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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ウィシュマさんの非業の死の波紋により、国際的な恥辱法案「出入国管理法改正案」が廃案に

2021年05月26日 | 平和憲法
 ◆ おもてなしの裏側 (東京新聞【本音のコラム】)
鎌田 慧(かまたさとし・ルポライター)

 東京五輪では「おもてなし」などといいながら、なんとこの国はアジアの人びとにたいして酷薄なのか。
 スリランカから日本に留学していたウィシュマ・サンダマリさんが、留学ビザが切れただけで「不法残留者」として、名古屋出入国管理局に収容されていた。
 一月下旬から嘔吐(おうと)を繰り返していたが仮放免も認められず、適切な治療もなく三月上旬、死亡した
 「姉は大好きな国で亡くなるなんて思いもよらなかったでしょう。姉のように亡くなる人が二度とでないようにお願いします」。
 五月、スリランカから来日した妹さんの涙ながらの挨拶(あいさつ)である。
 日本の入国管理の冷酷さは国際的に有名で、

 今国会の土壇場で廃案になった出入国管理法改正案は、国連人権理事会が任命する特別報告者から国際人権基準を満たしていないと指摘されていた。
 二〇一九年六月に長崎の大村入管での長期収容、抗議のハンストでナイジェリア人が餓死した記憶はいまだ鮮明だ。
 かつて先祖が中国や朝鮮を武力侵略した遺伝子と言うべきか、いまなおアジアへの差別意識が強いが、政府はそれ以上だ。
 日本の入管の収容制度は、在留資格がない外国人は裁判所の令状がなくても全件収容、それも無期限。
 さらに強制送還できるように改悪する国際的な恥辱法案だったが、ウィシュマさんの非業の死の波紋により廃案になった。(ルポライター)
『東京新聞』(2021年1月1日【本音のコラム】)

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