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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

★ 根津公子の都教委傍聴記(2025年2月4日)

2025年02月06日 | 暴走する都教委と闘う仲間たち

 ★ この施策・事業で不登校やいじめ、教員の精神疾患・休職は減らない (レイバーネット日本)

 通常第2、第4木曜日の10時から開催される「都教委定例会」ですが、今回は曜日まで変わって今日4日(火)の9時半開始。5人の教育委員のうち、1人は欠席、もう1人はZOOMでの出席でした。定例会担当の職員に質したところ、「知りません」。
 次回定例会も第3木曜日とのこと。教育委員はもちろんのこと、傍聴者たちにだって予定があります。次回定例会を筆者は傍聴できなくなってしまいました。

 さて、今日の公開議案は、

教育庁の課に新たに教育計理課を設置することに伴う規則の制定、
非公開議案に教員の懲戒処分等についてが2件。議案になっているのは重い処分案件ということです。

 報告は、

①来年度教育庁所管事業予算・職員定数等について
②都教委における第2期障害者活躍推進計画(案)について
③今年度中学校スピーキングテスト(ESAT-J YEAR3)の実施状況について
④今年度学校における働き方改革の進捗及び今後の展開について

 でした。

 ★ 来年度教育庁所管事業予算・職員定数等について、及び④今年度学校における働き方改革の 進捗及び今後の展開について

 事業計画やそれに伴う予算計上は、東京都教育ビジョン第5次(昨年3月策定)に基づいたものだとのことです。
 なお、同ビジョン第5次は都教委独自の施策ではなく、中教審答申の「令和の日本型学校教育」の構築を目指して(個別最適な学び=指導の個別化と学習の個別化、主体的・対話的で深い学び 2021年)、中教審諮問の教育課程の基準等の在り方について(柔軟な教育課程の在り方等 2024年)に倣っての施策です。

 都教委が掲げる事業は、「新しいステージにおける教育の展開」「多様化する児童・生徒への対応のブラッシュアップ」「学校現場のBPXによる『働き方改革』の抜本的な推進」の3つの柱を立て、

 「新しいステージにおける教育の展開」では、

都立高校生の海外派遣や海外高校生の受け入れ拡大、英語教育において指導的立場の教員を対象に海外派遣研修(新規)等を実施し「グローバル人材の育成」を行う。

授業等で「都立学校生成AI」の活用の推進、生成AIに関するAIリテラシー育成教材の作成(新規)等を実施し「デジタルを活用した学び」を行う。

学習状況を可視化し講座情報の一覧化など生徒の学習履歴・学習状況を一元管理可能なLMS(Learning Management System)の導入(新規)等を実施し「都立高校の改革」を行う。

 「多様化する児童・生徒への対応のブラッシュアップ」では、

近隣する特別支援学校と都立高校で協働活動を実施する取組を進める(新規)等を実施し「インクルーシブな教育環境の整備」を行う。

中学校におけるチャレンジクラス(不登校対応校内分教室)設置を拡大すること等で「不登校等への支援充実」を行う。

 「学校現場のBPXによる『働き方改革』の抜本的な推進」(BPX:ビジネスプラットフォームトランスフォーメーション)では、

学校・教員以外で担うことが可能な業務を外部委託にする(新規)こと等で「教員の働き方改革」を行う、
教務手帳の電子化の検証や段階的にスマホを貸与する(新規)こと等で「校務のデジタル化」を行う、
教員休職者に休職の初期の段階から復職まで心理士等による一貫した伴奏型支援を実施する(新規)ことで「メンタルヘルス」に力を注ぐ

 と言います。

 2010年頃からコミュニティ・スクール(学校運営協議会)の看板を掲げた学校が多くなり、警察や地域の有力者(校長が要請)が発言・「支援」をするようになっています。
 筆者の学区の中学校校門前にも「コミュニティ・スクール」と書かれた大きな看板が立てられていますが、こうした看板を見られた方は多いと思います。
 今回の「学校現場のBPXによる『働き方改革』の抜本的な推進」では、弁護士やTEPRO相談員(学校支援を目的に都教委が設立した団体。元校長が多い)も学校に支援に入るとのことです。
 職員会議でじっくり議論を重ねることはせずに「支援」を求めるのはなぜなのでしょう。教員たちには解決能力がないと都教委は見ているのでしょうか

 ところで、こうした施策・事業子どもたちの不登校やいじめ、教員の精神疾患・休職や中途退職が減るでしょうか
 断じて否です。
 何のため、誰のための施策・事業かと思わざるを得ません。都教委の考えるべきは

子どもにとっても教員にとっても、学校を楽しく全力で勉強・仕事ができるところにするにはどうしたらいいか、

 です。
 都教委が教員を指示命令に従わせ続けてきた結果教員の精神疾患・休職や中途退職の増加、さらには教員受検率の低下になっていることに気づくべきです。
 教員たちが職員会議で意見を述べ合い、子どもたちに向き合った教育活動をしていけたら、子どもたちも学校が楽しい場となること間違いありません。このことは、これまで何度も筆者が書いてきたことですが、教育委員の皆さんには何としても考えていただきたいです。

 

 ★ 今年度中学校スピーキングテスト(ESAT-J YEAR3)の実施状況について

 今年度のスピーキングテストが説明会から結果等の通知まですべてが1月中に終了したとのことで、その報告でした。
 平均スコアは68,3(100が満点 昨年度は62,2)と上昇した。英語の教員が熱心に取り組んだ結果だ、と。

 試験開始・終了時刻の遅延は3会場で。機器の不具合などによる。
 再度の受験機会の設定、対象者は255人。機器の不具合や現場対応の誤りなどによる、ということでした。

 教育委員の一人が「トラブルが起きるのはあり得ること。トラブルに対応できるようにしたい」(主旨)と発言。他の教育委員は黙っていたので、同じ考えだったのでしょう。
 英語教員や生徒・保護者、市民がこの間、スピーキングテスト廃止を訴えてきたことに対し、教育委員も事務方も一顧だにしなかったということでしょう。

 なお、前出の、①「来年度教育庁所管事業予算・職員定数等について」には、「グローバルに活躍する人材を育成する教育」の項に

「中学3年生を対象に、英語スピーキングテストをアチーブメントテストとして実施するとともに、結果を都立高校入学者選抜にも活用」
「中学1.2年生を対象に英語スピーキングテストを実施し到達度を評価することで、教員による指導改善や生徒の学習意欲の向上を促進」

 と記しています。

『レイバーネット日本』(2025-02-05)
http://www.labornetjp.org/news/2025/0204nezu


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