6月9日から12日まで、琉球民謡協会の民謡コンテストが行われました。7月1日から3日は琉球民謡音楽協会のコンクールが行われます。そんなせいか、ここのところ
三線情報『箆柄通信』のログを見ていると、コンクールに関するページへのアクセスが多いです。
三線情報『箆柄通信』では、私が受験した八重山古典民謡コンクール(石垣島で行われる)を中心に書いていますが、どのコンクールも基本の仕組みは同じなので、他のコンクールを受ける人も概要を知ることはできるとおもいます。また、他のコンクールの情報にも触れていますので参考になっているのではないでしょうか。少々データが古くなっているものもある点は申し訳ありません。
琉球民謡音楽協会のコンクール。試験中は撮影禁止なので練習中に撮影。
本番では審査員席に審査員の先生がずらりと座る。
さて、いちおう私も八重山古典民謡コンクールの優秀賞までは合格しているので、僭越ながら、これから新人賞、優秀賞を受験される方に、私なりのアドバイスのようなものを少々。
●とにかくその日は自分の試験に集中すること
悪いことは言いません。極力他の用事は入れずに、その日一日を試験のみに集中しましょう。また、一緒に受ける仲間を応援したいのはやまやまと思いますが、あまり他の人の演奏を聞きすぎると自分のペースを崩します。試験会場に入るのは会場の雰囲気に慣れる程度にしたほうが良いと思います。自分の受験時間より早く着きすぎても緊張が切れてしまうので注意です。県外からやってくるあなた、ブログに受験体験記を書こうとデジカメで写真を撮りまくろうとか思っていませんか? やめておいた方が良いですよ。そういうことは合格してからにしましょう。
●落ちる要素を当日までにひとつひとつ潰しておくこと
技術的な面でも心理的な面でも、失敗する要素を当日までに丹念に取り除くことが大事だと思います。一週間くらい前までには弦を換えておくとか、着物を着付けて弾いてみるとか、気になることがあったらちょっとしたことでも手間を惜しまないで潰しておきましょう。試験の合間に舞台で弾いて良い時間があれば、恥ずかしがらずに練習させてもらいましょう。神頼みもだまされたと思ってしておいたほうが良いと思います。私も試験の前に、読谷の赤犬子宮と首里の観音堂(自分の干支を奉っています)参りをしました。
●上手く弾こうとしないこと、思わないこと
コンクールは勝負事ではなくて実力試験ですから、上手く弾こうとする必要はありません。審査の先生も、あなたの唄が上手いとはだれも期待していません。上手く唄おうとすると、変に入れ込んで調子を崩します。師匠が受けてみなさいと勧めてくれたと言うことは、いつも通りに弾けたら合格できるはずです。師匠を信じて演奏しましょう。月並みな言葉ですが、平常心が大事。平常心を保つためにも、時間を惜しんで一回でも弾き引き込んでおくことだと思います。
それとこれは上手な人へのアドバイス。これまで毎年コンクールの様子を見学しに行っていますが、毎年とっても上手な人が落ちるのを見ます。主に歌詞を間違えることが多いようです。どこかでもう合格した気になっていて、心に隙があったのかもしれません。どんなに自信があっても、実力があっても、合格するまでは気を許したらダメだと思います。
ここまで読んで、何を偉そうにと気分を害された方がいらっしゃったら申し訳ありません。本当にゴメンナサイ、謝ります。しかし、私自身、優秀賞に一度落ちた時、あの情けなさといったらもう本当に悔しくて、もう絶対あんな思いはしたくないと思いました。今回書いたことは、不合格だったあの年の自分のことを思い出して書いたものと思ってください。
自分も情けなかったけれど、一所懸命に教えてくれて、合格を確信してくれていた師匠をがっかりさせてしまったことが、本当に悔やまれました。皆さんには同じ思いをしてもらいたくないなと思い、この話題を採り上げた次第です。
それと、もしも不合格になってしまったら文句を言っていても始まりません。不合格は不合格。何か理由があるのです。審査がおかしいとか、ちょっと位良いじゃないかとか言っていると、来年も合格できないでしょう。結果は真摯に受け止めて、次の機会までお稽古に精を出すべしです。
皆さんの合格を心よりお祈りしています。ホントに祈ってます。