権利（けんり）委員会（いいんかい）」の審査（しんさ）を受け（うけ）なければならないのです。
　にほんせいふは１９９６年（ねん）５月（がつ）第１回目（だい１かいめ）の報告書（ほうこくしょ）を提出（ていしゅつ）し、１９９８年５月（がつ）国連（こくれん）「こどもの権利（けんり）委員会（いいんかい）」から「日本（にほん）のこどもたちは、高度（こうど）に競争的（きょうそうてき）な教育（きょういく）制度（せいど）によるストレスにさらされ、かつその結果（けっか）として余暇（よか）・身体的（しんたいてき）活動（かつどう）及び（および）休息（きゅうそく）を欠く（かく）にいたっているため、子ども（こども）が発達（はったつ）障害（しょうがい）（developmental disorder）におちいっていることを懸念（けねん）する」との指摘（してき）をうけ、２２項目（こうもく）を日本（にほん）政府（せいふ）にたいしてきびしくかんこくしました。
　２００１年（ねん）１１月（がつ）、日本（にほん）政府（せいふ）は２回目（かいめ）の政府（せいふ）報告書（ほうこくしょ）をだして、２００４年（ねん）１月（がつ）国連（こくれん）の審査（しんさ）をうけて、さらにきびしく勧告（かんこく）されました。
　にほんせいふは、２００４年４月には≪武力（ぶりょく）紛争（ふんそう）≫についての選択議定書（せんたくぎていしょ）を、２００５年１月には≪商業的性的搾取（しょうぎょうてきせいてきさくしゅ）≫についての選択議定書を批准しています。
　今回は、せいふが２００８年に、こくれんにだした「こどもの権利条約（けんりじょうやく）」の第３回目（だい３かいめ）の報告書（ほうこくしょ）と≪ぶりょくふんそう≫≪しょうぎょうてきせいてきさくしゅ≫の第１回目の２つの報告書に対して、ことし５がつにしんさをうけて、３つの勧告がださました。
　日本の政府（にほんのせいふ）は、条約（じょうやく）を批准（ひじゅん）してはいるものの、これまで勧告（かんこく）されたことをほとんどやっていないどころか、こどもたちはもちろん、政府・教育関係者（せいふ・きょういくかんけいしゃ）にも、じょうやくをひろめていません。
　ぜんかいに勧告（かんこく）されたことを、ほとんど何も（なにも）やっていなかったため、危機感（ききかん）を感じた（かんじた）委員（いいん）は、とてもきびしく具体的（ぐたいてき）に、３つの勧告を合わせると、こどものけんりじょうやく：８３＋ぶりょくふんそう：４６＋じどうポルノ：２０＝１４９項目にわたって勧告したのです。
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　このじょうやくは、こどもたちのみなさんのための、たいせつなほうりつです。
　にほんのけんぽうとおなじおもさをもっています。
　おとなには、こどもたちのいけんをきくせきにんがあります。
　このじょうやくをよくよんで、しっかりみにつけて、こどもたちのいけんをつたえましょう。　★★★★★
　かんこくしたせきにんしゃのクラップマンいいん（ドイツ）は、こんどのかんこくをせいふにじっこうさせるうんどうをおここすために，８月にパートナーのガンセさんとともにらにほんにきて、１週間ほとんど毎日のように、とうきょう〈４回〉・こうべ・おおさか・もりおかで講演（こうえん）して、にほんのこどもたちやＮＧＯのひとたち・しみんと交流（こうりゅう）ました。
※こどもの権利（けんり）条約（じょうやく）と、ぶりょくふんそうとこどもポルノの２つの選択（せんたく）議定書（ぎていしょ：あとからひじゅんしたこどものじょうやく）の全文（ぜんぶん）と、こどもの権利委員会が日本政府に勧告（かんこく）した全文（ぜんぶん）を、このブログ（今　言論・表現の自由があぶない！）にのせています。
　◆　こども（１８歳まで）の権利条約
　◆　武力紛争・こどもの選択議定書
　◆　こども　ポルノ・売買　選択議定書
　こんご、ルビをつけて、このコーナーにものせていきたいとおもいます。

勧告（かんこく）の原文（げんぶん）＝正式な文書（せいしきなぶんしょ）；英語は、
国連（こくれん）こどもの権利（けんり）委員会（いいんかい）のＨＰ（ホームページ）をごらんください。
http://www2.ohchr.org/english/bodies/crc/crcs54.htm
■　Committee on the Rights of the Child 　54th (25 May - 11 June 2010) JAPAN　の右端(みぎはし)のConcluding observationの、Ｅ（英語：えいご）をクリックすると英文(えいぶん)の原文（げんぶん)ぜんぶよむことができます。
『今 言論･表現の自由があぶない！』（2010/10/20）
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/17431791.html