ついこの間、髪の毛醤油で盛り上がってると思ったら、今度は段ボール肉まんで持ちきりのアジア某国。その前は悪臭チマキ2tだったし、次から次へとよく考えると感心する。今回の肉まんは豚肉をケチるために、なんと段ボールのミンチを具の量の半分以上加えていたらしい。多くの人が食べてもヘンだと気が付かなかったというから、やっぱり某国の食品加工技術はスゴイんだろう、さすが四千年の味。う~ん、この段ボール肉まんも食ってみたいな、チョットだけなら大丈夫だよな・・・
なんて褒めてる場合じゃないか。しかし、インターネットや新聞でこの記事を読んでいて、???と思った部分がある。段ボールはそのままじゃ硬くてバレちゃうから、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)で柔らかくして使っていたそうな。この製造工程を『段ボールをコトもあろうに劇薬で処理!』みたいに書いてあるけど、そんな書き方はおかしい。確かに水酸化ナトリウム(NaOH)は強アルカリの薬品で、そのまま触れれば皮膚が溶けるし、『(濃いのを)飲めば死ぬ!』とラベルにもちゃんと書いてある劇薬だ。しかし、食品加工ではよく使われる水酸化ナトリウム、例えばミカンの缶詰の薄皮(さのう)は塩酸と水酸化ナトリウムで溶かしている。決して、女工さんたちが山奥の工場で泣きながらミカンの皮を剥いてるんじゃない。もちろん、水酸化ナトリウムは試薬(化学実験用)じゃなくて食品添加物(不純物が少ない)を使うし、処理した後は水で長時間さらしてシロップ漬けにしてるから、食べても何の問題もない。もし水酸化ナトリウムが残っていればかなり苦いし。この普通に市販されているミカン缶を段ボール肉まんと同じ表現をするならば、『なんと2種類の劇薬で処理したミカンを缶詰にして販売し・・・、昔からやっていたから大丈夫だと思った(関係者)』となるんだろうけど、そんな書き方は見たことがない・・・
段ボールを使って肉まんを作るのはヘンだと思う、豚肉も病死した豚を使っていたとか、工場や機械の衛生状態も劣悪だとか、それが本当ならばそんな肉まんは食わない方が命のためだ。しかし、その件についての危険性とはあまり関係のないことを引き合いに出して、さもアブナイんだと言わんばかりに書くのも、ぴらにあはヘンだと思う・・・