徒然なるまゝによしなしごとを書きつくる

旧タイトル めざせ、ブータン

尼崎変死事件に思う事

2013年11月01日 | 文明

昨日、尼崎連続変死事件の地裁判決が出た。主犯の角田美代子は拘留中に自殺したが、残りの共謀したとされる3人に関して有罪判決となった。

この3名に関する精神鑑定で奇妙な名称が出てくる。学習性無力感、明らかな精神障害は無いが、善悪を判断する能力が失われるか、著しく損なわれ、行動を制御する能力が失われた状態、とされている。

鑑定書を書いた精神科医は理解していないようだが、これも二分心(Bycameral mind)の典型的状態だ。 角田美代子の強圧的圧迫の下で彼等は自意識を無くし、二分心の命令にのみ従うモードに移行していたと考えるべきだろう。

この有罪判決は本当に正しい判断だろうか? 結論から言うと、この3名は無罪になって社会生活に戻っても角田が死んだ今となっては再犯の可能性はゼロだろう。二分心の状態のヒトは自意識を失っているので、その行動は命令者の指示に従うロボットと同じだ。ロボットを罰したところで意味は無い。全てのヒトは、古代においてそうであった様に、誰でも状況次第で二分心になり得る。よって、この事件の責は角田美代子その人個人のみに帰するのでは無かろうか。

この事件は我々に不気味な感じを与える。その理由は我々が太古の時代に持っていて、今は失ってしまった感覚を呼び起こすからに相違ない。今でもヒトは状況によって、二分心モードに退行し得る、という事は覚えていたほうが良いだろう。