=東京・大田で市民集会=
◆ リニア新幹線は原発とセット
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/f6/7eb91daf1dc3c7fcccb39e139ed13da1.jpg)
リニア中央新幹線がやって来る 嫌!嫌!嫌!
「百害あつて一リニアなし・・・エイプリルフールなら良かったのに」と題する講演会が4月1日、東京・大田区内で開かれた。建設会社最大手4社による談合が発覚し、トンネル工事による崩落事故も発生するなど問題続きのリニア新幹線についての講演会がリニア・市民ネット、ナマケモノ倶楽部主催、リニア新幹線を考える沿線住民ネットワーク共催で開かれた。集会はアニメあり、講演、対談ありの興味あるものになった。
◆ 採算も活断層も無視した工事
はじめに、中村徹さん作成の『リニア中央新幹線がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(リンク)と題する、リニア中央新幹線の問題点をユーモアたっぷりに、大変わかりやすく解説したアニメが上映された。
その問題点の第一は、リニア中央新幹線は現新幹線の4・5倍程度の消費電力を必要とする原発とセットになったプロジェクトであることだ。
第二の問題は、リニア中央新幹線は採算が合わず経営破綻をまねく恐れがある無謀な計画である点だ。
現在の東海道新幹線の年間座席利用率は6割程度。その同じ東京~大阪間のルートに人口減少のなかで(リニアが大阪まで開通する2045年には15歳~64歳の生産年齢人口は、現在より2500万人減)、建設費9兆円超を投入してリニア中央新幹線を走らせるのだから採算が合うわけはない。現に2013年JR東海の山田佳臣社長は、記者会見で「リニアは絶対にペイしない」と述べている。
収支が悪化していくことは明らかであり、東海道新幹線などの料金値上げや、最悪の場合は経営が破綻し、公共性が高いことを理由に日本航空のように税金が投入される可能性もある。
第三は危険すぎる走行ルートの問題だ。
リニアは、真っ直ぐ走ることでスピードを出す乗り物だ。そこで東京~名古屋間のリニア新幹線の走行ルートを直線で結ぶために、用地買収の必要のない地下トンネルが全ルートの86%を占める。
そのルートは、南アルプスを貫通し、世界最大級の活断層・中央構造線と糸魚川-静岡構造線が交差する、日本有数の大地震地帯にトンネルを掘り、時速500キロメートル超のスピードで走る。もし、通過中に大地震が起きれば大惨事となる。リニア中央新幹線は、原発と同様に活断層を無視する無謀なプロジェクトといえる。
しかも、リニアには運転手がいない。リニアは中央制御室の遠隔操作で運転する。
もし、事故が起きても現場判断での対応ができない。あるいは、中央制御室からの遠隔操作が不能になると長大な地下トンネルに乗客が閉じ込められることになる。リニア中央新幹線は恐怖の超特急、リスクを覚悟して乗れということだ。
第四は、長大なトンネル工事に伴う環境破壊の問題である。
トンネルを掘れば残土が出る。その残土は東京ドーム51個分にものぼり、その大量の残土を運ぶために一千数百万台のトラックが走り、周辺住民に騒音や排気ガスを撒き散らすことになる。また、その膨大な残土を置いた場所が環境破壊になる。
アニメ上映後、詩人のアーサー・ビナードさんや環境運動家の辻信一さんの講演と2人の対談が行われた。
そのなかで、ビナードさんは、リニア新幹線に関する新聞の見出しは、「2027年開業めざし加速」、「超巨大都市誕生へ」などと夢物語として摘いていると指摘し、「この物語をっぶさなければ、あとの世代は誰も背負えないような負担となる。これを止めることは僕らの責任」と述べた。
また、辻さんは、「グローバリゼーションは、巨大企業の利益を最大化させ、その他のすべてを犠牲にする。その文脈でリニアのことを捉えたい」と述べた。
また冒頭に上映した中村徹さんのアニメについて触れ、「僕は感動した、安倍首相とリニアの関係なども追加した上で、みんなで広げよう。僕らの責任は大きい」と参加者に呼びかけた。
なお、中村徹さんのアニメは「リニア中央新幹線がやって来る」等とネット検索すると、手軽に見ることができる。
※リニア中央新幹線がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
https://www.youtube.com/watch?v=u-cLZ2m6324
『週刊新社会』(2018年5月1日)
◆ リニア新幹線は原発とセット
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/40/f6/7eb91daf1dc3c7fcccb39e139ed13da1.jpg)
リニア中央新幹線がやって来る 嫌!嫌!嫌!
「百害あつて一リニアなし・・・エイプリルフールなら良かったのに」と題する講演会が4月1日、東京・大田区内で開かれた。建設会社最大手4社による談合が発覚し、トンネル工事による崩落事故も発生するなど問題続きのリニア新幹線についての講演会がリニア・市民ネット、ナマケモノ倶楽部主催、リニア新幹線を考える沿線住民ネットワーク共催で開かれた。集会はアニメあり、講演、対談ありの興味あるものになった。
◆ 採算も活断層も無視した工事
はじめに、中村徹さん作成の『リニア中央新幹線がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』(リンク)と題する、リニア中央新幹線の問題点をユーモアたっぷりに、大変わかりやすく解説したアニメが上映された。
その問題点の第一は、リニア中央新幹線は現新幹線の4・5倍程度の消費電力を必要とする原発とセットになったプロジェクトであることだ。
第二の問題は、リニア中央新幹線は採算が合わず経営破綻をまねく恐れがある無謀な計画である点だ。
現在の東海道新幹線の年間座席利用率は6割程度。その同じ東京~大阪間のルートに人口減少のなかで(リニアが大阪まで開通する2045年には15歳~64歳の生産年齢人口は、現在より2500万人減)、建設費9兆円超を投入してリニア中央新幹線を走らせるのだから採算が合うわけはない。現に2013年JR東海の山田佳臣社長は、記者会見で「リニアは絶対にペイしない」と述べている。
収支が悪化していくことは明らかであり、東海道新幹線などの料金値上げや、最悪の場合は経営が破綻し、公共性が高いことを理由に日本航空のように税金が投入される可能性もある。
第三は危険すぎる走行ルートの問題だ。
リニアは、真っ直ぐ走ることでスピードを出す乗り物だ。そこで東京~名古屋間のリニア新幹線の走行ルートを直線で結ぶために、用地買収の必要のない地下トンネルが全ルートの86%を占める。
そのルートは、南アルプスを貫通し、世界最大級の活断層・中央構造線と糸魚川-静岡構造線が交差する、日本有数の大地震地帯にトンネルを掘り、時速500キロメートル超のスピードで走る。もし、通過中に大地震が起きれば大惨事となる。リニア中央新幹線は、原発と同様に活断層を無視する無謀なプロジェクトといえる。
しかも、リニアには運転手がいない。リニアは中央制御室の遠隔操作で運転する。
もし、事故が起きても現場判断での対応ができない。あるいは、中央制御室からの遠隔操作が不能になると長大な地下トンネルに乗客が閉じ込められることになる。リニア中央新幹線は恐怖の超特急、リスクを覚悟して乗れということだ。
第四は、長大なトンネル工事に伴う環境破壊の問題である。
トンネルを掘れば残土が出る。その残土は東京ドーム51個分にものぼり、その大量の残土を運ぶために一千数百万台のトラックが走り、周辺住民に騒音や排気ガスを撒き散らすことになる。また、その膨大な残土を置いた場所が環境破壊になる。
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アニメ上映後、詩人のアーサー・ビナードさんや環境運動家の辻信一さんの講演と2人の対談が行われた。
そのなかで、ビナードさんは、リニア新幹線に関する新聞の見出しは、「2027年開業めざし加速」、「超巨大都市誕生へ」などと夢物語として摘いていると指摘し、「この物語をっぶさなければ、あとの世代は誰も背負えないような負担となる。これを止めることは僕らの責任」と述べた。
また、辻さんは、「グローバリゼーションは、巨大企業の利益を最大化させ、その他のすべてを犠牲にする。その文脈でリニアのことを捉えたい」と述べた。
また冒頭に上映した中村徹さんのアニメについて触れ、「僕は感動した、安倍首相とリニアの関係なども追加した上で、みんなで広げよう。僕らの責任は大きい」と参加者に呼びかけた。
なお、中村徹さんのアニメは「リニア中央新幹線がやって来る」等とネット検索すると、手軽に見ることができる。
※リニア中央新幹線がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!
https://www.youtube.com/watch?v=u-cLZ2m6324
『週刊新社会』(2018年5月1日)
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