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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

新採が追いつかないほど辞める先生が増えている

2005年01月23日 | 暴走する都教委
10/26都議会文教委員会の記録から(1)
〇木村委員 次の問題に入ります。今の都立学校授業料減免状況の資料の次のページにございますが、教員の年代別退職者数という、これも過去五年でいただきました。この資料を見て、改めて私も驚いたんですが、定年退職者というのは、当然、定年ですから退職、当たり前ですが、定年以前に退職される教員がふえている。四十歳以上から六十歳未満までの教員、いわば先生としてベテラン、脂が乗り切っている、それぞれの学校でリーダー格に当然なるというような年配の先生方。平成十一年、十二年は、十一年が三百七十四で、十二年が三百六十四だから若干減っていますけれども、十三年、十四年、十五年というふうに見ますと、平成十二年度に四十歳以上から六十歳未満までの退職者が小学校で三百六十四だったのが、十三年度四百三十四、十四年度五百五十六、十五年度六百十七というふうに一路ふえるという傾向にあります。これは一体なぜでしょうか。
〇江連人事部長 教員の定年前に退職する人が増加しているということでございますが、定年前の退職につきましては勧奨退職と普通退職に分類できるわけでございます。定年前の退職者の内訳でございますが、平成十一年から平成十五年までの表がございますが、最近五年間で勧奨退職者の割合が約六〇%を占めてございまして、増加の傾向にございます。平成十五年度では約六三%に達しております。平成十四年度までの定年前退職者の増加は勧奨退職の増分によるものというふうに考えております。
〇木村委員
 勧奨退職というのは、やめてちょうだいという意味ですね。おやめになったら、退職金を少しふやしますよと。これは政策的に進めているというように聞いたんですけどね。
 「東京都の教育」、この間いただいたんですが、教職員のところで、採用候補者選考実施状況というのがありますね。小学校、一般の場合ですが、応募者が三千四百三十七、受験者が二千八百三、合格者が六百六十四、採用者が千二百十三という数字が出ています。僕は、合格者六百六十四というのが、いわば退職を穴埋めして、これだけ必要だなという数に見合うのかなと思うんですよ。これは平成十五年度ですから、十五年度だと、定年前の四十歳以上六十歳未満が六百十七ですよ。定年前にやめちゃっている人の数だけで合格者はなくなっちゃう。定年でやめた五百七十二、小学校、これもそっくり、あと採用者が千二百となっていますから、合格者以外、補欠ということで、予備で名前を登録してもらっている人から採っているんでしょうけれども。
 平成十五年でいうと、小学校、四十歳未満の人が百五十三、四十歳以上六十歳未満が六百十七、定年でやめた人が五百七十二、合計千三百四十二名ですが、採用は一般の場合千二百十三。そのほか二十四名ありますけれども。大体この数だって採用者が足りなくなっているでしょう。しかも、合格者以外の採用者の方が数が多い。五割以上になっている。
 勧奨退職がふえたから、こういうふうに四十歳以上六十歳未満の人の退職がふえているんだというふうにおっしゃいますけれども、この採用試験一つとっても、都教委の考えている人事政策の想定している枠よりもはるかに上回っているということじゃないですか。どうでしょう。
〇江連人事部長 退職者の推定につきましては非常に難しゅうございまして、平成十五年度につきましても、途中で特新規採用職員等が、いわゆる職場に定着率が少ないというふうな特別な理由もございまして、退職者の数というのは非常に難しゅうございますけれども、教員の確保に当たって、それを含めまして、教育に支障がないように、非常勤職員等を充ててしているところでございます。
〇木村委員 答弁にも何もなってないですよ。就職したけど定着できなかったというのは、四十歳未満でやめてしまった人の話でしょう。その人たちもふえていますけれども、四十歳以上から六十歳未満の人でやめる人が年々ふえている。三百、四百、五百、六百というふうに年々--ふえたり減ったりならまだわかるけれども、ずっとふえているというのは何なんだ。そうしたら、勧奨退職だ、やめてくださいといっているんだと。やめてくださいといっている割には、採用の数は全然それに見合わないじゃないか、ちぐはぐじゃないですか、そういうことを聞いているわけなんです。こういうことになるのは何が原因なんですか。
〇江連人事部長 先生ご質問の退職者と採用者との乖離といいますか、その点のご質問だと思うんですが、退職者につきましては、先ほど申し上げましたように、定年退職者、それから、勧奨退職者、それとともに、四十歳以下の途中での退職者の数が、微増ですけれども、ふえているというふうな状況がございまして、それらを含めまして、十六年、十七年度につきましては万全を尽くしてまいりました。十七年度についてもそれらを含んで採用選考を行ったところでございます。
〇木村委員 この話はこのぐらいだけど、要するに、人事政策というか、採用計画一つとってみても、私は、現実に合っていないということは明確に申し上げておきたいと思います。
 私、文教委員に今度させられたというか、なったというか、そのために、学校の先生にもお会いしてお話を聞いたり、いろいろしてきました。どうしてなんだと、こういうことも含めて、聞いてきました。
 こういう人が、ほぼ共通した感想だったんですけれども、忙しいと。学校五日制が導入されてから、勤務時間が一時間延びた。学校から帰るのが、今、六時、七時は当たり前だ。八時、九時といったって例外ではない。研究指定校になるとさらに追われて、フリータイムというのがなくて、みんな疲れ果てている。それも子どものために忙しくなったわけじゃないから、なお一層つらい、疲れる。自己申告だとか、週案をつくれだとか、文書ばかりつくらされて、前にはなかった管理業務の仕事が毎日結局二時間ぐらいある。だから、そういう点で疲れるということですよ。だから、四十歳を過ぎて、定年間近になって、もうもたないという先生がふえるんだということなんですよ。
 つまり、さっきからのものだと、そういう問題意識というのはほとんど感じられないですね。こういう点について、つまり、定年前の退職者が毎年ふえていくということについて、この視点からの認識というのはありますか、どうですか、お尋ねします。
〇江連人事部長 先生のご質問は、非常に学校が忙しいから退職者がふえているかという、そういうご質問でしょうか。疲れ果てたという……。
 その件につきましては、個々の退職者は、本人からの書面による辞職の意思表示があった場合は、特に支障がない限り、これを承認するものというふうにしておりますので、どういう理由でやめたかというのは、先生個人のプライバシーもございますので、それは詳細に把握することは困難でございます。一般論としては、家事、介護の家庭の都合とか、あるいは転職、あるいは健康上の理由などの事例が多いというふうに聞いております。こうした状況から、お話のような忙しいというふうなことを理由とする退職がふえているというふうには判断しておりません。
〇木村委員 何か全然違う国の人と話しているような感じがしてきたな。問題意識が全然かみ合わないんだけど……。
 文部科学省の国立教育政策研究所が中心になった、平成十三年度、二〇〇一年三月に行った調査というのがあるんですね。その調査によれば、教員は、平日、平均十一時間働いているという調査になっています。これは平成十三年九月に速報版というのが出たんだそうですが、学校で仕事をしている時間が平均で九時間四十二分、自宅に戻ってからも、採点とか授業準備で一時間十七分、勤務時間は合計十一時間というふうに報じられました。教師をやめたくなるほど忙しいと感じたことがあるという教員の割合は六一%というふうに、この調査では回答が出されています。トイレに行く時間もなくて、学校で初めて入るのが午後五時過ぎになるということさえあった、こういうことなんですね。
 これですと、平日で十一時間働くということになると、月六十時間ぐらい超過勤務というふうになりますね。これはどういうことかというと、労働基準法で超過勤務のことがいろいろ決められていますね。超勤を命ずるときは--教員の場合じゃないですよ。一般の社会の話ですが、三六協定というのを結ぶ。三六協定を結んだときに、その三六協定に必ずうたい込まれる文句があって、超勤の協定を結ぶけれども、超過勤務が月四十五時間過ぎる場合は、さらに減らしていくという努力が事業者側に求められるという、いわゆる三六協定の限度基準というふうにいわれているのが、一月四十五時間の超過勤務です。
 文科省のこの調査だと、うちへ持ち帰って仕事をするのを一時間以上とっていますが、一月六十時間というふうになりますと、労働基準法で求められている超勤の三六協定の限度基準を超えるというぐらいになりますけれども、そういうことについてはご承知でしょうか。
〇江連人事部長 先生がおっしゃいました調査等については承知しております。
(続)

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