箆柄暦『箆柄日記(ぴらつかにっき)』

沖縄へ流れ着いた箆柄暦のぴらつかさんの
沖縄的日常とか、イベントの感想とかを綴る。
戻れぬ 旅だよ 人生は…。

アサイラム2009で踊ろうマチルダ

2009-11-14 17:52:00 | 箆柄日記
桜坂劇場、恒例の『ASYLUM 2009 ~Sakurazaka Music and Art Weekend~』に行く。全然時間が無くて、ちえみジョーンズの出演する「ASYLUM SHOWCASE 踊ろうマチルダ×ちえみジョーンズ×小池龍平」を見た。

この枠はかなりの当たりだったと思う。弾き語りスタイルながらディレイやエフェクトを効果的に使って、厚みのある演奏を聴かせてくれた小池龍平、TOMAさんのギターと米須先生のマリンバをバックに歌うちえみジョーンズ、最後に出てきたのが踊ろうマチルダという弾き語りの男だった。


それぞれ良かったのだが、やはり踊ろうマチルダが圧涛Iだった。ちょっとまえから県内で見かけたフライヤーの写真は、ヤサぐれて、ひねて、とげとげしい感じだけれど、寂しくて、悲しくて、悔しくて、ただ歌わずにはいられなさそうな男の姿だった。

これでやわな音楽だったらどうしようと思っていたけれど、歌い出した瞬間、その酒焼けしたようなダミ声と、場末の港町の酒場でくだを巻くようなギター、その世界観を完璧に形にして見せてくれた。久しぶりにぞくぞくっと来てしまった。

ダミ声に踊ろうマチルダ(Waltzing Matilda)と聞いてトム・ウェイツの「Tom Traubert's Blues」を思い浮かべるのは普通だろう。トム・ウェイツについて、それほど詳しいわけではないがこの曲には少なからず思い入れがある。そんな人は結構いると思うが、踊ろうマチルダの演奏は、思い入れを裏切らない内容だったと思う。

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良くもこれだけの内容を、日本語とギターだけで見せつけてくれるものだ。こんな奴が今の時代にもいるんだなぁと嬉しくなってアンコールした。アンコールの2曲はダニーボーイとオリジナルのもう一曲。気合いがこもっていて良かった。しゃれたシャツが汗でびたびたになっていた。

追記:
早いもので師匠の初七日。お線香を上げ久しぶりにお稽古場へいくと、すっかり家具が片付けられ、壁にぶら下がる三線だけが残されていた。師匠がいつも座っていたあたりの畳にのこる煙草の焦げあとが寂しげだった。
コメント
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