徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

国歌起立問題について

2012年03月15日 | 政治

 卒業シーズンを迎えて気になるニュースが二つほど目に入った、

 橋下市長「辞めてしまえ」…女性教諭起立せず http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120314-OYT1T01052.htm?from=main2

「国歌不斉唱」口元チェック…府立和泉高校長 http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120313-OYO1T00221.htm?from=main1

どちらも橋下市長がらみです。この議論の真の論点は国歌が好きか嫌いかとか、服務規程違反とかいった問題ではなく ”君が代”という歌を起立して歌うことを強制する事に対して、”思想・信条の自由”を認めるか否かという問題です。

 以下、君が代の歌詞

  君が代は
  千代に八千代に
  さざれ石の
  巌(いわお)となりて
  苔(こけ)のむすまで

この歌詞が日本国憲法の国民主権の精神を具現化しているかといえば異論があろうかと思います。つまり、極めて思想・信条に触れる内容である事には間違いありません。


 

 

 


シンデレラマンと橋下徹

2011年11月27日 | 政治

 たまたまTVをつけたら映画のシンデレラマンをやっていて最後まで見てしまった。これは大恐慌の時代に全盛期を過ぎ落ちぶれたボクサー J.J.Bradockが、家族のために戦いチャンピオンになった実話を映画化したもので、なかなか泣かせる話なのだ。

 なぜシンデレラマンかというと、配給切符をもらうまでに落ちぶれた男がチャンピオンシップを勝ち取りチャンプになってしまった、まるでおとぎ話のような話を当時の同じ境遇で苦しんでいた多くのアメリカ人たちが支持したからだ。

 映画が終わってニュースをチェックすると橋下徹が大阪市長選で当確を出していた。投票率は60%を超えている様だ。私は大阪市民でもなく投票権も無い訳で、橋本氏の政策に関して特に意見が有るわけではない。しかし、日本の現状、特に若者たちの置かれている閉塞的な状況には強く憂慮している。中東で起こっている状況、あるいはウォール街でのデモ、イギリス、ギリシャ等の暴動など不満は捌け口を求める。ところが、日本の若者達はこの状況でも何もしないように見える。若者はもっと怒るべきだ。

 今日、何が起こったかというと、若者たちが投票所に向かい、自分の意思を一票に託し、橋下徹を当選させた。平松氏を支持する組織票は若者たちの浮動票に木っ端微塵にされた、これは快哉というべきだろう。若者に元気がなければ社会は活気を失う。元気な日本を取り戻すために今回の選挙をきっかけにして、若い人たちの政治意識が高まることを期待する。


国会70日延長の謎

2011年06月23日 | 政治

なぜ菅首相は国会会期を、野党の主張する50日ではなく70日に延長したか。その理由を下記の二つの記事に見た。

孤立深める菅総理 「3法案」成立の見通し立たず; 

http://news.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/html/210623020.html

震災で延期した岩手県知事選を、8月25日告示、9月11日投票の日程で実施する方向

http://www.asahi.com/politics/update/0620/TKY201106200523.html

震災復興2次補正予算、特例公債法案および再生可能エネルギー買取法案の三つは国会を延長したところで参院否決によりなかなか通らないだろう。しかし、少なくとも前二つは成立に大儀があり、あまり議論の余地は無いように見える。これ以上野党・自民党が前二法案に反対を続けると彼等にとっての逆風を招くことになろう。再生可能エネルギーに関しては国論を二分する議論が有り得る。これは日本が将来的に脱原発の方向に進むのか否かを決める重要な法案である。これには自民党は徹底的に抗戦するだろう。

私の読みは、前2法案はすったもんだの挙句可決し、エネルギー法案は参院採決で自民反対により否決となる。その上で、首相は伝家の宝刀の解散権を行使し衆院選挙という筋書きだ。参院否決の場合、衆議院での2/3再採決の方法もあるが民主党小沢派の同意を取り付けるのにはハードルが高そうだ。

6月3日の首相解任騒ぎのときは震災地の選挙が足かせとなり、解散は出来ないとの永田町の読みであったが今回は違う。それが上記の岩手県知事選である。8/25告示、9/11投票がすでに決まっているのだ。菅さんは日程をこれに合わせる心積もりだろう。知事選と衆議院選挙を同一日に行えば震災時に選挙とは、という世論の反発は無い。

このやり方は小泉さんの、郵政解散・衆院選挙と全く同じパターンだ。脱原発というワン・イシュー、四面楚歌の首相、反原発の世論。これは、ことによると菅さんに大順風が吹くかもしれないぞ。

70日延長は8月末閉会となり、岩手県知事選に合致するという落ちでした。


がんばれ、菅さん

2011年06月13日 | 政治

ブログ更新をさぼっています、ポリポリ。 菅さんについて、一言。TVや新聞を見ると不信任案が否決された後も未だに菅止めろの大合唱だ。私は二世議員に比べて市民運動出身の菅さんは嫌いではない。また、理系出身であることにも近親感が沸く。TVのコメンテーターや新聞の論調は止めろ止めろと言うばかりでなんだか菅さんが可愛そうになってくる。菅さんが首相の座にしがみついている、との意見があるが彼自身は目処が付けば止めるといっているし、国会答弁での苦しい立場などを見ていると首相の座に居ることがそんなに素晴らしい事だとは傍目には思えない。現に福田元首相のように、極めてあっさり座を降りた例もある。菅さんの意図は、目処を付ける責任を果たしたい、という思いだろう。これは簡単に責任放棄する事より、よほど大人の男らしいあり方だ。

自民党は政権の座を追われて二年。今まで何十年とその権力を握り、それを利用して好きにしてきた連中にとって、この二年間は本当に辛いのだろう。なんせ国家権力をその手中にしていないもの達の影響力はひたすら低下し誰もなびかない、誰も付いてこない状況が続いているわけだ。自民党はそれを取り戻すために必死で菅を引きずり降ろし、願わくば解散、総選挙をへて国家中枢への回帰を図ろうともがいている事は、見え見えである。

菅を引きずりおろすと自民党にはチャンスが巡ってくるだろうが、国民にとって何か良いことがあるのか?菅さんがあんなにも言われるどんな失態をやったというのだ?原発問題が自民政権だったら簡単に解決したとでもいうのか? はっきり言って、誰がやっても現状を乗り切るのは難しいだろう。

大連立の話があったが、そうなれば法律が衆参両院で通過するようになり政治は回転する。勝手にほいほい法律を通すのもどうかとは思うが、国難を乗り切るため、ここは政治家の良心を信じよう、位は国民は思っている。しかし、大連立は話が詰まらない。自民党の思惑は政権復帰だし、民主党はそうはさせじ、だからだろう。大連立がなければ菅さんが止めたとして、いったい何がメリットだ?民主党は解散権を守るために決して谷垣首相には同意しないだろう。そうなると、民主党の誰かが首相?見回すと小物ぞろいではないか。自民から見れば小物のほうが組みし易いだろう。しかし、国民にとってより弱いリーダーは不幸である。菅さんは一年政権を維持したが小物首相では半年しか持たないかもしれない。

私の政治的立場は敢えて言うなら左気味浮動票である。民主も自民も積極的に支持しているわけではない。ただ、国民不在の政治権力闘争にはうんざりだ。あの連中はきっと己の事に夢中になりすぎて、国民が覚めた目で冷静に彼等の振る舞いを見ていることを忘れているのだろう。

詮無い望みかも知れないが、現行首相を中心に大連立を組み、一致団結して国難を乗り切り日本の復興を推し進める...なんて事が御伽噺に思えるような日本は、本当に駄目な国になったのかもしれない。

 


浜岡原発、停止要請について

2011年05月06日 | 政治

菅さんが、浜岡原発の停止要請を発表しましたね。自民党だったら、こうは行かなかったでしょう。

今回の原発事故が民主党・菅首相の時に起った事は、ある意味で不幸中の幸いかもしれません。自民党にせよ、民主党・小沢派にしろ原発推進勢力とはズブズブですからキチンとした対応は望むべきもありません。そういう意味で、菅さんには期待したいと思います。政治決断なんて言葉が死語では無い、ということで少し気が晴れました。

やはり、原発は日本では無理のあるテクノロジーです。


原発問題について

2011年04月30日 | 政治

毎日新聞で毎週土曜に「七転び八起き」という連載がある。書き手は野坂昭如。野坂は蛍の墓の原作者だがその他にも、アメリカひじき、とかエロ事師たち、とかを書いた立派な焼跡闇市派で、誰に媚びるでもなく、誰を恐れるでもなく、自分の二本足でしっかり立っている私の好きな作家だ。

その野坂が今週、原発問題を書いている。彼らしく原発労働者の話題から始まるのだが、後半は原発・エネルギー問題に言及する。(太字参照)

 これから先、日本のエネルギーをどうするべきか、...ぼくらは便利でいいだろう。しかし未来の者たちの血をすすり、骨をかじって生きているともいえる。文明という便利なものを手に入るだけ手にし、一方で死の灰をつくり出し、その後始末はぼくらの子孫に押し付ける。どうにかしてくれるだろうと。こんな傲慢な振る舞いが許されるのか。...せいぜい自分の子供に害が及ばなければいいという程度の狭い考え方で科学技術にからめとられ、いつの間にか哲学的な思考を放棄した。原子力エネルギーを考える上で、とりあえずの安全性を言う前に、ぼくは一人一人の哲学的とらえ方が、まず必要だと思う。

野坂の言うとおりである。事故が起きたのは安全設計が足りなかったせいだとか、津波の想定が低すぎたので見直すべきだとか、原発事故の補償金は原発コストに繰り込むべきだとか、ひどいのになると原発が無ければ快適な生活が出来なくて困るでしょとか、皮相的な議論は色々ある。しかし、いくら安全な原発を造ったところで稼動すれば死の灰が出る。この2万4千年の半減期(プルトニウム)を含む死の灰の処分方法を人類は解決していない。

原発問題を考える時、野坂の言うように、とりあえず安全にといった安直な思考ではなく、長い将来をも含めた深い議論が必要だろう。


良い政治家とは

2011年04月25日 | 政治

朝刊では衆院補選で自民が大勝らしい。その結果として「菅おろし」うねり拡大との解釈がついている。興味深いのは、そのすぐ下に「自民 復興予算で攻勢」とある。

行政府、というのは国民からかき集めた税金(と国債)を使う組織だ。補正予算を含め100兆円を超えるお金を政府は毎年使うのだ。ここに利権が発生するのは当然だろう。最近は露骨に政治家が自分の利益誘導を計っているとは思わない。しかし、彼等には彼等を担いだ支持者がいる。支持者の思惑は候補者を通しての自己への公共投資発注等の利益誘導、これが主な動機と考えられる。支持者は当選した政治家に対して、明に暗に利益誘導を要求する。政治家はそれに応えざるを得ない。

菅降ろしは傍目に見苦しい。しかし、やっている連中にしてみれば必死だろう。なぜなら、税金使用の執行機関である政府の長の座が手に入れば、支持者の求める利益配分が出来るからだ。今回の復興予算は10兆を軽く超えるだろうが、それをどのように東北地方にばら撒くか...これは政治家とその支持者にはたまらない魅力があるだろう。

従来の古い自民党の体制の下で公共事業は政治の柱であった。しかし、その為に1000兆円もの国債借金を積み上げ、そのやり方はとうとう行き詰ってしまった。その上、少子高齢化のおかげで国家予算の半分が年金、健康保険等の社会福祉に回さざるを得なくなれば政治家の立ち回る場所は限られてくる。これが自民党から民主党へ政権が移ったマクロな要因だと思う。

しかし、夢よもう一度と考える政治家と、その支持者は死んだわけではない。

勝手にするが良かろう、政治とはそういうものだ。私は自分の事は自分で考える。ただ、私から税金をむしりとって訳のわからない事に使うのだけは御免こうむる。震災復興にお金がかかる。Yesそうだろう。少子高齢化で予算が必要、Yes同意する。しかし、それを執行する政治家が信用出来ない。

私の結論は小さな政府だ。ポピュリズムと揶揄されようが私は反減税、少なくとも増税を言う政治家に一票を投じるつもりは無い。政治が信頼を取り戻さない限り、私は政府そのものを否定する。


10年住めないのか...

2011年04月23日 | 政治

今朝の毎日新聞の一面余禄はこう始まっている、

その日は初夏の陽光に輝く素晴らしい土曜日だった。週末はメーデー休暇へと続き、人々はうきうきと水泳、日光浴、ピクニック、ボート遊びを楽しみ、野外結婚式も行われた。1986年4月26日、旧ソ連のプリピャチ市のことである 市近くの原発が爆発したのはその日未明だ。...ある夫婦の会話だ。「何日くらいかしら?」「おそらく永久だ」「でもメーデーのパレードはどうなるの?」「メーデーなんて中止だ」 そのチェルノブイリ原発事故から25年、プリピャチは今も廃虚のままだ。

この”永久”に戻れない事があることを、原発事故では起り得ると我々は認識している。その同じ紙面で岩見隆夫(近聞達見)は菅首相が先週、言った言わない、で吊るし上げを食った”10年住めないのか、20年住めないのかということになってくると...”という件を持ち出し”菅には心が無い”と批判を繰り返している。福島原発近隣(3-5km)地帯は現実として今後10-20年間は人が住めない可能性は高い。それを自分のスタッフと相談した事が、それほど非難されるべき事であろうか? 事実がそうである以上、これは意味の無い批判だと私は思う。あくまで、菅を降ろしたいようだ。こんな事をいつまでも鬼の首を取ったように言及するマスコミにはうんざりする。私は先日も書いたように、今はそんな事をやっている事態では無いと思う。

もう少し言うと、岩見は文中 ”それなら、菅は懇切に説明すればよいのではなかろうか。”と括っている。これは、言うは易し、行うは難しである。そんな事がやすやすと出来る政治家が世界に何人いるか?菅さんにそんな説得力があると、本気で思っているのであろうか?また、それを受ける国民もそれほど成熟しているとも思えない。菅の発言能力でうっかりそんな事をすれば、マスコミはここぞとばかりに寄ってたかって袋叩きにするだろう。それも、これもリーダーを引き摺り下ろしたい事が有りき、だからでは無いか。繰り返すが、今はオンボロ神輿でも、皆で担ぐほか無い状況だと言う事は、岩見のような大人なら解るはずだが...


菅政権について

2011年04月21日 | 政治

政治動向・政局がまたざわざわと動き始めた、菅降ろしである。 私はこのような国難の時にそのような行動を取る政治家と、それを野次馬のように見て喜んでいる国民が全く情けない。

いったい菅を引き摺り下ろして誰を後釜に据えれば気が済むと言うのだ。少なくとも原発政策を推し進めてきた自民党はその任には当たらない。今後、原発問題は徹底的に追求する必要があるが、自民党の座るべき場所は被告人席である。それでは、民主党内部にポスト菅がいるか?小沢は駄目、となると後はどんぐりの背比べで誰がやっても就任後3ヶ月もすれば今の菅と同じような状況になるだろう。

今の状況を国難と認識するなら、全ての政治家と国民はリーダーを引き摺り下ろすなどという無意味な行動を取るのではなく、リーダーを支えて問題を解決に向かわせるよう努力すべきである。オンボロ神輿であっても皆で担ぐ必要がある。 以上、下記新聞記事を読んで考えた事。

 

発信箱:オンボロ神輿の矜持=倉重篤郎(論説室)

http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/

以下、抜粋

 中曽根康弘政権が誕生する直前、...今から29年前のことである。「あんなオンボロ神輿(みこし)を担げるか」と難色を示したのが金丸信氏。...「ボロ神輿なら修繕して担げばいい」と反論したのは後藤田正晴氏だった。結局担ぎ続けること5年。この間中曽根首相は...行財政改革や国鉄民営化をやり遂げた。

 さて、早くも退陣論が出始めた菅直人首相のオンボロぶりは、いかばかりか。... ただ、これらの批判が今ひとつ説得力を持たないのは、神輿替えの大義と手段を欠くからだ。危機管理の未体験の領域に対し自分ならこうする、こうできた、という反省と実績に裏付けられた重い批判がない。特に、原発制御・エネルギー政策については、大半が自民党政権下で推進されたものであり、そのことの総括なくして根源的な批判になりえようか。...

 ボロでも神輿だ。なぜ、修繕して使おうという発想にならないのか。...