パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

言論・表現の自由を守る会が外務省に要請

2010年10月30日 | 人権
 こどもの権利条約と自由権規約の国連勧告を普及し実施するために、
 ◆ 言論・表現の自由を守る会が外務省に要請


[写真 左、茶色のパンフ:世界人権宣言と国際人権規約 (外務省広報課作成)
中、黄色のパンフ:児童の権利に関する条約と選択議定書(外務省国際社会協力部人権人道課作成)
右、白いパンフ:国際人権(自由権)規約委員会第5回日本政府報告書審査を踏まえて( 日本弁護士連合会作成]

 こどもを取り巻く経済と教育の環境が急激に悪化している中で、こどもの権利と人権の問題を抜本的に解決するために、言論・表現の自由を守る会が、こどもの権利条約と国際人権(自由権)規約に関する国連の勧告の実施を求めて27日、外務省に要請しました。
 前原誠司大臣および志野光子人権人道課課長あての要請書を会の垣内つね子事務局長が、『日の君』第3次訴訟原告であり板橋高校君が代弾圧事件藤田さんを応援する会事務局の花輪紅一郎氏とともに、外務省人権人道課増田智恵子外務事務官に手渡して要請を行いました。
 こどもの貧困問題など、こどもの権利の侵害が深刻な中で会が調査した結果、こどもの権利条約は全国的にほとんど普及さておらず、今年の6月に国連こどもの権利委員会が日本政府の3つの報告書を審査した上で、
 政府に対し『委員会は選択議定書並びにその実施及び監視に関する意識を啓発する目的で、報告及び締約国が提出した書面による回答並びに採択された関連勧告(最終見解)を、公衆、市民社会組織、メディア、若者グループ及び職業的従事者団体が広く入手できるようにすることを勧告する。さらに委員会は、締約国が、特に、学校カリキュラム及び人権教育を通じ、選択議定書を児童の間に広く周知するよう勧告する。』(※資料1)としています。
 これらの国連の勧告を条約締約国として実施すること、とりわけ、こどもたち自身がインターネットですぐに勧告と条約にアクセスできるようにすることの重要性を伝え提案を行いました。
 ≪一刻も早く!18歳以下のこどもたち自身の手に、この勧告を届けることは政府の責任!≫
 国連こどもの権利委員会との窓口は外務省となっていますが、現在こどもの権利条約担当の人権人道課の職員は一人です。こどもの権利条約関連の*予算がごくわずかのために、こどもの権利条約と2つの選択議定書のパンフレットは、これまでに1万部ほどしか作成されておらず、こどもたちの手にはほとんど渡っていず、残りもほんのわずかしかないとのこと。
 外務省の職員も、この間の国際問題の対応や国際会議参加のため担当幹部職員は不在で、4か月前に国連こどもの権利委員会から強く勧告されている”勧告の普及”も、2年前に国連から勧告されている自由権規約の個人通報制度の批准や法律の改正についても今国会にも上程されていません。
 憲法98条で遵守義務がうたわれている日本政府が批准している人権条約の適応については、法律の改正をともなう勧告も多く、条約と勧告の解釈や国内法との整合性の問題など法務省との連携強化が不可欠で、むしろ法務省が主導しなければ実現できない課題が山積しています。また、こどもの問題は教育行政の課題であり文部科学省との連携が不可欠です。
 現時点で、パンフレット作成の予算が計上されていない中でも、予算をさほど必要とせず、実現可能なところから実施して、すみやかに勧告と条約を普及する必要があるために、その具体的な取り組みとして、まずインターネットを活用し、さらにパンフレット作成の準備・予算化を急いではかることを提案しました。
 ≪首都東京の教育現場で行われている重大な人権侵害事件について≫
 2003年以来、首都東京において石原都政の下で、政府に批判的なビラの配布が次々に弾圧され、都教委が警察や検察と一緒になって、憲法と国際人権規約およびこどもの権利条約に違反している10・23通達をかざして、教師に対して君が代の起立斉唱を強制して10・23通達違反だとして500人近くの先生たちを処分して、現職の先生を担任からはずし、『研修』と称して『起立して君が代を歌わなかったことの反省』を強要し、生徒に対する君が代の起立斉唱の強制が強められています。
 都教委は、処分を受けた先生に対しては再雇用の道も絶って、教育の現場で年金が支給されるまでの生活の糧を得ることも許さず、重大な経済的打撃を与ています。そのため、先生や生徒・保護者・都民を震え上がらせ『日の丸を掲げた上で、それに向かって君が代の起立斉唱をしなさい』と強制している東京都教育委員会を訴えて、現在のべ750人の原告が地裁高裁最高裁で裁判をたたかっています。
 首都東京の公教育の現場で行われている人権侵害の君が代の起立斉唱の強制は、憲法はもとより日本政府が1979年に批准した国際人権規約(自由権・社会権)と1994年に批准しているこどもの権利条約に違反しており、処分は先生に対して行われていますが、これらの処分はこどもたちや保護者にも甚大な被害を与えています。緊急性を要する重大な人権侵害の現状と国際法上の違法性などについて、ストラスブール大学のフォルホーフ教授の最高裁意見書抜粋や『日の君』処分に対する共同アピール505人の名前パンフ・チラシなどの資料も添えて要請しました。

 外務省 前原誠司 大臣 殿
 人権人道課 志野光子 課長 殿
 2010年10月27日
 言論・表現の自由を守る会

 〈要請主旨〉
 こどもを取り巻く環境は、経済問題をはじめ急激に悪化しており、こどもの貧困や虐待、いじめ・自殺などの問題は待ったなしです。
 今年6月に国連こどもの権利委員会から勧告された、“こどもの権利条約に関する3つの勧告”(こどもの権利条約第3回日本政府報告書審査・武力紛争における子どもの関与に関する子どもの権利に関する条約、および子どもの売買・こども買春およびこどもポルノに関する子どもの権利に関する条約の2つの選択議定書の第1回日本政府報告書審査=3つの勧告:最終所見)では、こどもの権利条約が対象としている18歳以下のこどもたちにすみやかに普及し、子どもの権利条約と『武力紛争』『こどもポルノ』の2つの選択議定書を活用する道を開くことを強く勧告しています。(※資料1)
 また、2008年には国連自由権規約委員会が、日本の参政権を確立させるための公選法や国家公務員法の改正・個人通報制度の批准・国内人権救済機関の創設・取り調べの可視化・国際自由権規約を警察・検察・裁判官に徹底することなど、日本の人権保障システム全体に対して厳しく具体的に勧告していますが、まだひとつも具体化されていません。
 当会は2007年10月より、個人通報制度批准の取り組みを日弁連に協力しながら署名活動も開始し、同時に1998年に外務省が作成した“世界人権宣言50周年パンフレット”〈※パンフ①〉を、約1500冊ほど普及してきました。裁判所要請で裁判長や支援者に届け、当会の学習集会や映画会、高校の社会科の授業やPTA総会・裁判集会や憲法学習会など様々な取り組みを通じて、全国各地で普及しています。
 今月10月7日には盛岡で第53回日弁連人権擁護大会が開かれ、ここに参加されていた弁護士のみなさんにも普及し、その後弁護士の先生も大学の授業で100冊活用されています。
 2008年に自由権規約第5回日本政府報告書審査を受けて勧告されて以来、当会は、この勧告を裁判長や法曹関係者・法科大学院の教授のみなさんに国際人権規約の普及と活用を重視し、当会の4つの署名入りのチラシと、日弁連のパンフレット〈※パンフ②〉の普及を中心に取り組みを強化しています。
 当会として、昨年10月には千葉景子法務大臣に直接、この日弁連のパンフレットを全ての国会及び地方議員・人権擁護委員・国家及び地方公務員などへの配布について予算化を提案(※資料1)し、日弁連の宇都宮健児会長にも5月に協力を要請(※資料2)しています。
 日弁連では、4月から貧困問題の取り組みを強化されており、とりわけこどもの貧困問題に対して特別の対策をとって全国で集会を開催し相談活動にも取り組んでいます。
 当会は、国連および全国での活動と、東京都教育委員会による教育現場での重大な人権侵害と人権教育の現状と、当会事務所地千葉県習志野市での“こどもの居場所づくり”や“地域交流・高齢者の介護予防などの地域活動”をもふまえて、こどもの権利条約と自由権規約の勧告の普及と実施について提案し、緊急に要請します。
 【要請内容】
 1、こどもの権利条約の勧告と条約単独のホームページ開設などについて
 現在、外務省HPに掲載されている“こどもの権利条約と2つの選択議定書(武力紛争への子どもの関与に関する子どもの権利条約の選択議定書)の第1回報告書審査に関する今年6月の勧告(の総括所見)へのアクセスが大変難しいため
 ① 「こどもの権利条約」の勧告と条約を現キッズコーナーに入れて、単独で掲載してください。
 ② こどもや保護者が、わかりやすく簡単にアクセスできる工夫をしてください。(※資料3)
 ③ これまでの政府報告書や勧告など関連文書を全て、横書きで同じHPに掲載してください。
 ④ 日本語の漢字にはルビ付きで、原文(英語・中国語・フランス語・スペイン語・ロシア語)とともに、韓国語など可能な言語でも。
 2、childの訳を『児童』ではなく、「こども」(のけんりじょうやく)として、統一してください。
 英語教育の観点から、childについては正しい訳の日本語で表記してください。
 現在、18歳以下の子供が対象であるこの条約の名称が『児童の権利条約』と表記されているため、中学生や高校生の当事者はもちろん保護者の多くは一般的に、この条約の対象は「小学生」だと誤解してしまいます。出来るところからただちに改めてください。
 3、こどもの権利条約に関する2010年の3つの勧告のパンフレットを急いで作製し、こどもの権利条約と2つの選択議定書のパンフを増刷し、全てのこどもに配布を!
 早急に、子どもの権利条約に関する3つの勧告のパンフレットも作製し、条約のパンフレットとあわせて、全ての子ども・保護者・教師・児童施設職員・教育委員会関係者などに配布してください。
 4、日本弁護士連合会との協力についての提案(パンフレットの予算化と配布について)
 日本弁護士連合会作成のパンフレット(※パンフ3)を政府が日弁連と協力して予算化し、これをすべての国会議員・地方議員・人権擁護委員・国家公務員・地方公務員に配布し活用して国連の勧告と自由権規約を普及してください。
 5、国際人権規約(自由権・社会権):世界人権宣言のパンフ・こどもの権利条約と2つの勧告の人権パンフレットを外務省のロビーに置いてください。
                                以上


 [写真の説明 左、茶色のパンフ:世界人権宣言と国際人権規約 (外務省広報課作成)
 中、黄色のパンフ:、児童の権利に関する条約 ■武力紛争における児童の関与に関する児童の権利に関する条約の選択議定書 ■児童の売買、児童売春及び児童ポルノに関する児童の権利に関する条約の選択議定書 (外務省国際社会協力部人権人道課作成)
 右、白いパンフ:国際人権(自由権)規約委員会第5回日本政府報告書審査を踏まえて 『改革迫られる日本の人権保障システム』 個人通報/国内人権機関/死刑/代用監獄/女性・少数者差別( 日本弁護士連合会作成 《日弁連国際人権ライブラリーURL》http://www.nichibennren.or.jp/ja/kokusai/humanrights_library/index.html )]
『今 言論・表現の自由があぶない!』(2010/10/28)
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729/17551278.html

コメント    この記事についてブログを書く
« こどものけんりじょうやくっ... | トップ | 10月26日「日の丸・君が... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

人権」カテゴリの最新記事