-宮古平和運動連絡協議会-
日頃から教育行政を担い、ご尽力いただいておられることに敬意を表します。
さて、ご承知のとおり、沖縄県八重山地区の社会科公民教科書の採択に関して、一部の教育委員の理不尽なやり方の結果、残念ながら関係3市町の教育委員会において、公民教科書のみ同一教科書を採択できませんでした。
その後、「教科書無償措置法」に基づき、沖縄県教育委員会の指導のもとに、9月8日に3市町教育委員13名の全員の再協議を行った結果、「東京書籍版」の教科書を選定しました。
これに対して、文部科学大臣及び副大臣は「9月8日の協議は整っていない」との発言をし、さらに混迷を深める結果となっています。
この発言は、石垣市と与那国町の教育長が文部科学省に対して提出した「9月8日の協議は無効」との文書を根拠としているものと考えられますが、この文書は各教育委員会は認めておらず、沖縄県教育委員会も同様の態度を表明しているようにまさに「無効」な文書であります。
9月8日の3市町全教育委員による協議を超える協議機関は存在せず、沖縄県教育長も「採択地区の全教育委員によって、同一教科書の採択が行われたものと捉えている」とコメントを発表しているように正当な手続きによって決定されたものと思われます。
本来教科書選びは、子どもの学習に最善のものを選ぶという教育の営みです。
教科書の採択にあたっては、実際に教えている教員の意見が尊重され、保護者や住民の意見も尊重されなければなりません。
その原点に立てば、教員・校長会、PTA連合会、住民の多数が反対している育鵬社版を選ぶことは考えられません。
よって、この問題でこれ以上の混乱と教育の信頼を失することを避けるために、文部科学省として真摯な対応をもって、問題の解決を図るよう次のように要請します。
1 文部科学大臣ならびに副大臣の「9月8日の協議は整っていない」とする発言を速やかに撤回すること。
2 9月8日の全教育委員協議の決定を尊重し、問題の解決を図ること。
http://heiwa-miyako.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/10/post_0355-1.html
-沖縄県教職員組合-
10月26日の衆議院文部科学委員会において、中川文部科学大臣の八重山公民教科書問題についての発言に沖縄県民は大きな衝撃を受けております。文科大臣の発言は、この間の経過を受け「八重山地区3市町が一致に至らない場合は、石垣市と与那国町は無償給与、竹富町は有償給与とする。」と報道されています。
8月23日の八重山地区教科書採択協議会における選定答申は、3市町教育委員会から委嘱された意見であって、採択に関する法的拘束力がないことは、文科省もすでに明らかにしております。今回の混乱の一番の原因は、従来の採択行政の手続きを無視した独善的ともいえる八重山地区採択協議会会長の「結論ありき」の強引な運営方法でした。
地方教育行政法では、教科書採択権は市町村教育委員会にあります。教科書無償措置法では、複数の市町村で構成する採択協議会においては同一教科書を採択しなければならないとされています。
八重山地区の場合、8月23日の採択協議会の答申では「育鵬社版」としたが、その後の3市町教育委員会においては、石垣市と与那国町は「育鵬社版」、竹富町は「東京書籍版」と採択を決定しました。地区内で採択結果が異なったために、県教育委員会の適切な指導・助言・援助のもとに「再協議」となりました。
9月8日の「全教育委員協議」は3市町の13名の全教育委員出席のもと、沖縄県教育委員会が立ち会い、「再協議」の場として開催されました。結果は全会一致でなく多数決となりましたが、全教育委員協議として「東京書籍版」採択を決定しました。
その後、石垣市と与那国町の教育長が教育委員会の協議を経ることなく、個人的に文科省に「異議申し立て」の文章を送付しました。地方教育行政法と教科書無償措置法の矛盾はあるにしても、この間の経過を冷静にみれば、明らかに「9月8日全教育委員協議」が有効との判断が妥当だと考えられます。しかも9月8日の協議については、県教育委員会は文科省と随時連絡調整をして進めてきたと聞いております。
地区内の一致を期待するとしながらも、石垣市・与那国町は無償給与とし、竹富町は有償給与と差別化することは、一方的な誘導であり断じて許せるものではありません。
あくまでも教書採択の決定権は市町村教育委員会にあり、現在県教育委員会と協力して地元の合意形成に努力している段階での今回の文科大臣の発言は、「不当な介入」と言わざるを得ません。
もし、国が竹富町に有償で教科書購入を強いるとすれば、それは義務教育の無償を規定した憲法26条に違反する行為であり、地方主権を基調とした戦後の教育委員会制度を犯すことになると考えます。
よって、10月26日の文科大臣による「竹富町公民教科書有償」発言を撤回し、八重山地区の住民の民意をふまえ、「9月8日全教育委員協議」決定を尊重した*無償教科書給与を強く求めます。
文部科学省
文部科学大臣 中川 正春 様
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012691.html
-子どもと教科書を考える八重山地区住民の会-
昨日(10月26日)、衆議院文部科学委員会において、中川文科大臣は、八重山教科書採択問題について「文科省としては採択地区協議会の答申、及び8月31日の同採択地区協議会の再協議の結果基づいて採択を行った石垣市と与那国町に対しては教科書の無償給付の対象とし、竹富町は無償給付の対象とならないが、地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で給付することが出来る。」との見解を示した。
この発言に対し、私たちは以下の理由により強く抗議し、その撤回を求める。
1 沖縄県教委は、10月19日、「八重山地区の教科書採択問題に対する今後の対応について」と題する公文書を文科大臣宛に送付した。その中で、「採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果とは、3市町教委の採択権を拘束しない「答申」(8月23日)であり、改めて9月8日の全員協議の有効性を示す見解」を示した。
しかし、今回の中川文科大臣の発言は、地元と県が無償措置法に基づいて取り組んできた全員協議の成果と10月18日の私たち「住民の会」の文科省要請を全く無視したものである。
2、私たち「住民の会」は、10月18日文科大臣に対し、「9・8全員協議」が有効に成立しているにもかかわらず、与那国町、石垣市両教育長の「9・8全員協議の無効」という文書を検証することなく、「協議は整っていない」との発言をし、撤回を求めたものである。またしても国が先走った「日替わり発言」を繰り返しており、地元の私たちをはじめ県民を愚弄したものだと言わざるを得ない。
3、大臣発言は、一般法及び特別法の観点から言っても誤ったものである。確かに3市町教委が「答申」と違う採択がなされた場合の協議や手続き等について決められた法はない。そこで無償措置法第13条4項に基づき、3市町教育委員会による「協議の場」として9月8日に3市町教育委員会に諮られた結果、全員による協議が成立し、そこで同一地区同一の教科書(東京書籍)が採択されたのである。
文科省の言う一般法と特別法の関係からすると、一般法である地教行法による採択よりも、特別法たる無償措置法による「全員協議」の結果が優先されるべきものであるところ、文科大臣の発言は全くこれを無視した違法なものである。
4、私たちは、地区協議会のずさんな運営と不当な選定結果は認められないとこれまで主張してきた。しかるに大臣はこのことを無視し、「協議結果に基づいて採択を行っていない竹富町教委は、国の無償給付の対象にならないので、地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で供与することは法令上禁止さていない。これに従って国として淡々とやっていきたい。」と述べている。これは、一応竹富町の採択権を認めたものであるが、法的拘束力のない答申に従わなかった竹富町教育委員会の採択を不利益に取り扱うものであり、竹富町の公金でもって教科書を購入し、生徒へ「無償供与」するということは、国に対して義務教育の無償化を求めている憲法26条2項にも違反するものである。
佐久間正夫琉大教授が「権力者は権力に都合のいい見解を選んだ。採択地区で意見が割れた場合に好きな教科書を買えるとなると、意図的な採択も可能となり、採択制度の形骸化につながりかねない」との指摘もあり、大臣自ら判断の根拠を誤ったもので、不当な介入である。
5、私たちは、今後とも、八重山採択地区においては、有効に成立している「9・8全員協議」の結果得られた東京書籍版公民教科書が採択されるよう、法と道理に基づいて引き続き要求していくものである。
2011年10月26日
文部科学大臣中川正春 殿◇ 沖縄県八重山地区教科書採択に関する要請
日頃から教育行政を担い、ご尽力いただいておられることに敬意を表します。
さて、ご承知のとおり、沖縄県八重山地区の社会科公民教科書の採択に関して、一部の教育委員の理不尽なやり方の結果、残念ながら関係3市町の教育委員会において、公民教科書のみ同一教科書を採択できませんでした。
その後、「教科書無償措置法」に基づき、沖縄県教育委員会の指導のもとに、9月8日に3市町教育委員13名の全員の再協議を行った結果、「東京書籍版」の教科書を選定しました。
これに対して、文部科学大臣及び副大臣は「9月8日の協議は整っていない」との発言をし、さらに混迷を深める結果となっています。
この発言は、石垣市と与那国町の教育長が文部科学省に対して提出した「9月8日の協議は無効」との文書を根拠としているものと考えられますが、この文書は各教育委員会は認めておらず、沖縄県教育委員会も同様の態度を表明しているようにまさに「無効」な文書であります。
9月8日の3市町全教育委員による協議を超える協議機関は存在せず、沖縄県教育長も「採択地区の全教育委員によって、同一教科書の採択が行われたものと捉えている」とコメントを発表しているように正当な手続きによって決定されたものと思われます。
本来教科書選びは、子どもの学習に最善のものを選ぶという教育の営みです。
教科書の採択にあたっては、実際に教えている教員の意見が尊重され、保護者や住民の意見も尊重されなければなりません。
その原点に立てば、教員・校長会、PTA連合会、住民の多数が反対している育鵬社版を選ぶことは考えられません。
よって、この問題でこれ以上の混乱と教育の信頼を失することを避けるために、文部科学省として真摯な対応をもって、問題の解決を図るよう次のように要請します。
記
1 文部科学大臣ならびに副大臣の「9月8日の協議は整っていない」とする発言を速やかに撤回すること。
2 9月8日の全教育委員協議の決定を尊重し、問題の解決を図ること。
宮古平和運動連絡協議会 共同代表 星野 勉 上地照子
(構成団体)
沖縄県公務公共一般労組宮古島支部
沖縄県退職教職員会宮古支部
コープおきなわ宮古平和グループ
人権と教育を考える会
下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民の会
日本軍「慰安婦」問題を考える宮古の会
新日本婦人の会宮古かぎすま班
ピースアクション宮古実行委員会
みやこあんなの会
みやこ九条の会
ゆうやなうれネットワーク
沖縄県教職員組合宮古支部 執行委員長 池村博和
(構成団体)
沖縄県公務公共一般労組宮古島支部
沖縄県退職教職員会宮古支部
コープおきなわ宮古平和グループ
人権と教育を考える会
下地島空港の軍事利用に反対する宮古郡民の会
日本軍「慰安婦」問題を考える宮古の会
新日本婦人の会宮古かぎすま班
ピースアクション宮古実行委員会
みやこあんなの会
みやこ九条の会
ゆうやなうれネットワーク
沖縄県教職員組合宮古支部 執行委員長 池村博和
http://heiwa-miyako.blog.ocn.ne.jp/blog/2011/10/post_0355-1.html
-沖縄県教職員組合-
◇ 「9月8日八重山全教育委員協議」決定を尊重することを求める声明
10月26日の衆議院文部科学委員会において、中川文部科学大臣の八重山公民教科書問題についての発言に沖縄県民は大きな衝撃を受けております。文科大臣の発言は、この間の経過を受け「八重山地区3市町が一致に至らない場合は、石垣市と与那国町は無償給与、竹富町は有償給与とする。」と報道されています。
8月23日の八重山地区教科書採択協議会における選定答申は、3市町教育委員会から委嘱された意見であって、採択に関する法的拘束力がないことは、文科省もすでに明らかにしております。今回の混乱の一番の原因は、従来の採択行政の手続きを無視した独善的ともいえる八重山地区採択協議会会長の「結論ありき」の強引な運営方法でした。
地方教育行政法では、教科書採択権は市町村教育委員会にあります。教科書無償措置法では、複数の市町村で構成する採択協議会においては同一教科書を採択しなければならないとされています。
八重山地区の場合、8月23日の採択協議会の答申では「育鵬社版」としたが、その後の3市町教育委員会においては、石垣市と与那国町は「育鵬社版」、竹富町は「東京書籍版」と採択を決定しました。地区内で採択結果が異なったために、県教育委員会の適切な指導・助言・援助のもとに「再協議」となりました。
9月8日の「全教育委員協議」は3市町の13名の全教育委員出席のもと、沖縄県教育委員会が立ち会い、「再協議」の場として開催されました。結果は全会一致でなく多数決となりましたが、全教育委員協議として「東京書籍版」採択を決定しました。
その後、石垣市と与那国町の教育長が教育委員会の協議を経ることなく、個人的に文科省に「異議申し立て」の文章を送付しました。地方教育行政法と教科書無償措置法の矛盾はあるにしても、この間の経過を冷静にみれば、明らかに「9月8日全教育委員協議」が有効との判断が妥当だと考えられます。しかも9月8日の協議については、県教育委員会は文科省と随時連絡調整をして進めてきたと聞いております。
地区内の一致を期待するとしながらも、石垣市・与那国町は無償給与とし、竹富町は有償給与と差別化することは、一方的な誘導であり断じて許せるものではありません。
あくまでも教書採択の決定権は市町村教育委員会にあり、現在県教育委員会と協力して地元の合意形成に努力している段階での今回の文科大臣の発言は、「不当な介入」と言わざるを得ません。
もし、国が竹富町に有償で教科書購入を強いるとすれば、それは義務教育の無償を規定した憲法26条に違反する行為であり、地方主権を基調とした戦後の教育委員会制度を犯すことになると考えます。
よって、10月26日の文科大臣による「竹富町公民教科書有償」発言を撤回し、八重山地区の住民の民意をふまえ、「9月8日全教育委員協議」決定を尊重した*無償教科書給与を強く求めます。
文部科学省
文部科学大臣 中川 正春 様
2011年10月27日
沖縄県教職員組合
中央執行委員長 山本隆司
沖縄県教職員組合
中央執行委員長 山本隆司
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-October/012691.html
-子どもと教科書を考える八重山地区住民の会-
◇ 衆議院文部科学委員会における中川文科大臣の発言に抗議する声明
2011年10月27日
子どもと教科書を考える八重山地区住民の会
子どもと教科書を考える八重山地区住民の会
昨日(10月26日)、衆議院文部科学委員会において、中川文科大臣は、八重山教科書採択問題について「文科省としては採択地区協議会の答申、及び8月31日の同採択地区協議会の再協議の結果基づいて採択を行った石垣市と与那国町に対しては教科書の無償給付の対象とし、竹富町は無償給付の対象とならないが、地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で給付することが出来る。」との見解を示した。
この発言に対し、私たちは以下の理由により強く抗議し、その撤回を求める。
記
1 沖縄県教委は、10月19日、「八重山地区の教科書採択問題に対する今後の対応について」と題する公文書を文科大臣宛に送付した。その中で、「採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果とは、3市町教委の採択権を拘束しない「答申」(8月23日)であり、改めて9月8日の全員協議の有効性を示す見解」を示した。
しかし、今回の中川文科大臣の発言は、地元と県が無償措置法に基づいて取り組んできた全員協議の成果と10月18日の私たち「住民の会」の文科省要請を全く無視したものである。
2、私たち「住民の会」は、10月18日文科大臣に対し、「9・8全員協議」が有効に成立しているにもかかわらず、与那国町、石垣市両教育長の「9・8全員協議の無効」という文書を検証することなく、「協議は整っていない」との発言をし、撤回を求めたものである。またしても国が先走った「日替わり発言」を繰り返しており、地元の私たちをはじめ県民を愚弄したものだと言わざるを得ない。
3、大臣発言は、一般法及び特別法の観点から言っても誤ったものである。確かに3市町教委が「答申」と違う採択がなされた場合の協議や手続き等について決められた法はない。そこで無償措置法第13条4項に基づき、3市町教育委員会による「協議の場」として9月8日に3市町教育委員会に諮られた結果、全員による協議が成立し、そこで同一地区同一の教科書(東京書籍)が採択されたのである。
文科省の言う一般法と特別法の関係からすると、一般法である地教行法による採択よりも、特別法たる無償措置法による「全員協議」の結果が優先されるべきものであるところ、文科大臣の発言は全くこれを無視した違法なものである。
4、私たちは、地区協議会のずさんな運営と不当な選定結果は認められないとこれまで主張してきた。しかるに大臣はこのことを無視し、「協議結果に基づいて採択を行っていない竹富町教委は、国の無償給付の対象にならないので、地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で供与することは法令上禁止さていない。これに従って国として淡々とやっていきたい。」と述べている。これは、一応竹富町の採択権を認めたものであるが、法的拘束力のない答申に従わなかった竹富町教育委員会の採択を不利益に取り扱うものであり、竹富町の公金でもって教科書を購入し、生徒へ「無償供与」するということは、国に対して義務教育の無償化を求めている憲法26条2項にも違反するものである。
佐久間正夫琉大教授が「権力者は権力に都合のいい見解を選んだ。採択地区で意見が割れた場合に好きな教科書を買えるとなると、意図的な採択も可能となり、採択制度の形骸化につながりかねない」との指摘もあり、大臣自ら判断の根拠を誤ったもので、不当な介入である。
5、私たちは、今後とも、八重山採択地区においては、有効に成立している「9・8全員協議」の結果得られた東京書籍版公民教科書が採択されるよう、法と道理に基づいて引き続き要求していくものである。
以 上
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