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東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

根津公子の都教委傍聴記(2018年7月26日)

2018年07月28日 | 暴走する都教委
 ◆ 一言の意見交換もなく来年度使用の中学校道徳教科書を採択 (レイバーネット日本)
 指導部長が「検定済み教科書発行者一覧の中から投票を」と提案し、それが承認されたところで、宮崎教育委員から「私が84年に書いた文章を掲載した教科書があるので、採択から外れたい」と申し出があり、宮崎教育委員は退席。直ちに投票に入った。数分で投票が終わると、担当職員がそれを回収し、別室で集計作業。結果の発表となった。
 採択に先立ち3通の請願書が出されていたが、今回もそれに対して論議された形跡はない。憲法16条が保障する請願権を都教委は反故にしている。
 請願の趣旨は4点。
 「①採択にあたっては、政治的圧力や思惑を排し、学校現場の意見を十分に尊重して採択すること
  ②それぞれの学校が最もふさわしいとして要望した教科書を採択すること
  ③特に問題が各方面から指摘されている日本教科書の教科書は、採択しないこと
  ④他県のように、教育委員会で直接この請願趣旨が述べられるようにすることを求める。少なくとも、事務局止まりではなくこの請願が、教育委員の皆様に伝えられ、委員会で議論し、回答されることを求める。」
 今日の資料にこの請願書が入っていても、論議を提起する教育委員は一人もいなかった。仕事に対する自覚がないのではないか。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/press_release/2018/release20180726_01.html
 採択は次の通り(かっこ内は投票結果)。すでに都教委HPに掲載済み。
白鴎高等学校附属中学校       教出(教出3 学図1 日科1)
小石川中等教育学校(前期課程)  学研(学研3 光村1 日科1)
両国高等学校附属中学校       学図(学図3 東書1 日文1)
桜修館中等教育学校(前期課程)   学図(学図3 光村1 日科1)
立川国際中等教育学校(前期課程)    教出(教出3 日文1 日科1)
武蔵高等学校附属中学校       学図(学図3 学研1 日科1)
富士高等学校附属中学校      学図(学図3 日文2)
大泉高等学校附属中学校      学研(学研3 光村1 日科1)
南多摩中等教育学校(前期課程)   学図(学図3 東書1 日文1)
三鷹中等教育学校(前期課程)   学図(学図4 日科1)

聴覚障害特別支援学校       光村(光村4 教出1)
肢体不自由・病弱特別支援学校   日文(日分4 学研1)
視聴覚障害特別支援学校      教出(点字原典であるため)

(注)学図:学校図書株式会社、教出:教育出版株式会社、学研:株式会社学研教育みらい、東書:東京書籍株式会社、光村:光村図書出版株式会社、日文:日本文京出版株式会社、日科:日本教科書株式会社
 高校用の教科書採択では各学校が選定した出版社名の記載された一覧表が出されるが、中学校用教科書採択では、それが出されない。
 3年前の中学校用教科書採択を傍聴した後、事務方に質したところ、「採択の公開定例会が終了し傍聴者が退場したところで、採択理由について各委員に意見を聞いて事務局で取りまとめ、『各都立中学校教科書採択理由』を都教委HPに掲載する」ということだった。
 3年前の採択理由を見ると、「当該教科書は・・・本校で使用することが適切であると判断した」というように、「本校」ということばが並ぶ。しかしこれを書いたのは校長ではなく、都教委。都教委が校長になりすまして書いているということのよう。
 3年前にこの事実にたどり着いたのは、4:2で採択した育鵬社の歴史、公民教科書についての「各都立中学校教科書採択理由」に対し、一部教育委員から「懸念があるとの意見を付記すべき」との声が上がったことが東京新聞で報道されたことによる。それで、私は事務方に質したのだった。
 今回も後日、校長になりすまして都教委が作成した各学校の採択理由が公表されるのだろうか。
 請願にもあるように、学校現場の意見を十分に尊重して採択すべきなのだ。

『レイバーネット日本』(2018-07-27)
http://www.labornetjp.org/news/2018/0726nedu
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