茶々日和~まったりしましょ~

愛犬茶々(Mダックス・メス)とのまったりした暮らしと、趣味の観劇記です。よろしくお願いします。

星籠の海

2016-06-16 11:24:23 | 読書・映画
昨夕、映画に行ってきました。
今週末から仕事が忙しくなるので、気晴らしの先取り。

「星籠の海」を選んだのは、探偵御手洗潔役が玉木宏だから。
だって、好きなんだもん。

この原作は読んでなかったのですが、福山が舞台だというのも、選んだ理由のひとつ。
広島弁(厳密に言うと、そうじゃないのですが)が懐かしかったわ。

村上水軍とか、幕末の黒船来航とか、外国人労働者とか、違法薬物とか、水竜伝説とか、とにかく盛りだくさんの要素が詰め込まれていて、一体どうなるの?という話を、ぎゅっと二時間でまとめあげた力業はお見事です。
(誉め言葉なのか?)
冒頭の陰惨で猟奇的な事件は見て気持ちのいいものではないけれど、様々な謎は、きちんとヒントが与えられていて、とてもフェアーです。
事件のからくりはすぐにみえてくるのですが、それを結ぶ糸(動機)を探すための2時間。

瀬戸内の海の美しさと、広島弁が懐かしい私には、まあ、許せる映画でした。

でも、個人的に、うざいお姉さんはいらない!
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ポイズンドーター・ホーリーマザー

2016-06-09 16:34:28 | 読書・映画
湊かなえさんの新刊。

なんだかんだいいながら、この人の作品、ほとんど読んでいるかも。
本の帯には、「湊かなえ原点復帰!人の心の裏の裏まで描き出す極上のイヤミス6編!!」とありますが、そのとおり。
人と人のつながりの中に潜む、悪意や闇(変換キーを押したら、「病み」で変換。賢いじゃん!)が毒のように人の心を蝕んでいく物語は、まさしくイヤミス。
そして、ついつい読ませてしまう妙な魅力は何なのでしょう。
それが一番のミステリーですね。

冒頭の『マイディアレスト』は、後味の悪さは最高級。
姉妹の心の軋轢を描いた物語は、姉妹のいる人なら、よくわかるんじゃないかな?

二番目の『ベストフレンド』は、叙述によるミス・リードを狙った作品。
勘のいい人なら、途中で違和感に気づく?

『罪深き女』は、勘違い女のお話。
正直、イマイチだった。

『優しい人』は、ちょっとドキッとした。
「優しいのは周りに対して興味がないから」というのは、すごくよくわかる。
私ににもそういう部分がないわけではないから。
 あなたは優しい人じゃないー。でも、それは決して悪いことじゃない。
この最後の言葉に安心しました。

表題作の『ポイズンドーター』と『ホーリーマザー』
この二作のつながりが絶妙です。
娘の視点から「毒母」を描く『ポイズンドーター』と、娘の友人の視点で語られる『ホーリーマザー』は、裏表の関係。
「毒母」の物語なのに「ポイズンマザー」でないのがミソ。
「毒母」を糾弾する娘の被害妄想こそが毒、ということなのでしょうが、いろんな読み方ができそう。
『ホーリーマザー』は、「毒母」と糾弾された母の本当の姿?が語られている?作品。
でも、こちらも、そんな一筋縄でいかないぞと思わされる作品で、むむむむむ、とうなってしまいました。
娘は母親になってはじめて母親の気持ちを理解し、そこで母娘の感情の軋轢は解消される、とあるけど、本当にそうなの?
わかるけど、ちょっと違うかなあ。

一気に、2時間ちょっとで読みました。
面白いです。
でもイヤミスなので、取り扱い注意です。












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こんな本はいかがですか?

2016-05-24 19:43:05 | 読書・映画
年度末にリクエストしていた本が、先週入ってきて、忙しい仕事の合間の息抜きに読んでいました。
「下京区花屋梅小路上ル 京極荘と百匹のうた猫」。
メディア・ワークス文庫から2巻まで出ています。

このお話は、百人一首が鍵になっています。
百人一首の幻の歌仙絵が、猫に姿を変えて京の町に逃げ出してしまう。
それぞれの歌に込められた思いを抱く人に懐いているうた猫をつかまえ、歌仙絵を元に戻すために、その歌に込められた歌人の思いを紐解いていくお話。
各話の扉の部分に、モチーフとなった百人一首の簡単な紹介とうた猫のかわいいイラストがあって癒されます。

ラノベなので、ツンデレ・ドS男といったお約束みたいな要素もはいってますが、ミステリーっぽいようなファンタジーっぽいような味わいは楽しめます。
 和歌の解釈や作者のエピソードは、(国文学専攻だった人にとっては)全然目新しくもないものですが、若い人たちの古典入門にはいいかもしれません。

犬派の私には、2巻の蝉丸の和歌に因んだ「さくら」というわんこの出てくるお話に涙が出そうになりました。
犬って、ほんと、律儀だよね。
しかも、「さくら」って、茶々子の本名(チェリーですが)とおんなじだし。

さて、少し難を言わせてもらうと、国文学科のはずなのに、主人公がほとんど古典の素養がないのですよね。
今時の大学生って、そんなもんですかねえ。
モデルになってるのって、西本願寺のお隣の大学でしょ?
それはないと思いたいわ。
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マジカル・ガール

2016-03-15 15:39:35 | 読書・映画
仕事が一段落したので、今日は、映画に行ってきました。
とっても後味の悪い、不愉快なスペイン映画です。

題名は「マジカル・ガール」、つまり、魔法少女。
監督が「魔法少女まどかマギカ」に触発されて作った映画です。

白血病で余命わずかな少女アリシアの願いは3つ。
1 変身できること。
2 「魔法少女ユキコ」のコスチュームを着て踊ること。
3 13歳になること。
失業中の父親は、娘の願いを叶えるため、高額なコスチュームを手に入れようと、偶然知り合った精神を病んだ人妻バルバラを恐喝する。
バルバラは、夫に内緒でお金を手に入れるために大富豪の秘密倶楽部に行き、大怪我を負ってしまう。
そこでバルバラは、昔、数学教師だったダミアンに嘘を吹き込み、アリシアの父親を殺すようにそそのかす。

とまあ、アリシアの願いから、わらしべ長者みたいに話が転がっていくのですが、バルバラとダミアンって、「エクソシスト」つながりですよね。
つまり、バルバラは魔女。
ダミアンは、魔女と対決するエクソシスト?
最初のシーンは、12歳のバルバラが、数学教師のダミアンを翻弄する場面。
妖艶な笑みがすでに邪悪です。
そして、次に登場するのが、純粋な少女アリシアが無心に踊るシーン。
この同じ12歳の少女の対比が実に見事だなと思いました。

ところが、汚れのないアリシアの願いが、周りの人々の運命を少しずつ狂わせ、最後には、最悪の結末へと導いていく。
うわぁ!です。
なるほど、「まどかマギカ」だわ。

アリシアが父親にあてたラジオ・メッセージ。
あれを聴いていたら、運命の歯車は止められたのか?
ダミアンのジグソーパズル。
最後の一片がなくなってなければ、バルバラの誘惑に負けなかったのかな?
いろいろ考えてしまう。
後味最悪の、不愉快な映画なんだけど、そのなんだかザラッとした手触りにハマります。
こういうの、嫌いではない。
ただし、万人受けはしない映画なので、おすすめはできません。

そうだ、簡単なスペイン語が少し聞き取れました。
ちょっと嬉しかったです。
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真実の10メートル手前

2016-03-14 17:09:50 | 読書・映画
先日紹介した米澤穂信さんの「王とサーカス」の前日譚かな。
太刀洗万智シリーズです。
(時系列がはっきりしていないので)

短編集なのでさらっと読んで行けますが、ジャーナリスト太刀洗万智の、真実を見極めていこうとするストイックな姿勢が「王とサーカス」に繋がっています。

「さよなら妖精」の登場人物が出たり、ちょっとイヤミス的な味わいがあったりで、苦い読後感も残ります。
でも、面白かったです。

米澤穂信さんの作品は、他に「リカーシブル」も読みました。
「タマナヒメ」の伝説が伝えられる地方都市に引っ越してきた中学生が主人公のミステリー。
こちらもなかなかのイヤミス系青春小説でした。
いくつかの謎が残されたままなので、もしかしたら続編も出るのかな?

米澤穂信さんの作品は、ラノベも含めて、もう少し読んでみたいと思います。


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キャロル

2016-03-01 14:31:10 | 読書・映画
気分転換に、映画にいってきました。
お持ち帰りの仕事でウンウン唸ってるのですが、だからこそ、気分転換。
今日は、ファースト・デイ。
お得に映画を楽しめます。

「キャロル」は物語そのものももちろんですが、その50年代のファッションやインテリアがとても素敵です。
ケイト・ブランシェットのマダムな衣装や大きめのアクセサリーのなんとゴージャスなこと。
ミンクのコートがあんなに似合うなんて、もう、信じられない。
私だって憧れちゃいます。

ルーニー・マーラーのカラフルな帽子や可愛らしいコート、女学生みたいなチェックのジャンパースカートも素敵です。
オードリー・ヘプバーンみたいな感じで、可憐でした。
もう少し若かったら、真似したいスタイル。
私好みです。

ストーリーは、女同士の恋愛物語。
でも、全然いやらしくなく、心の繋がりが丁寧に描かれています。

自分は何を望んでいるのか。
自分らしく生きていくとはどういうことなのか。

そういうことがテーマなのかな?

ラスト・シーンのケイト・ブランシェットの微笑みが、とても素敵な映画でした。
このポスト・カードをもらいました。
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鬼はもとより

2016-01-25 22:59:54 | 読書・映画
偶然借りたら、作者が直木賞を受賞されましたね。
最高齢での受賞者なのだとか。

時代小説は苦手な私でも、するすら読める筆力。
うまい人です。

これは、2年前?の候補作で、受賞作ではありません。
「藩札」での藩財政再建に命をかける武士の経済小説。
まさしく「鬼」となって、財政再建にとりくむ姿には、感動を覚えます。
なかなか面白く読める「経済時代小説」ですが、私の好みとはちょっと違うかな?
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こんな本をご紹介

2016-01-13 19:59:10 | 読書・映画
「その道のプロに聞く生き物の持ち方」
と、いう本。

例えば、カブトムシ。
オスならば小さなツノをおさえる!
メスは持つところがないので羽の横。
トンボやチョウは、羽をそろえて丁寧に人差し指と中指のあいだで挟む。
うん、うん。

サソリは、毒針のあるしっぽを押さえる。
タランチュラは、怒らせると手がつけられなくなるので、そっと静かに手のひらに乗っけて運ぶ。

サソリやタランチュラに遭遇する機会があるのか?
あったとしても、もちたくないよ!

ゴキブリの持ち方も紹介されています。
脳内でコオロギに変換させて持つ!のたそうですが、やっぱ、新聞丸めてたたくのが正解だと思います!

シマリスやフェレットは弛んだ首のうしろの皮膚をつまみ上げる。
ハムスターは首の周りを指でホールド。
パンダ・マウスは尻尾をひょいとつかむ。

なんてことが、写真で解説してある本。

お持ち帰りのお仕事の合間の気分転換に、ちょうどいい軽さ。

でも、実用書です。
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完全なるチェック・メイト

2016-01-11 13:34:54 | 読書・映画
日比谷まで出かけて、映画を見て来ました。

「完全なるチェック・メイト」
伝説的なチェス・プレイヤー、ボビー・フイッシャーの人生を基にした映画です。

これ、すごく面白かったです。
チェスのルールなんかわからなくても、役者の表情だけで、ちゃんと勝負の流れや勝敗の行方がわかってしまうのです。
すごい!と思いました。
「スパイダーマン」のトビー・マグワイアって、こんなに演技うまかったっけ?

背景の冷戦構造もうまく処理していて、ヒートアップする周囲の思惑や、4手進むのに3000億通りの可能性を考えなければいけない集中力。
それこそ、すべてをなげうって、チェスのためだけに捧げられたら人生。
その重圧に心を病んでいくボビーは、ベトナムで戦い、精神を病んで帰ってきた若者達と同じだったのですね。

この映画を見て「CHESS」の世界が、また一つ、すっきりしました。
ひとつひとつの歌詞や台詞の意味が、腑に落ちたのです。
そして、もう一度「CHESS」の世界にひたりたいなあと。

「CHESS」ファンの方は、ぜひご覧になってください。
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冬の読書2

2016-01-09 13:05:35 | 読書・映画
「ふなふな船橋」 吉本ばなな

誰にでも、傷ついた心に寄り添ってくれる特別のヒーロー(妖精)がいる。
それが、「ふなっしー」を連想させる「梨の妖精」というのが、なんとなく違和感なのですが、そこを乗り越えられたらスラスラ読めます。
吉本ばななさんらしいストーリー展開で、ほろ苦い、でも、なんだかほわほわした読後感。
通勤電車でさらっと読めます。

なんでも、実在のお店や地名がいっぱい登場して、船橋の書店では大人気なんだとか。

この本を読んで、ちょっと船橋に行ってみたくなりました。
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「ミュージカル俳優という仕事」

2016-01-04 17:57:47 | 読書・映画
年末のなっち&育三郎の結婚のニュースは、全然ショックはなかったのよね。
正直、育三郎君は、そんなに好きじゃないから。
むしろ、ちょっと苦手。
だから、素直に「よかったね。」と思えた。

しかし、新年早々の井上芳雄&知念里奈の熱愛・結婚報道にはギョギョギョ。
 そうか、やっぱり。
以前からちらほら噂にはなっていたのですが、ミュージカルをメジャーにするために頑張っている時期だから、当分結婚はしないんだろうなと思っていました。
ただ、この「ミュージカル俳優という仕事」という本の中で、結構意味深なことを書いていて、もしかしたら、と気づいたファンもいっぱいいたんじゃないかと思います。

この本は、昨年の12月に日経エンタテイメント!から出版されたもの。
タレント本ということになるのでしょうが、ミュージカル俳優としての生き方とか、仕事への思いなどが語られているものです。
届いたときにさらっと流し読みしていましたが、お正月のニュースを受けてもう一度読み返してみたら、なかなかホントに意味深です。

井上君は、今の自分のポジションがこのあと変わっていくことをちゃんと理解していて、その上で、どういう立ち位置になっても、表現すると言うことを一番に考えて行きたいときっぱり言っています。
人気絶頂の今なのに、浮かれもせず、しっかり足元を見つめているというか、すごい覚悟だなと思います。

さて、この本の中では、『モーツァルト!』の挫折体験も赤裸々に語っています。
「公演中にアッキーの声の調子が悪くなったようだと聞いたら、ちょっと安心している自分がいた」
「再演で(アッキーが初演で取った)杉村春子賞をもらって、やっとこれで並んだとプライドが回復した」なんて、書いちゃってます。
いろんなインタビューで口にしていたことではありますが、すごい。
そして、ここまで素直に言えるってことは、もう、全然気にしていないってことですよね。








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きのうの影踏み

2015-12-22 23:17:12 | 読書・映画
この本、怖いです。

ホラーです。
血が噴き出すようなホラーじゃなくて、ぞわぞわするような怖さ。
人間の悪意みたいなものの怖さといった方がいいのかな?
心の奥底に秘めている残酷さとか、そういった怖さ。

ドキッとしたり、うわっ!と思ったり。

さくっと読めますが、いろいろ考え込んでしまう本でもあります。
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たくさん本を借りてきた

2015-12-21 17:26:15 | 読書・映画
仕事が一段落したので、本を借りてきました。
お正月休みに入る前に読み終えるのもあるだろうから、それは返して、また、新しい本を借り出す予定。

「ランチのアッコちゃん」は昨日のうちに読み終えて、もう返しちゃいました。
ドラマにもなってたみたいですが、「食べることは生きること」というテーマは、今、流行りなのかもしれませんね。
この小説は、食ぷらすビジネス講座といったところでしょうか?

食品の保存法なんていう、実用書が混じっているのも、ご愛嬌です。
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過ぎ去りし王国の城

2015-11-05 20:11:54 | 読書・映画
宮部みゆきさんのファンタジー・ミステリー?

不思議な中世の古城の絵の中に入っていく冒険ものかと思って読むと、ネグレクトとかスクール・カーストとか、苦い現実が絡んでいて、爽やかな気分にはなりません。
けれども、さすがに宮部みゆきさんだけあって、ぐいぐい読ませます。
中学生とか高校生くらいに向けて書かれているのかな?
少しだけ、希望が見えているのかな?
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何度でも、おかえりを言おう

2015-10-29 12:10:48 | 読書・映画
お勧めの本。

フランスのバルバラ・コンスタンティーヌという女性の作品。
まるで、こじゃれたフランス映画を観ているような、そんな小説です。
(ずっと映画の世界で働いてきた方のようです。)

こじゃれたといっても、登場人物の中心は、じじばば。
生まれたばかりの赤ん坊や、小学生の兄弟、20歳くらいの男女も出てくるけど、主人公は70歳のおじいちゃん。
息子夫婦が孫を連れて出て行った広い農家に猫と住んでいたのだけど、ちょっと勇気を出して、隣人や友人・知人を巻き込んで、みんなで共同生活を始める話。
「じじばば連帯」には、リタイアした老人だけではできない力仕事や専門性のある仕事のために、お金のない看護学生や、新しい農業を志す高校生も参加し、最後には、赤ちゃんまで誕生してしまいます。

いろんな悩みや心の傷を抱えた人々が、寄り添いながら生活する中で、もう一度活き活きと輝き出すなんて、なんたか嘘っぽいと思う人もいるでしょう。
でも、軽くユーモラスな語り口にのせられて読み進むうちに、人間って捨てたもんじゃないと思わせられる一冊なのです。

実は、まだまだ回収されてない伏線がいっぱい残っているので、続編も期待できそうです。
そこも含めて、なんだか気になる一冊。

ほっこりしたいあなたにお薦めの秋の一冊。
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