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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

セクハラ「自制するより女のせいにする、そろいうあなたは犬ですか」

2018年05月07日 | 平和憲法
 ◆ ところ変われば (東京新聞【本音のコラム】)
師岡カリーマ(もろおか・文筆家)

 何年も前、ムスリム女性の多くが被(かぶ)るベールは抑圧の象徴ではなく、キャリア志向の女性にとって「容姿ではなく能力だけを見てほしい」という解放の手段でもあると書いた。
 職場でベールの女性にセクハラできるほど無神経な男性はそういるものではない、とも。
 ところが本コラムでも紹介した通り、私が育ったエジプトなどでは、大多数の女性がベール着用にもかかわらず、最近はセクハラが深刻な社会問題だ。私は男性を買いかぶっていたのだろうか。
 保守的な父権社会ほど、女性に責任転嫁する傾向も強い。やれ服装だの、目つきだの、被害にあうような所に行くのが悪いだのと、被害者侮辱は日本の比ではない。
 ただし、それに対する反論も容赦ないのがエジプトだ。

 「欲しいものそこにあるから手を出す、というのは泥棒がすること。メスがいたら自制せず追いかけるのはがすること。自制するより女のせいにする、そろいうあなたは犬ですか」なんてキャスターがテレビで言うのは当たり前。
 「加害者は去勢せよ」という超過激な意見も、メディアで飛び交った。

 でも「去勢したって無駄よ」というコメディアンもいる。「セクハラ根性は頭の内に宿るのだから」。
 女は格下。本来の居場所は家庭。本当は俺にかまってほしいんだ。
 そんな勘違いを脳から摘出するのは、万国共通の大手術だ。

『東京新聞』(2018年5月5日【本音のコラム】)

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