箆柄暦『箆柄日記(ぴらつかにっき)』

沖縄へ流れ着いた箆柄暦のぴらつかさんの
沖縄的日常とか、イベントの感想とかを綴る。
戻れぬ 旅だよ 人生は…。

さよなら、大底春男師匠。

2009-11-08 15:00:00 | 箆柄日記
宜野湾市海浜公園野外劇場で行われた「辺野古への新基地建設と県内移設に反対する県民大会」に参加していると、携帯電話が鳴った。兄弟子からの電話で、師匠・大底春男の訃報を知る。


大底春男師匠はもう随分長いこと人工透析を受けていた。私が沖縄に来たときにはすでに受けていたので、8年以上にはなっていたと思う。そんなこんなで何となく覚悟はしていたものの、突然の訃報だった。

2009年11月8日日曜日、朝6時頃、八重山古典民謡保存会師範、琉球民謡音楽協会師範、89年とぅばらーま沖縄大会と91年とぅばらーま石垣大会優勝者(両大会制覇は2名だけとか)、大底春男師匠永眠。私にとっては、東京時代に手ほどきを受けた、大山泰則先生に続き、二人目の師匠とのお別れとなった。

お通夜で拝見した春おじぃの顔があまりにも穏やかで、本当に眠っているようだった。奥さんに促されて、お酒を小指に付け、唇を湿らせた。確かに冷たい。ほほに触れてみる。やっぱり冷たい。でも、すっと起き上がってきそうなほど、きれいな顔だった。

枕元で、優秀賞に合格して以来、気持ちが切れてしまいたらたらしているうちに、そのあといろんな事情でお稽古を続けられなくなっていたことを詫びた。不義理な弟子でほんとにごめんなさい。最優秀賞もがんばるとかなんとか、調子の良いことを言って喜ばせたりして、ホントにごめんなさい。


お稽古の途中の春男師匠。何度も何度も根気強く教えてくださる師匠でした。

後生に行ったら、大好きな大濱安伴先生、みね先生と一緒に、三線を楽しんでください。実は、最優秀賞の課題曲、ちょっと忘れてるところとかあったでしょ。いつかそっちで教えてもらうときまでに、安伴先生からお浚いしといてくださいよ。それと、大山泰則先生にもよろしくお伝え下さい。


 ●大底春男師匠告別式
  2009年11月9日(月)17時半~18時半
  壺川サンレーメモリアルホール紫雲閣(かねひで向い)
  〒900-0021 沖縄県那覇市泉崎2-103-30
  TEL:098-853-3030
   

この日記を読んでくれているみなさん。大底春男は、ホントに唄の上手い人でした。ストレートでパンチの効いた、伸びやかな高音の歌声の人でした。箆柄暦『十一月の沖縄』で、大工哲弘さんが「八重山の民謡を全国の人が聴いてくれる時代が来た」と話しておられましたが、まさにその時代になったのに体を悪くして、県外どころか、県内でのライブもままなりませんでした。

ですから、八重山民謡の歌い手として全国的に知られている人ではありませんが、CDが残されています。国際通りの高良レコードや、前島の八重山そばの店「ジュネ」で購入できますので、八重山民謡ファンは是非聞いてみてください。よろしくお願いいたします。

 高良レコード TEL: 098-863-3061
 八重山そばの店「ジュネ」 TEL: 098-868-5869


●大底春男『くがに島唄~還暦のうた声』
 国際貿易 KOKU3-0047 2500円(税別)

 

 赤馬節 鶴亀節~矼ゆば節 鷲ぬ鳥節 目出度節
 蔵ぬぱな節 鳩間節 繁昌節~とまた節 あがろーざ節
 古見ぬ浦節 夜雨節 まるまぶんさん節 安里屋節
 しょんかねー節 まへーらつぃ節 とぅばらーま節

 大底春男(八重山古典民謡保存会/師範/黒島出身)
 宮平のり子(箏) 嘉数世勲(笛)
 田里正夫(太鼓) 比屋根孝子(囃子)


コメント
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