掲示板でジョンジェが国立現代美術館の広報大使になったと教えてもらった

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コチラ
今回、国立現代美術館の広報大使となった俳優イ・ジョンジェと徳寿宮美術館で会った。
国立現代美術館が主催する“徳寿宮プロジェクト”が宮内殿閣で進行される中、
イ・ジョンジェはチョン・ヒョンミン館長をはじめ、
関係者と共に広報大使としてこの展示を鑑賞する機会を持った。
また、彼は果川国立現代美術館で展示中だった“今年の作家賞”とも関連があり、
4チームの候補中、1つである 今年 作家賞を受賞したチョン・ジュノ作家の
ビデオ作品に登場している。
(イム・スジョンと共演したカッセル ドクメンタ招待作「世界の向こう」のことですナ

)
このように、様々な面で国立現代美術館と縁の深いイ・ジョンジェは、
芸術を愛して止まぬ美術愛好家であり、コレクターとしても静かに活動している。
イ・ジョンジェ インタビュー
Q : 今回、国立現代美術館とSBS文化財団が共同企画、選定した“今年の作家賞”を
受賞したチョン・ジュノ作家のビデオアートにイ・ジョンジェさんが登場します。
どうして参加することになり、どんな作業をしたのですか?
JJ : 私はファインアートに直接参加したことがなく、その分野の方に知り合いがあまりいません。
ただ個展を見ながら個人的な感心を持つ程度でした。
そうこうするうち、偶然にも仕事を一緒にしてみないかと依頼を受けました。
もちろん私は演技の分野で仕事をしていますが、今回の作品に参加しながら、
役者として私の感性的な部分をもっと表現すべきなのか、
それとも、私は徹底してオブジェとして活用されるべきなのか疑問を持ちました。
作家は私に「演技をして下さい」と言いましたが、
私の考えでは、その人はプロの俳優を呼んでおいて、
ただ“オブジェとしての役割”だけしなさいとは言えなかったのでしょう。
本人がしたいことに対し、文を書いて映像を撮る状況で、
私が感じたことをより多く表現するよりは、
作家が望むことを十分に表現しなければならないと思いました。
代わりに、作家に何をしたいのか尋ねました。
映画では、現場で監督と俳優が互いに何を望むのか話しながら作業をし、
同時に、映画は大衆文化なので、消費者、すなわち観客の目の高さを
考慮しなければならない部分も無視できません。
だが、今回は作家の作業を徹底してお手伝いする、
すなわち私は、ここにオブジェとして入らなければいけないという考えで臨みました。
例えば、作家が空のコーヒーカップを1時間以上撮るのなら、
“私は1個の動くコーヒーカップだな”と思い(笑)
徹底してオブジェとして参加しました。
映画の世界で仕事をする時、普通は俳優としてストーリーを受けてこそ
感情移入して演技ができ、観客にそのストーリーをもっと明確に伝えられます。
ストーリーをよく伝えるには、俳優の感情が明確にあらわれるべきなのに、
俳優の表情や仕草が時には過剰かと思うほど誇張されるように表現されたりもします。
でも、今回の作品はストーリーが続くより、作家の精神やテーマのためなので、
そこで私があえて何かをするというのは合わないと思いました。
それで作家と撮影前に会い、なぜこんな話をしようとするのか、
なぜこのような方式を選んだのか話しました。
ムン・ギョンウォン、チョン・ジュノ作家の作業は完成された作品を見せるのではなく、
様々な分野の方々とコレボレーションしながら、その過程をを見せていく事でもあったんです。
結論的に私は“演技をしないことで演技しました”。
作品の中で、ナレーションも わざわざ聴衆の耳を刺激せず、
あまり聞こえないようにしました。
個人的にこんな作業は初めてでしたが面白かったです。
Q : この仕事に参加しながら、どんな点が良かったと思いますか?
JJ : 作家は自分の考えや意図を表現する物が色々あるものの、
それが技術的に合わなければ、見る人々は難癖をつけるでしょう。
でも、作家の選択は良かったようです。
アーティストがビデオアートを撮る時、作家本人や周りにだけ依存すれば
映画分野の専門的な人材に会うのは容易ではありません。
だが、作家が『情事』、『スキャンダル』、『(ユア・マイ・サンシャイン』等、
多くの映画を撮った春映画会社のオ・ジョンワン代表を知り、
その方が映画のスタッフと繋がったので、今回の作業は技術的に成り立ったようです。
Q : アートコレクター、ないし愛好家で知られているが、
どのように美術品をコレクティングすることになったのか教えて下さい。
JJ : 2001年~2002年頃から始めたと思います。
知り合いの彫刻家が仁寺洞で個展をすると言うので行くと、
ちょうどその上の階で開かれている展示会に立ち寄り、
そこで絵の販売収益金を良いことに使うと言われ、ある作品を買うことになりました。
その前にも絵を収集したいという気持ちはありましたが、色々な面で余裕がなかったんです。
その初めての作品は、ペク・ナムジュン先生がクレヨンで描写したものでした。
初めは、どんな方で、このようなスタイルの絵はとても多いのに、
価格もよく分からないのに間違って買ったのでは、と不安でした。
だが、数年後、知人から私が持つ絵がどのように描かれたのかを聞かされた時、
年配で体も不自由なのに、亡くなる前の病床で、自身の全てのエネルギーで
ほとんど本能に近い芸術魂を見せたペク・ナムジュン作家に対し、
心と胸が痛くなり、その絵が別のものに感じました。
Q : コレクターとして、どんな絵を所蔵し、
コレクティングにおいて、どんな基準や一貫性がありますか?
JJ : 私はこういう事を話すこのが少し負担なので慎重になります。
私はすごいコレクターでもないし、いまだ多くの方々が美術品収集は贅沢で
否定的に認識されているためです。
美術は金持ちの専有物でないと言うことを少しずつ破っていかなければ
いけないと思います。
我が国の作家が海外で良い個展を開き、脚光を浴びて成長していくには、
韓国の美術市場を育てなければなりません。
ところが、これを防ぐアキレス腱が美術品購買を通した大企業の脱税や
否定的なイメージによる大衆の拒否感ではないか思います。
私が少しでも こういう物を破るのに役立てばと思います。
Q : 美術作業はしないんですか? 芸術全般に特別な感覚があったようですが。
JJ : 高校では美術部でした。
時々何かをしてみたいと思い、以前適当にやってましたが、今は手が上手く動きません(笑)
それより、美術についてもっと学問的に知りたい欲求があります。
感だけで接っしているので 裏付けがない気がします。
私は何かを見て感じたことに対し、自信ありげに気軽に話すのが苦手です。
良い個展、気になる個展にたくさん通う方ですが、
たくさん見たことで感が良くなり、深さも分かります。
だから、その部分への飢えがあります。
Q : 最近関心を持った作家とか、特に意味ある所蔵となった作品がありますか?
JJ : 最近では、Anish Kapoor、Rudolf Stingel他の作家が好きですが、
記憶に残る作品では、2年前ロンドンで開かれたFrieze Art Fairで、
White Cube Galleryに立ち寄りました。
色々なスター作家がいる中、銀箔紙のようにキャンパスが覆われている小さな作品が
私を惹きつけました。
韓国に帰って雑誌やインターネットで検索し、調べたら、
若い作家のJacob Kassayでした。
キャンパスは電気分解法という特殊な方法で塗られた作品なのに、
これを見ていると音が聞こえるような感じを受けました。
作家の意図より私の記憶と私だけの感情がもっと作用しました。
ところで2年前に見たその絵の価格がオークションでドンドン上がるのを見て
なぜか焦りました。
自分が好む作品の価格が上がれば、まるで私の感覚が上がるような勘違いをします。
そうするうちに、ついにその作家の絵を買うことになりました。
私のように美術コレクティングがいくらにもならない立場では、
周りの専門家の意見をたくさん聞くことになります。
だが、自分が好きで惹かれることもとやはり重要だと思います。
Q : 国内の若い作家で関心ある人はいますか?
JJ : パク・ジナさんのような場合、画風がもの寂しかったり、無心に描いた絵のようですが、
配色も多く、手のかかる作業をする作家です。
自分だけの色とトーンを持つ作家です。
作家にとって色が重要なように、鑑賞する人にも色は重要だと言えます。
私は、色は感情を表現すると考えています。
感情を動かすには色は重要です。
感情が動いてこそ良い感じを持つようになり、持ちたいと考えるようになります。
目に見えるものは当然 部分的な刺激があります。
そんなことにだけ惑わされないよう、別の方法で見ようと努力しますが、
色は人の心を掴み 吸い込む役割をしていることは明らかです。
Q : 演技と美術分野が繋がる部分や 互いに影響を与える部分はどこだと思いますか?
JJ : 私の場合、幼い頃から絵を描き、絵を見て歩き、美的な部分に関心が多かったようです。
インテリア、家具、服、食器、時計、生活で使える色々なものなど、
美に対して関心が高かったようです。
個展も実際、私はよく行きます。
今日はどんな新しいことが私を刺激させるのか、
刺激を受けてこそ思考の拡張や感性の多様化があるのですから。
事実、私を成長させるものに対しては、それを感じようと思います。
Q : 他のどんな分野に関心が高いですか?
JJ : インテリアに関心が高く、私の家もデザインしました。
以前フランスでアンティーク家具をいくつか買い、家を飾りました。
レストランもいくつかしましたが、清算しました。
また、洋服会社を買収して事業をしました。
最近ではマンションの建築事業をしながらインテリアデザインの検収で参加しました。
しかし、もう事業はしません(笑)
本業に忠実でありながら、絵に関心を持つ程度でいようと思います。
Q : 演技に対しては、どんな気持ですか?
JJ : 以前はそこまでで考えなかったが、今は少し年もとり、
私はこの職業を本当にとても楽しんでいるんだな、と言うことをはっきり感じてます。
人気や様々なものが少しずつなくなるのは事実ですが、
毎日を繰り返すたび、私はこの仕事の大切さや、
仕事をしながら楽しんでいるんだという満足感は、若い頃と今では とても違います。
私は演技のために美術が好きだったり、演技のために美術からインスピレーションを
得る方ではありません。
これは徹底的に私の趣味であり、好奇心です。
私が遊ぶ場であって、他のもののために好むのではありません。
私はこの分野では もう少し楽に考えようとしています。
演技は20年以上なので、私は多くを知っていると言えますが、
実際、美術の分野は好きなだけなのかもしれません。
知らない分野は、さらに難しく、不自由に思うのが一般的ですが、
私は、美術は遊べる場だと初めからそう思っていました。
なので、分からなくても楽しめる分野だと思います。
Q : 演技と美術をつなぐ夢があるならば?
JJ : イ・ジュンソプの一代記が映画化されれば、イ・ジュンソブの役をしたいです。
(

イ・ジュンソプ:韓国では国民的に有名な画家で、奥様は日本人)
学生時代、教科書に出てきた人ですが、写真を見たことはなかったと思います。
1995年、軍隊にいる私は活動をしていないにも関わらず、
新聞に私の写真が載り、見てみると、イ・ジュンソブ作家でした。
(ん?イ・ジュンソブ作家がJJを描いて新聞に掲載されたって意味なのか?

)
その後、彼の作品展や伝記に接し、この人が激動の韓国近代史を貫く画家で、
多くの物語ができると思いました。
我が国の国内画家を扱った映画がないという点を考慮すると、
映画化されれたら良いなと思います。
イ・ジョンジェは私たちが映画館で見ることができる我が国の最高級“俳優”だ。
同時に彼は美術館に展示中の作品で会える立派な“オブジェ”でもある。
どのようにして彼はこの二つを成し遂げれたのか…
それは恐らく彼が20年余りの間、静かに積み重ねた俳優としての“内面”と、
美術と芸術全般を享受しようと思う“情熱”を
まるで屋根を築くように、きちんと積み上げてきたためである。
だから、これは丈夫に築かれたイ・ジョンジェという家の人格を作り出した。
彼は芸術を愛し、それを遊び場とし、
無意識にそのエネルギーは彼の演技に染み込んでいく。
なので、彼を眺める私たちはリラックスして成熟した意欲を得る。
今後、国立現代美術館の広報大使として、以前彼が一人の美術愛好家として
私的に悩んだ韓国美術界の健全な成長に公的な貢献をすることを期待する。

12月14日(金)16時より、国立現代美術館では、
第三アートショップコラボレーションの開幕式行事があるらしく、
広報大使となったJJも出席予定みたいです。
(当日は久々に

マスコミに取り上げられるかな?

)
アートショップの観覧は誰でも参加可能らしいので、
運良く訪韓される方は、ついでに(おい

)JJも見学して来て下さい