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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

第10回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会:大阪からの報告(2)

2020年08月01日 | 日の丸・君が代関連ニュース
 ◆ 2020.7.24「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会2020へ報告
大阪市立中学校教員 松田幹雄(グループZAZA、教職員なかまユニオン)

 (1)「欠勤あつかい撤回して給料はらえ!裁判」へ

 ILO/ユネスコ合同専門家委員会(CEART)に要請に行って3月17日に帰国した後、コロナ感染症拡大状況の中での政府方針に沿って2週間在宅勤務したことを大阪市教委は8日間の欠勤とし、さらに人事評価を最低評価に落としました
 そのことによって、私は合計約15万円の実損を被りました。
 私は、今、「欠勤あつかい撤回して給料はらえ!」と裁判提訴を準備しています。詳しい経過は、配布している裁判支援の訴えを見てください。
 争いのポイントの1つは、教育公務員特例法第22条2項教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、自宅を離れて研修を行うことができる」に基づいて、
 自宅研修=在宅勤務していたことに対して、市教委「自宅は研修場所として認められない」と校長に承認を撤回させたことです。
 根拠は、10年前の市教委通知「…研修の取り扱いについて」で、「特に、『自宅』を研修場所とする場合は、原則承認しないこと」としているからというもの。
 市教委が、3月19日(木)夕方の時点(20日から3連休)で「適用要件が3月21日0時以降の帰国者となっていることから特別休暇は適用できない。後は学校長権限で。」としたことから、他に手がないからと、管理職と合意して「自宅での研修」を進めていたのです。
 承認研修計画書の(研修の)「内容」は、「不登校生へのかかわり方、および、その中で大切にすべきことを実践・実例から明らかにすること」とし、「勤務場所以外で行わなければならない理由」は、「3月17日にスイス(ジュネーブ)から帰国し、国の『欧州からの帰国所は2週間の自宅待機』方針(正式適用は3月21日から)の中で、公共交通機関を使って学校で勤務するより、自宅において上記内容の課題に取り組む方がより適切な働き方であるとの判断による」としました。
 この理由による自宅研修は認められないと市教委は言っているわけです。

 一時、「今からでも、校長が私の承認研修にかかわる書類を上げれば市教委は認める」と言っているとの情報を聞いて、校長と話した時、3月24日に市教委からかかってきた自宅研修ストップの電話について、校長は以下のように話しました。
 服務・監察(市教委の部局)から電話があった。かなり興奮した状態で声が震えていた。
 市教委:(いきなり)誰が自宅での研修を認めたんですか?
 校長:承認研修の制度があるんじゃないのか?
 市教委:自宅は研修場所として認められていない。
 校長:じゃあどうしたらいいのか、方法を教えてほしい
 市教委:そちらで考えること
 弁護士さんによると、市教委の「自宅での研修はそもそも認めていなかった」「認めていたものを撤回するのも裁量権の範囲」との主張に対して「裁量権の範囲」を超えるのはかなりハードルが高いとのことですが、実際に仕事をし、その成果を新年度に生かすことができているという実態があるので、「裁量権の範囲を超える違法」であると、この理不尽を強く主張していきたいと思っています。
 2つ目のポイントは、そもそも、あの時の状況で、公共交通機関を使って出勤することを命じたことの是非です。
 弁護団では、コロナ危機の中では、「安全配慮義務違反」の概念を、「感染させることを防ぐ義務」に広げることが必要であることを主張しようと話し合っています。
 8月4日に弁護団会議で訴状内容を確認し、できるだけ早く提訴するつもりです。

 この間考えたことは、市教委のこの非常識な対応がどこからきているかということです。
 維新支配の下、大阪市の行政は市教委も含めて、上の指示待ち、自分の責任が問われないことのみが行動の基準となり、部署を超えて連携し、状況に対応することができない組織になっています。
 今回の問題は、維新支配によってつくられた教職員の締め付けを担う部署=服務観察グループが、自分たちの責任を問われることを恐れて「自宅研修」を認めず、それが教育長を先頭とした市教委の体質になっていることを明らかにしました。
 また、大阪市コロナ感染症対策本部(中心部署:危機管理室)が私の直訴状を捨て置いていることからも、維新・松井市長の判断基準は、自分たちの支持者かどうかにあるように感じています。
 この「欠勤あつかい撤回して給料はらえ!裁判」を通して、これらの問題を暴き、変革を求めていきたいと思います。
 7月10日付で「令和2年6月の懲戒処分について」という教育長通知を出しています。
 6月の教育委員会関係の処分はなかったが、他局の処分を出汁にして、SNSの私的利用を制限しようとする意図で出されたものであることは明らかです。こんな教育長通知は異例です。
 「欠勤撤回!給料はらえ!」裁判の動きやカッパ提供呼びかけ、十三市民病院コロナ専門病院化、フェイスシールド配布他、都合の悪い情報がSNSで拡散することに松井市長がいらだちを強め、教育長に圧力をかけたのではなかとさえ想像してしまいます。
 いずれにしても、私たちの闘いが維新支配体制を揺るがしていることに確信を持ち、頑張りたいと思います。
 (2)松田「君が代」不起立処分取り消し請求についての大阪市人事委員会裁決が出ました
 6月29日、松田「君が代」不起立者分取り消し請求についての大阪市人事委員会裁決書(2020.6.26付)が弁護団の事務所に送られてきました。
 審査請求は2015年7月10日で、約5年かかりました。
 2018年10月に処分担当課長と校長の証人尋問、12月に請求者本人(私)の証人尋問があり、最終意見書を2019年3月1日に提出してから1年3か月以上裁決を待っていました。
 裁決文書は以下のようなものでした。

 【主文】
 「処分者が平成27年付けで請求者に対して行った懲戒戒告処分は、これを承認する」
 【認定事実】
 請求者が2015年3月16日に校長に対し「2015.1.23大阪市教育長通知(別紙)について学校長への質問」を渡し回答を求めたこと、3月23日に「大阪市教委国旗・国歌通知にかかわる質問への学校長回答(2.18)に対する再質問」を渡し再回答を求めたことは認定しながら、それに校長が答えなかったことにはふれていない。
 2015年3月12日の卒業式当日については「平成27年3月12日、当該校の卒業式において、請求者は開式の号令の際に一旦起立したが、司会が国歌斉唱の号令を発したところで着席した」ことのみを認定事実とした。
 【当委員会の判断】
 「当委員会は、前記第3の認定事実及び争点について各証拠に基づき、審理の全趣旨を総合して、以下のとおり判断する」として、明らかになった事実、この件で問われた問題には目をつぶり、最高裁判決や大阪高裁判決を、事実に基づかず、あるいは、事実に反して、機械的にあてはめたものでした。
 私の処分にかかわって最も問いたいことは、生徒が不起立を見ることが処分の根拠となるか、ということです。
 提訴して、「君が代」に敬意を表したくない者もいるという現実を生徒の目から隠す、調教・刷り込み教育のための「君が代」処分を認めるのか問うて行きたいと思います。
 生徒・教職員の人権・学習権に基づいて、生徒が教職員の不起立を見ることは処分理由に当たらないという判断を勝ち取り、「君が代」強制、教育支配にくさびを打ち込むために努力していきたいと思います。引き続きご支援をお願いします。
 (3)7月27日に「君が代」指導についての大阪市教委との交渉(「協議」)します
 人事委員会闘争と並んで、松田処分撤回!学校に民主主義を実現することをめざすD-TaC(Democracy for Teachers and Chidren~「君が代」処分撤回!松田さんとともに~)は、「君が代」指導をめぐって、大阪市教委と交渉(「協議」)を重ねてきました。
 5月25日に質問書を提出し、6月29日付で回答が来ましたが、何も答えていないひどい回答です。答えるべき回答を持ち合わせていないというのが実情ではないかと思います。
 「君が代」指導の現状とそれをつくり出している原因を明らかにし、実践に踏み出そうと呼びかける材料とするための「協議」です。ご参加を!
 ◆7/27(月)午後3:30~5:30 市役所B1階第1共通会議室
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