◆ 久しぶりに傍聴者の声を伝えることができた (レイバーネット日本)
誓約書を書かなければ傍聴させないと都教委から言われ排除され続けてきた元教員の藤田さんが久しぶりに傍聴に来た。誓約書に名前を書いて委員会室に入るや、「なぜ傍聴者の椅子は粗末なのだ!」と元気に発声。中井教育長は不意打ちを食らったようで、「退場」とは言えず、「次言ったら退場を命じる」と言い、定例会を始めた。
議題は、公開議題が、①「東京都がん教育推進協議会」提言について ②都民の声(教育・文化)について[昨年度下半期]、非公開議題は懲戒処分が議題、報告ともにあった。
①「東京都がん教育推進協議会」提言について
国ががん対策推進に乗り出したことから、都は外部講師を活用したがん教育をすべての学校で行っていくことを提言にまとめたとの報告。
提言は、福島県の小児甲状腺がん及び疑いのある子どもたちが196人(2018年3月調査)いるという現実や、その福島への帰還政策を国にならって進めてきた都の施策については一言も触れずに、「がんについての正しい知識とともに命の大切さを子どもたちに教える」という。教育委員の誰一人として、福島に触れる人はいなかった。
イライラしてきた藤田さん、「命の大切さだと。生徒がプールで首の骨を折っている。それはどうなんだ」(注)と怒りの声を上げた。続けて、「福島の甲状腺がんはどうなんだ」等々、何人かが何度か声を上げた。
中井教育長は「次、声を出したら退場です」と、これまでよりも多少遠慮がちに言った。
藤田さんは数回の発言で退場させられてしまったが、傍聴席は久しぶりに自己規制から解放された。
都教委事務方も教育委員も傍聴席から上がる批判の声に学ぶべきなのだ。
(注)「勤務校プールの水深が通常より浅い水深であることを知りながら、注水を行わず、平成28年7月14日午前9時55分頃、同プールのプールサイドにおいて、当時同校生徒に対して、左手に持ったデッキブラシの柄を、同プールの水面上に差し出した状態で、同デッキブラシを飛び越えるように指示し、同生徒に同デッキブラシを飛び越えさせ、同生徒が頭から同プールに飛び込み、同プールの底に頭部を打ち付け、傷害を負う事態を招いた。」(都教委HP服務事故より)
②都民の声(教育・文化)について[昨年度下半期]
寄せられた「都民の声」1913件のうち、「苦情」が最多の1338件(69、9%)、次が「要望」の270件(14、1%)。これまでと同じ傾向という。
「高校の室外機の騒音がうるさく、平日は仕方ないが、土曜日のエアコン使用は迷惑」という近隣住民からの苦情には、「副校長から申し出者に謝罪するとともに、室外機を移設した。」
「体育の授業におけるマラソン指導において、教員から生徒に掛ける言葉が汚く、聞き苦しい」という苦情には、「校長から当該教員に厳しく指導した」など。
陳情等(団体要請)40件のうち、「学校運営」に関するものが19件(47、5%)であり、そのうち、「学校教育の充実について」が12件。障害児教育の充実を求める要望、発達障害に対する支援の充実を求める要望である。
陳情等の2番目は「教職員」に関するもので18件(45、0%)、そのうち、「国旗掲揚・国歌斉唱と教員の処分について」が14件。
請願3件のうちの1件も、「国旗掲揚・国歌斉唱と教員の処分について」。
「苦情」に対してはすぐに改善策をとるのに、「君が代」不起立処分については今回も、「本通達を撤回する考えはありません。懲戒処分の撤回は考えていません。服務事故再発防止研修を実施します。」と請願者に通知した。
都教委の方針と異なる意見に対しては、都教委は「都民の声」とは思わないのだろう。謙虚に批判を受け止め、論議し再考する姿勢を示すべきだ。
それをしないから、東京の学校が閉塞状態となり、教員採用受験希望者が集まらないのだ。このことが、裸の王様=都教委幹部にはわかっていない。
『レイバーネット日本』(2018-05-28)
http://www.labornetjp.org/news/2018/0524nedu
誓約書を書かなければ傍聴させないと都教委から言われ排除され続けてきた元教員の藤田さんが久しぶりに傍聴に来た。誓約書に名前を書いて委員会室に入るや、「なぜ傍聴者の椅子は粗末なのだ!」と元気に発声。中井教育長は不意打ちを食らったようで、「退場」とは言えず、「次言ったら退場を命じる」と言い、定例会を始めた。
議題は、公開議題が、①「東京都がん教育推進協議会」提言について ②都民の声(教育・文化)について[昨年度下半期]、非公開議題は懲戒処分が議題、報告ともにあった。
①「東京都がん教育推進協議会」提言について
国ががん対策推進に乗り出したことから、都は外部講師を活用したがん教育をすべての学校で行っていくことを提言にまとめたとの報告。
提言は、福島県の小児甲状腺がん及び疑いのある子どもたちが196人(2018年3月調査)いるという現実や、その福島への帰還政策を国にならって進めてきた都の施策については一言も触れずに、「がんについての正しい知識とともに命の大切さを子どもたちに教える」という。教育委員の誰一人として、福島に触れる人はいなかった。
イライラしてきた藤田さん、「命の大切さだと。生徒がプールで首の骨を折っている。それはどうなんだ」(注)と怒りの声を上げた。続けて、「福島の甲状腺がんはどうなんだ」等々、何人かが何度か声を上げた。
中井教育長は「次、声を出したら退場です」と、これまでよりも多少遠慮がちに言った。
藤田さんは数回の発言で退場させられてしまったが、傍聴席は久しぶりに自己規制から解放された。
都教委事務方も教育委員も傍聴席から上がる批判の声に学ぶべきなのだ。
(注)「勤務校プールの水深が通常より浅い水深であることを知りながら、注水を行わず、平成28年7月14日午前9時55分頃、同プールのプールサイドにおいて、当時同校生徒に対して、左手に持ったデッキブラシの柄を、同プールの水面上に差し出した状態で、同デッキブラシを飛び越えるように指示し、同生徒に同デッキブラシを飛び越えさせ、同生徒が頭から同プールに飛び込み、同プールの底に頭部を打ち付け、傷害を負う事態を招いた。」(都教委HP服務事故より)
②都民の声(教育・文化)について[昨年度下半期]
寄せられた「都民の声」1913件のうち、「苦情」が最多の1338件(69、9%)、次が「要望」の270件(14、1%)。これまでと同じ傾向という。
「高校の室外機の騒音がうるさく、平日は仕方ないが、土曜日のエアコン使用は迷惑」という近隣住民からの苦情には、「副校長から申し出者に謝罪するとともに、室外機を移設した。」
「体育の授業におけるマラソン指導において、教員から生徒に掛ける言葉が汚く、聞き苦しい」という苦情には、「校長から当該教員に厳しく指導した」など。
陳情等(団体要請)40件のうち、「学校運営」に関するものが19件(47、5%)であり、そのうち、「学校教育の充実について」が12件。障害児教育の充実を求める要望、発達障害に対する支援の充実を求める要望である。
陳情等の2番目は「教職員」に関するもので18件(45、0%)、そのうち、「国旗掲揚・国歌斉唱と教員の処分について」が14件。
請願3件のうちの1件も、「国旗掲揚・国歌斉唱と教員の処分について」。
「苦情」に対してはすぐに改善策をとるのに、「君が代」不起立処分については今回も、「本通達を撤回する考えはありません。懲戒処分の撤回は考えていません。服務事故再発防止研修を実施します。」と請願者に通知した。
都教委の方針と異なる意見に対しては、都教委は「都民の声」とは思わないのだろう。謙虚に批判を受け止め、論議し再考する姿勢を示すべきだ。
それをしないから、東京の学校が閉塞状態となり、教員採用受験希望者が集まらないのだ。このことが、裸の王様=都教委幹部にはわかっていない。
『レイバーネット日本』(2018-05-28)
http://www.labornetjp.org/news/2018/0524nedu
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