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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

安倍首相の取り戻したい「日本」とは、戦時中の人権と言論の自由が剥奪されていた時代

2013年09月25日 | 格差社会
 ◆ 誰のための政府か
鎌田 慧(ルポライター)

 まるでガマンくらべのようだな、と思うのは私だけだろうか。どんなに痛めつけられても、じっとガマンの子では、つぎの世代にあきれられる。
 企業減税が検討されている。その代わりのように、来年四月からいよいよ消費税が8%に増税される。バラまきと批判された「復興増税」は撤廃されるが、法人税への上乗せ分だけで、われわれの所得税はそのままだ
 大企業への露骨な優遇策を受けて、米倉弘昌経団連会長は早速「官に取られるより企業に残る部分が多くなる」と支持した。「企業に残った部分(利益)」が社員に還元されるというが、それはほんの一部だけだ。
 財界人らでつくる政府の「産業競争力会議」は、労働時間規制の適用除外(ホワイトカラー・エグゼンプション)や非正規労働者のなけなしの保護政策(五年働けば、無期契約にする)を廃止しようとしている。
 ほかにも解雇自由の「限定正社員」制度とか、とにかく戦後の労働者保護政策の破壊に腐心している。
 さらに、企業の農地保有の緩和(小作制度の復活)、大企業の漁業権の取得、国民総背番号制度の導入、秘密保護法案の準備など、安倍首相の取り戻したい「日本」とは、戦時中の人権と言論の自由が剥奪されていた時代への回帰でしかない。
 抑圧、束縛、収奪の暗黒政治と国際的な孤立をわたしたちは望んできたのか。

『東京新聞』(2013/9/24【本音のコラム】)

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