《星の金貨プロジェクトから》
★ 現在の日中関係は、全面戦争の前夜?「第一次世界大戦前のイギリスとドイツの関係」[ニューヨークタイムズ]
アジアの最大の国家である日本と中国の関係は、すでに何か月もの間緊張したままです。原因は領土問題、そして歴史認識の問題です。
そして現在、日本の安倍首相はこの問題に関する論争を一層拡大する挙に出ました。
スイスで開催されたダヴォス会議の席上行った演説の中で、著名な歴史学者の発言に同意する形で、現在の日中関係を第一次世界大戦前のイギリスとドイツの競争関係になぞらえましたが、この発言を中国側がどう受け止めるかという配慮を欠いたものでした。
この会議での主要な講演者のひとりであった安倍氏は第一世界大戦以前、イギリスとドイツが密接な貿易関係を結んでいたにもかかわらず、最終的には戦端を開くことになった経緯について、現在の日本と中国の間には「類似した状況」“similar situation”があると語ったのです。
安倍首相の発言はファイナンシャル・タイムズのコラムニストであるギデオン・ラックマンが司会を務めるフォーラムで、質問に答える形で行われました。ラックマンにはこの問題に関する論評があります。
その上で安倍首相は現在のアジア太平洋地域における緊張状態を作り出しているものは、中国の二桁に昇る軍事費の増額だと主張しました。
この会議に先立つ2013年12月、安倍首相は第二次世界大戦における14人の戦争犯罪者が合祀される靖国神社を参拝し、両国の関係を一層険悪なものにしていました。
アメリカのオバマ政権は、安倍首相に対し靖国神社への参拝を思いとどまるよう警告を行っていました。日本はアジアにおけるアメリカの主要な同盟国ですが、中国との間においてもバランスのとれた良好な関係を保つ必要があります。
一方で中国はアジア太平洋地域において威力外交的な態度を強めており、日本以外の国々ともこの点において緊張関係を作り出しています。
その最新の例は、日本が領有権を主張する尖閣諸島上空も含めて、防空識別圏を一方的に宣言したことです。
アメリカ政府の国務副長官のウィリアムJ.バーンズと国務省アジア太平洋地域担のダニエル・ラッセル補佐官の2人は、1月22日、23日の2日間、様々な問題について中国側と話し合うため北京に滞在していました。
この際当局者は、アメリカは中国と日本の紛争の調停者になるつもりは無いことを明言した上で、現在の日本と韓国の間の険悪な関係については、改善されるよう切望していると語りました。
安倍首相の日中関係を第一次世界大戦直前の英独関係に例えた発言は、中国国内から強な反応を引き出しました。
中国外務省の報道官は、「安倍首相は第二次世界大戦当時に行った侵略行為の本質をすり替えようとして、こうした発言を繰り返している。」と厳しく非難し安倍首相が提案した日中首脳会談については、「問題外である。」と語りました。
日本政府の最高位のスポークスマンでもある菅義偉官房長官は安倍首相の発言について、将来日本と中国の間に戦争が起きる可能性があるという趣旨は無く、先に行った公式の演説にあるように、安倍首相はアジアの平和と安定を望んでいるのだとの指摘を行いました。
http://www.nytimes.com/2014/01/24/world/asia/japans-leader-compares-strain-with-china-to-germany-and-britain-in-1914.html?_r=0
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★ 『外交に関する深読み』ができない、現在の日本政府
アメリカは中国との紛争において、日本に一方的に肩入れするつもりは無い
かつての小泉首相のパフォーマンスは国民全員が対象でしたから、賛否両論あるとしても『危険』という事ではありませんでした。
しかし現在の安倍首相のパフォーマンスは、自分の支持基盤である右翼勢力をのみ対象としているようです。
とてものこと、国民全体を向いた政治を志しているようには見えません。
この点が『危険』である所以です。
これからはあらゆる問題に対し監視と批判を続け、この国の民主主義の劣化を防いでいかなければなりません。
難儀なことですが、この難儀から逃げ出せば、将来もっと大きな難儀が降りかかるであろうことは明らかです。
『星の金貨プロジェクト』(2014年2月13日)
http://kobajun.chips.jp/?p=16468
★ 現在の日中関係は、全面戦争の前夜?「第一次世界大戦前のイギリスとドイツの関係」[ニューヨークタイムズ]
ジェーン・ペレス / ニューヨークタイムズ 1月23日
アジアの最大の国家である日本と中国の関係は、すでに何か月もの間緊張したままです。原因は領土問題、そして歴史認識の問題です。
そして現在、日本の安倍首相はこの問題に関する論争を一層拡大する挙に出ました。
スイスで開催されたダヴォス会議の席上行った演説の中で、著名な歴史学者の発言に同意する形で、現在の日中関係を第一次世界大戦前のイギリスとドイツの競争関係になぞらえましたが、この発言を中国側がどう受け止めるかという配慮を欠いたものでした。
この会議での主要な講演者のひとりであった安倍氏は第一世界大戦以前、イギリスとドイツが密接な貿易関係を結んでいたにもかかわらず、最終的には戦端を開くことになった経緯について、現在の日本と中国の間には「類似した状況」“similar situation”があると語ったのです。
安倍首相の発言はファイナンシャル・タイムズのコラムニストであるギデオン・ラックマンが司会を務めるフォーラムで、質問に答える形で行われました。ラックマンにはこの問題に関する論評があります。
その上で安倍首相は現在のアジア太平洋地域における緊張状態を作り出しているものは、中国の二桁に昇る軍事費の増額だと主張しました。
この会議に先立つ2013年12月、安倍首相は第二次世界大戦における14人の戦争犯罪者が合祀される靖国神社を参拝し、両国の関係を一層険悪なものにしていました。
アメリカのオバマ政権は、安倍首相に対し靖国神社への参拝を思いとどまるよう警告を行っていました。日本はアジアにおけるアメリカの主要な同盟国ですが、中国との間においてもバランスのとれた良好な関係を保つ必要があります。
一方で中国はアジア太平洋地域において威力外交的な態度を強めており、日本以外の国々ともこの点において緊張関係を作り出しています。
その最新の例は、日本が領有権を主張する尖閣諸島上空も含めて、防空識別圏を一方的に宣言したことです。
アメリカ政府の国務副長官のウィリアムJ.バーンズと国務省アジア太平洋地域担のダニエル・ラッセル補佐官の2人は、1月22日、23日の2日間、様々な問題について中国側と話し合うため北京に滞在していました。
この際当局者は、アメリカは中国と日本の紛争の調停者になるつもりは無いことを明言した上で、現在の日本と韓国の間の険悪な関係については、改善されるよう切望していると語りました。
安倍首相の日中関係を第一次世界大戦直前の英独関係に例えた発言は、中国国内から強な反応を引き出しました。
中国外務省の報道官は、「安倍首相は第二次世界大戦当時に行った侵略行為の本質をすり替えようとして、こうした発言を繰り返している。」と厳しく非難し安倍首相が提案した日中首脳会談については、「問題外である。」と語りました。
日本政府の最高位のスポークスマンでもある菅義偉官房長官は安倍首相の発言について、将来日本と中国の間に戦争が起きる可能性があるという趣旨は無く、先に行った公式の演説にあるように、安倍首相はアジアの平和と安定を望んでいるのだとの指摘を行いました。
http://www.nytimes.com/2014/01/24/world/asia/japans-leader-compares-strain-with-china-to-germany-and-britain-in-1914.html?_r=0
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★ 『外交に関する深読み』ができない、現在の日本政府
アメリカは中国との紛争において、日本に一方的に肩入れするつもりは無い
かつての小泉首相のパフォーマンスは国民全員が対象でしたから、賛否両論あるとしても『危険』という事ではありませんでした。
しかし現在の安倍首相のパフォーマンスは、自分の支持基盤である右翼勢力をのみ対象としているようです。
とてものこと、国民全体を向いた政治を志しているようには見えません。
この点が『危険』である所以です。
これからはあらゆる問題に対し監視と批判を続け、この国の民主主義の劣化を防いでいかなければなりません。
難儀なことですが、この難儀から逃げ出せば、将来もっと大きな難儀が降りかかるであろうことは明らかです。
『星の金貨プロジェクト』(2014年2月13日)
http://kobajun.chips.jp/?p=16468
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