「美」を愛する人へのメッセージ

岩国市を中心に「いろ・色・パステル画」展を開催しています。また、「美」という大きなテーマに向かって発信していきます。

「日常の中の美の発見」・・友員さんの作品から

2011-05-10 08:24:40 | 「友員純生さんの作品」

いろいろな色が溢れているこうした風景から、私はなんとなく「パレット」の表面をイメージしてしまいます。

 

子供の頃、いろいろな色が無道さにおかれた「パレット」を見るたびの、心が躍るような錯覚に陥ったものです。

はじめの頃は、誰もが原色の色に目をうばわれますが、やがてそうした強烈な色から遠ざかり、やがて「淡い色調」に心ひかれるものがでてきます。

 

そうした色に対する興味の対象が変化する中で、最も普遍的な色が実は「白」という色ではないかと最近つくづくと考えるようになりました。

 

「白」は色の原点のような存在で、皆さんも小さい頃この「白」をさかんに使ったのではないかと思います。

 

「空」の色を明るくする時、「青」に「白」を混ぜると、自分がイメージする色に近いものができたことを覚えていると思います。

そうしたことを考えながら、友員さんのパステル画を見ていると、そこに「白」と言う存在が浮き上がって来るような感覚が芽生えます。

 

「虚飾のない世界」、それが我々の心に残る「ふるさとの色」であり、思い出に浸ることのできる空間になっています。

 

「自然の存在」をそのまま表現し、そこに「自分と自然」との素直な対話を交わしているこのパステル画は、誰の目にも共有できるものがあると思います。

 

「日本人の心の原点」を描いているようなそんな気さえしてくるこのパステル画から、日本人の持つ「和」という世界さえイメージできるものが感じられます。

それは日本人の精神性にも及んでいて、この絵からもそうしたことが感じられます。

 

「日本の原風景」にあたるこうした「古い神社」や「四季の変化」は同じように我々の心に深く根ざしているものがあります。

 

こうした絵を見ていると、自分たちが小さな頃の「ひとコマ」が自ずとイメージされ、輝きを増す存在に変化し、新たな活力を我々に与えてくれます。

 

また、それは「豊潤な空間」を創る手助けをしてくれるようで、どこか「醸造の世界」に似ている感覚が起きてきます。

 

このように「色や形」と「イメージ」はとても深い関係にあり、絵を見ながら我々を「別世界」へ運んでくれる大きな役割を持っています。

 

そこに「個」の持つ「表現」が現れることにより、その「個」から新たに学ぶおもしろさがあるのもこうした「絵画表現」ならではの世界ではないでしょうか。

 

そこに見える単なる色が、皆さんのイメージを広げる大きな力になっていることに気づいて欲しいものです。

 

「色には力がある」という言葉がありますが、そうした「伝達の力」から、自分なりの世界へと飛游する「創造させる力」へと向かうステップがとても楽しく、毎日の生活に大きな潤いを与えることは確かです。

 

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「友員純生さんの作品」

2011-01-17 16:05:23 | 「友員純生さんの作品」

「絵を描く」と言うことは、人にとってどんな意味があるのでしょうか?

 

「表現」という大きな分野で考えてみても、そこにはなんらかな「喜び」のようなものが見れます。

 

「歌をうたう」ことや、「ダンスを踊る」ことと同じように、「創作活動」の中には人が持って生まれた大きな「衝動」のようなものがあります。

 

ある人にとっては、「癒し」となり、ある人にとっては「生きがい」となり、いろいろなパターンが考えられますが、どうも「創作」という分野は、人の生活の中にあって、「大きな喜びをあたえてくれるもの」に違いありません。

 

ただ、それがいつの間にか他の人から見た「美の基準」を作ってしまい、いつの間にかそうした「創作の世界」から遠のく人が多いのが現実です。

 

今日も、「中学生」を相手に、「美術」の時間を共有しましたが、彼らはとても「表現」することが好きです。

 

しかし、いつの間にか指導者やまわりが「基準」を子供に押し付けてしまって、この世界から遠ざかっていくように思われます。

 

その子なりの、「個の基準」を育てていけば、きっと「創作の喜び」を一生涯持ち続ける人になると思います。

 

こういう話をなぜ、ここでするかというと、実は友員さんは「西兼さん」の元生徒であり、その頃から絵がすきだったようです。

 

それが、時間にゆとりができるようになった昨年からパステル画を始めて、まだ1年もしないのにこんな作品を描いています。

 

きっと、学生のころの「いい思い出」がもう一度、「美術」へ目を向けさせたのだと思います。

 

その友員さんが行っていた、昨年の「いろ・色・パステル画」展の「体験コーナー」での様子は、そうしたことを私に教えてくれました。

 

「中学生」の女の子が、何の違和感もなく、友員さんの助言に耳を傾けて、自然にパステル画を描いている光景には、一瞬目を疑いました。

 

プロの「美術教師」でさえ、こうした多感な中学生の指導にあくせくしているのに、ずぶの素人である友員さんの指導に、何十年も一緒に勉強を習っているような雰囲気が出たのは、ある意味では友員さんが、「美術」というものを心のどこかにいつも温めていたことと、彼の「素直な気持ち」が中学生の心をとらえたのではないかと思っています。

 

私は、日頃からこうした「人への共感」の大切さと、その「あり方」を常に考えていますが、形だけではだめで、そのなかに溢れてくる「気持ち」の大切さに気づきます。

 

しかし、口では間単にいえますが、「人を教える」ことはとても難しく、とても奥深いものがあることが、やればやるほどわかります。

 

そうした心のなかに存在する「創作意欲」をどれほど維持しているかを考えながら、友員さんの作品を見て欲しいと思います。

「友員純生さんの作品」

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