パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

『教員免許更新制』に関して寄せられた声

2007年09月17日 | 平和憲法
 ● 「教員免許更新制」に関して寄せられた、反対・疑問の声
  (中教審のパブリックコメントより)

 ● 一般の人からの声

◆免許更新制が必要というなら、まずは教員の質が低下したということに関するデータを示してください。そういう調査結果はないはずです。教育再生のために行政がとるべき必要な措置は、教員が実力を発揮できる環境を整えることです。(自営業)
◆約30時間の講習にかかる費用がどれぐらいなのか。補助の財源があるのか、各個人負担なのかがわかりません。講師としてこつこつやっている人たちが、一律に強制的に多額の費用を負担することになるのは問題があるのではないかと思います。(大学院生)
学校ボランティアとして学校に行っていますが、先生はいつも忙しそうで話しかけるのが悪いかなと思うぐらいです。ボランティア頼みの司書などすぐに正規採用にしてください。事務職、用務員などを増やすだけでも教員の事務量が減り、子どもに向き合う時間が増えます。教育に必要な研修ができるよう現場にゆとりを戻してください。こんな愚策はすぐやめるべきです。(主婦)
◆なぜ教員だけが「免許更新」が必要なのですか?こんなことで「学ぶ喜び、生きる力」を育むことが可能になるとは到底思えません。(社会保険労務士)
◆子ども一人あたりの教職員数を「講習・研修・書類作成時間を増やした分だけ」増やす必要があります。でなければ、この政策は教育の質をあげるどころか下げる方向に作用します。(翻訳家)

指導力不足教員の根本的な原因は人員の不足です。教員の数が足りないのです。人手も予算も不足していて、良い教育サービスが提供できるわけがありません。(会社員)
◆小学生の子どもを持つ親ですが、今回の免許の更新制には反対です。子どもに目を向けてほしい学校の先生が、自分の免許のことばかりに目が向くようになります。それよりも先生たちが子どもに関われるよう人員を増やし、先生たちにもっとゆとりを確保してほしいです。(パート)
◆免許の正当性を言うのなら、なぜ民間から教師を20%入れるというようなことが考えられるのでしょうか?無免許運転をさせてもいいのでしょうか?免許を更新して正当性を持たせることと、免許を持っていない人たちを学校に入れていこうとすることは明らかに矛盾しています。(主婦)
管理職といえども教員であり、教員であることを前提に管理職になっています。教員としての適格性は、管理職であるかどうかに関わらず、教員である以上全員平等に審査されるべきです。(行政書士)
◆大学の講義を聴いて資質が本当に向上できるのでしょうか?それほど、大学の教育システムは優秀なのでしょうか?どんな職業でもやはり現場で働いてみてその人の能力を高める以外にはないと思います。どんな優れた講習も、現実の体験に勝るものは無いと思います。(主婦)
◆どこに住んでいる人でも、その通勤・通学圏外に行かずに済むよう、講習の地方格差がないように配慮してほしい。また、現職教員は現在教えている主たる免許にするなど、複数免許保持者への配慮をしてほしい。(大学院生)
◆指導力不足教員の大半は、子どもや保護者との人間関係に悩んでいると思います。机上の研修をいくら積んだとしても、その悩みが克服できるとは到底思えません。学校現場を離れ、これ以上の負担を教員に強いる免許更新制に断固反対します。(無職)
教員不信をもとにした問題教師排除を目的としており、評価できない。本当に教員の力量向上を目指すならば、教員の数を増やし、諸外国のように教員の自主研修の時間を確保すべきである。(公務員)
◆教職員一人ひとりの評価を、国家が教育目標に沿って権力で押し付けるとき、そこには教育の自由が無くなり、国策に沿った教育が行われるのは歴史から学んだことです。教員免許更新制に強く反対します。(NPO法人事務局)
◆免許を更新制にすることによって、教員の指導力が本当に向上するのでしょうか?教員の指導力が問題になるのであれば、採用した教育委員会などにその責任があるのであって、免許に問題があるということではないでしょう。(教育問題研究所所長)
◆創造的で柔軟な発想が必要な教育現場において、本来必要な人材までも画一的に排除してしまうような事態になりかねない諸刃の剣であることを考え、拙速な導入については見合わせるよう要望します。(市議)
◆免許の更新の講習を受ける制度をつくったとしても子どもたちの学ぶ環境がよくなることに直結するようには思えません。もっとたくさんの先生や学校で働く人たちを増やしてよりよい人的な環境を整えてくれることが、子どもたちにとっては一番いいと思います。(主婦)
◆大切なのは、教職員を育てることであるはずです。このような制度で、教職員を目指す若い世代が育つとは思えません。教職員を支援する制度こそ充実させるべきだと考えます。(会社員)
◆教員採用試験に受からず、他の職に就いている場合、正社員の労働時間が大幅に増加し、過労死基準に近い人の割合も増えている中、研修に参加することは容易ではありません。大卒時に教員免許を取得したとして、30代半ば以降で教員の道を閉ざすことになりかねません。(事務職)
◆教員の適格性を審査するということよりも、職業研修として教員のスキルアップの機会として機能させることに重点を置くべきです。またその際の研修内容は上意下達の一方的なものではなく、児童・生徒に対する指導力を磨くための実践的な技能研修であってほしいと思います。(主婦)
◆教員は現場が育てるものです。子どもたちに育ててもらうものです。保護者に気付かせてもらうものです。そうして子どもの側に立てる「先生」に育っていくのです。(パート)
◆学校の先生が安定して仕事をできないと子どもにも悪い影響を及ぼします。世界的に見ても、免許更新制をとっているのは先生の学力に問題のあるアメリカだけです。どうかグローバルスタンダードでお願いします。(パート)

 ● 教職員からの声
◆そもそも今日の課題となっている子どもたちのさまざまな課題が、果たして教員の指導力不足から生じているものなのでしょうか。教員免許を更新制にし、講習を受ければ、子どもたちが直面している課題が解決されると、本当に考えているのでしょうか。もっと学校現場を見てください。学校現場を知ってから議論してください。
◆マスコミ等で教員の資質向上が課題と、よく流れています。まず、こういったことについて、データが必要なのではないでしょうか。教員の質が落ちているのか、それとも落ちていないのか。学校現場で生じる諸問題は、教員の質が原因か、教育委員会の施策に問題はないのか、いろいろと検討されて、データに基づき議論をしてほしいと思っています。
◆教員免許については、現行の免許法で客観的基準による免許の取り消しも規定されており、これを適用すればすむことです。すべての教員を対象にして、教員免許更新制を行う必要性はどこにもありません。本制度は、すべての教員をいつ失職させられるかわからないという極めて不安定な身分におくことであり、教員は、常に強迫観念にさらされることになります。教員がこのような状態におかれて、一体よい教育ができるとでも言うのでしょうか。
◆なぜ管理職の講習免除があるのですか?それほど必要なものとされるのであれば、まず「隗より始めよ」で管理職が受講し、その実効性を検証してから現場に下ろすべきだと考えます。現場の人手不足をさらに進め、学校という学びの場、授業を軽視するような結果になることをどれほど理解されているのか。
◆「ダメ教員排除」という任用面の課題を全ての教職員に広げ、一律な研修を課すことの問題点は、すでに多くの識者・教職員が指摘しているはずです。心配な点は、生活のかかる免許更新に目が向き、子どもから目を背ける教員が間違いなく出ることです。同時に、優れた教員の自助努力の時間が奪われることです。「ダメ教員排除」の方策が、より「ダメ教員排除」を増幅させ、努力する教員の時間を奪うという、皮肉な結果になることが十分予測できます。
◆いじめや不登校などの問題解決には、時間と手間がかかるのです。逆に、時間と手間をかけなければ、そうした問題が発生する要因にもなるのです。それにもかかわらず、「教職員の定数は上げない」どころか「児童生徒の自然減による定数減以上に教職員数を削減する」などとする無謀さは、日本の教育を、教育の未来を崩壊させるほかの何ものでもありません。「教員免許更新制」の前に、いわゆる「標準法」を改正し、教職員定数を増やし、定数内講師を極力減らし、教材研究と子どもと向き合う時間を確保してください。それができてから、どうぞ「教員免許更新制」を導入してください。


『e-station』
http://www.jtu-net.or.jp/news/07/03/pdf/09n1_2.pdf

コメント    この記事についてブログを書く
« 教員免許更新制Q&A文科省 | トップ | 東京総行動&都教委回答 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

平和憲法」カテゴリの最新記事