=山田厚さんの講演より=
◆ コロナ医療崩壊は、政治が元凶
~大規模な病院削減と統廃合 (週刊新社会)
“コロナ感染での医療崩壊は誰の責任か”と題して労働者集会が3月23日東京都内で開かれた(本紙4月20日号既報)。そこで「医療崩壊の責任は誰か」を全国労働安全衛生研究会代表で甲府市会議員の山田厚さんが講演した。その概要を紹介する。
コロナ感染症災害で明らかになったことは、あまりにも日本の防疫・医療・社会保障が脆弱であったことだ。
そして独占資本のためには自民党政治が、いかなる場合にも国民と労働者のいのちを粗末に扱い、独占資本の利益追求を目指していることだ。
◆ コロナに便乗した困窮の押し付け
コロナに便乗した権利破壊と賃下げ・雇止め・希望退職が増えている。中小・零細企業や老人福祉・介護事業の倒産、解散も過去最多だ。女性や子どもの自殺率は過去最多となった。
だが、政府はコロナ禍を防ぎようない「自然災害」かのように描き「自粛・自己責任」を国民に押し付けた。
◆ 感染者患者の入院を放置してきた
コロナ感染が続く中、1年経った現在も公的検査も医療供給体制も「無為無策」で脆弱のままだ。感染の広がりと「医療ひっ迫」「医療崩壊」は現実になった。
1月20日の政府データでは「自宅療養」「確認中」は医療ではなく患者の放置となった。入院できない感染者(図2)は多数にのぼる。
◆ コロナ災害期でも2万1千床も削減
感染症以外の患者に対しても治療が不可能な事態も生まれている。
こうした原因は政府・自治体での病床と病院の削減医療政策にある。コロナ感染以前から病院、病床のゆとりを奪ってきたからだ。
26年間で病床を33万床も削減。
自治体では17年間で137病院も統廃合・廃院した。
さらに感染症専用病床は結核病床を含めて3万床も削減してきた。
コロナ災害期でも2万1千床も削減している。
その結果、2021年1月の緊急事態宣言対象の都県はもともと医療がひっ迫していた。
政府・自治体は他国のように必要な臨時医療病院の大規模建設をしないままだ。
◆ 自衛隊を縮小、再編災害救助組織へ
忘れてならないのは、感染症対策で国内最高の機動力と医療資源を持っているのが自衛隊だ。
コロナ感染症災害で自衛隊は2021年段階で派遣は100件とされるが、実績はよく見えない。
自衛隊の医療従事者は7400名もいるが、どのように派遣されたのか。
「大規模野戦病院」や「陰圧式エアテント」は活用されていない。
自衛隊病院の活用も不十分(表1)なままだ。防衛省関係者中心で、しかも透明性はない。
かつての社会党は1950年代後期から、自衛隊の予算を削減し、隊員の民主的権利を確保し、国土開発、治山治水、災害対策など「国土建設隊」への再編を基本政策としてきた。その政策実現が問われている。
◆ コロナ災害は大企業との政治的対決
どのような自然災害であろうとも、自公政権は企業のための政治であることを忘れてはならない。医療・社会保障の公的責任を破壊し、営利の市場化を確実に進めている。
ちなみにその医療政策をあげると、以下のとおりである。
◆ 政府・財界の全面的な反動攻勢と闘う
コロナ禍の災害を理由にした働くものへの賃下げ、首切りと権利破壊との闘いは、大企業のための悪政との闘いだ。
「会社あっての労働者」「黒字だと要求できる」という考えは、自らの生活もいのちも守れない。コロナ禍の悪政と断固闘おう。
『週刊新社会』(2021年5月18日)
◆ コロナ医療崩壊は、政治が元凶
~大規模な病院削減と統廃合 (週刊新社会)
“コロナ感染での医療崩壊は誰の責任か”と題して労働者集会が3月23日東京都内で開かれた(本紙4月20日号既報)。そこで「医療崩壊の責任は誰か」を全国労働安全衛生研究会代表で甲府市会議員の山田厚さんが講演した。その概要を紹介する。
コロナ感染症災害で明らかになったことは、あまりにも日本の防疫・医療・社会保障が脆弱であったことだ。
そして独占資本のためには自民党政治が、いかなる場合にも国民と労働者のいのちを粗末に扱い、独占資本の利益追求を目指していることだ。
◆ コロナに便乗した困窮の押し付け
コロナに便乗した権利破壊と賃下げ・雇止め・希望退職が増えている。中小・零細企業や老人福祉・介護事業の倒産、解散も過去最多だ。女性や子どもの自殺率は過去最多となった。
だが、政府はコロナ禍を防ぎようない「自然災害」かのように描き「自粛・自己責任」を国民に押し付けた。
◆ 感染者患者の入院を放置してきた
コロナ感染が続く中、1年経った現在も公的検査も医療供給体制も「無為無策」で脆弱のままだ。感染の広がりと「医療ひっ迫」「医療崩壊」は現実になった。
1月20日の政府データでは「自宅療養」「確認中」は医療ではなく患者の放置となった。入院できない感染者(図2)は多数にのぼる。
◆ コロナ災害期でも2万1千床も削減
感染症以外の患者に対しても治療が不可能な事態も生まれている。
こうした原因は政府・自治体での病床と病院の削減医療政策にある。コロナ感染以前から病院、病床のゆとりを奪ってきたからだ。
26年間で病床を33万床も削減。
自治体では17年間で137病院も統廃合・廃院した。
さらに感染症専用病床は結核病床を含めて3万床も削減してきた。
コロナ災害期でも2万1千床も削減している。
その結果、2021年1月の緊急事態宣言対象の都県はもともと医療がひっ迫していた。
政府・自治体は他国のように必要な臨時医療病院の大規模建設をしないままだ。
◆ 自衛隊を縮小、再編災害救助組織へ
忘れてならないのは、感染症対策で国内最高の機動力と医療資源を持っているのが自衛隊だ。
コロナ感染症災害で自衛隊は2021年段階で派遣は100件とされるが、実績はよく見えない。
自衛隊の医療従事者は7400名もいるが、どのように派遣されたのか。
「大規模野戦病院」や「陰圧式エアテント」は活用されていない。
自衛隊病院の活用も不十分(表1)なままだ。防衛省関係者中心で、しかも透明性はない。
かつての社会党は1950年代後期から、自衛隊の予算を削減し、隊員の民主的権利を確保し、国土開発、治山治水、災害対策など「国土建設隊」への再編を基本政策としてきた。その政策実現が問われている。
◆ コロナ災害は大企業との政治的対決
どのような自然災害であろうとも、自公政権は企業のための政治であることを忘れてはならない。医療・社会保障の公的責任を破壊し、営利の市場化を確実に進めている。
ちなみにその医療政策をあげると、以下のとおりである。
①風邪薬など保険適用から外し、売薬とする。
②2023年から医師養成数を減らす。
③医師の長時間労働を可能にする検討を開始。
④病院の統廃合を進める地域医療構想をそのまま続ける。
⑤病床削減の病院には消費税財源で給付金を配る事業を進める。
⑥75歳以上の患者の負担2割化を2022年後期から開始予定。
◆ 政府・財界の全面的な反動攻勢と闘う
コロナ禍の災害を理由にした働くものへの賃下げ、首切りと権利破壊との闘いは、大企業のための悪政との闘いだ。
「会社あっての労働者」「黒字だと要求できる」という考えは、自らの生活もいのちも守れない。コロナ禍の悪政と断固闘おう。
『週刊新社会』(2021年5月18日)
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