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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

非寛容の先に

2011年06月15日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 東京新聞【コンパス】
 ★ 非寛容の先に


 「『うた』を強制する国」<リンク→クリック>という一文を、この欄で六年前に書いた。学校で「君が代」斉唱が強制され、声量の調査さえ行われている現実を「自由で民主的な国のすることではない」と指摘する趣旨だった。そうした状況は今も変わらない。
 大阪府では三日、起立を義務付ける全国初の条例が成立した。条例案には自民党府議らも反対し、教育行政のトップである府教育長は「義務づけは必要ない」と府議会本会議で明言した。だが、教育の専門家ではない府知事の意を受けた府議らが、多数派の力で押し切ったのだ。
 一方、最高裁は五月末、校長の教員に対する起立命令を合憲とする初の判決を言い渡した。須藤正彦裁判長は「命令に踏み切る前に、寛容の精神の下に可能なかぎりの工夫と慎重な配慮が望まれる」と補足したが、言い訳がましい。判決は強制の圧力をさらに勢いづかせるだろう。
 こんなことを書くと必ず「おまえは国を愛さないのか」と言われるが、それは違う。《歌が強制される時代》と題した過日の「大波小波」<リンク→クリック>で(ホトトギス)氏が伝えた通り、起立を拒否した原告の元高校教諭は「日本を愛している」と述べたし、私も同じだ。だからこそ、こうした強制や非寛容の先に待つものを警戒するのだ。(品)
『東京新聞』(2011/6/13 夕刊【コンパス】)

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