昨年度から県内の小学校7校、そして今年は東北・宮城県にもおでかけした「学校ウサギをつかまえろ」が、全公演日程を終了しました。
兵庫県在住の児童文学者・岡田淳さんの作品を舞台化した「学校ウサギをつかまえろ」は、1995年秋に、阪神・淡路大震災被災地激励公演として兵庫県内6市2町、計12会場で上演して以来、これまで再演を重ねてきた劇団の代表作のひとつです。
今年は11月18日・19日、地元上坂部小学校と園田南小学校の皆さんをピッコロシアター大ホールへ迎えて上演した後、東日本大震災を契機として交流を継続している東北の子どもたちへこの作品を届けてきました。
11月26日、まずは宮城県七ヶ浜町。七ヶ浜町は仙台市中心部から東へ約20キロ、三方を海に囲まれた半島状の町で、町面積の36.4%が東日本大震災による津波により浸水するなど、深刻な被害を受けた地域です。お邪魔した汐見小学校は、町内にある3つの小学校のうち、いちばん生徒数の多い小学校です。
「サングラスをかけたお兄さんがさいしょがこわくて、と中でやさしくなったところがおもしろくてよかったです」「かんどうしてないているこもいました。うさぎがつかまってよかったです」「おもしろいし、たのしいし、うれしいし、本当に目のまえでしゃべっているのが、うたがうくらいでした。さいごにあくしゅしてくれてとてもうれしかったです」などなど、たくさんのうれしい感想をいただきました。
11月28日は、仙台市宮城野区中央市民センター体育館で2回上演しました。この公演は学校の団体鑑賞ではなく、一般のご家族、子ども、おとなを広く募集しての公演でした。共催として一緒に取り組んでくださったのは、NPOピコせんサポーター。仙台市で、人と人、人と地域の関わりを大切にした子どものためのイベントを運営されている方々です。
前の方が子ども席、後ろの方がおとな席、という客席でしたが、「このような劇を久しぶりにみたので、子どもの頃のようにワクワクしてみました。みなさんの迫力に何だか元気をもらいました」というお母さんからの声もいただきました。
この会場では、これまでの演劇を通した東北と関西の交流をまとめた展示もあわせて行いました。
12月1日、地元兵庫県に戻って、加古川市立八幡小学校で、今年度最後の上演となりました。
終演後の子どもたちとのハイタッチ、そして校長先生はじめたくさんの子どもたちに手を振って見送っていただき、全日程を無事、終えることが出来ました。
舞台芸術の鑑賞機会が少ない地域の子どもたちへ、ピッコロ劇団の方から劇場を飛び出しておでかけする「おでかけステージ」。来年度以降も積極的に継続していきたいと考えています。ご支援よろしくお願いいたします。
(劇団部 田窪)