9.11同時多発テロを題材に世界の映画監督11人の9分11秒ずつ(たしか・・・)の物語です。主観的な良心の作品たちです。・・・正解は11分9秒でした。
泣いたのは、耳の聞こえない人が、同棲している男を好きで好きでたまらないのに愛しすぎていろいろ不安になって・・・それで別れようと勝手にぐるぐる判断して・・・・それをパソコンでお別れの手紙を書いているわけです。それと同時につけっぱなしのテレビが9.11のテロのニュースが流れているわけです。
そこには、その愛する男がガイドで行っているわけですけれど、そのテレビの音が彼女には聞こえないので、何がおきているかもわからないわけです。
で、男の人が体中砂まみれにして帰ってきたときに、「何があったの?」となるわけですけれども・・・いやあ・・・何を言っているかわかりませんね。まあ、見てください。
音のしない映像の中で、テレビのビルの映像に釘付けになります。
衝撃だったのは、やっぱりチリの民主的な政権をアメリカがクーデターを画策してつぶした事件。それも9.11だったそうです。そのときの被害者が9.11の犠牲者に手紙を送るという設定でチリのクーデターのことが語られていきます。
チリの希望に満ちた民衆による政権の映像、そして、それを一変させた軍事クーデター。そのきりかえのところでブッシュの9.11同時多発テロの時の「自由への挑戦だ」という演説が流れるわけです。そして、アメリカの介入とクーデター・・・アメリカ国家の「自由」が、アメリカの利益でありアメリカの自由でありことがよくわかります。
日本のやつは、まあ・・・へびです。
わざとらしい村人。
わざと、わざとらしくしているのかも。
聖戦はありえないとか何とか。
天皇陛下のためにお国のためにたたかって帰ってきた兵士は、魂を抜き取られ、戦場でも思いをはせていた女は寝取られて・・・それが聖戦の名のもとに成り立っているわけですね。村人のわざとらしさは、そういった国の仕組みの空虚な部分・・・?をあらわしているのでしょうか。
メキシコの人、今かなり活躍してる人のですよね。音と、飛び降りる人の映像でなんかすごい空間をつくっています。最後のがやがやした音はたくさんの魂が飛び交っているようでもあります。
イランのやつは、煙突から出る煙をビルに見立てて黙祷します。子どもの無邪気と、会話のシビアさのギャップがあの地域の現実を表しているのかも知れません。
アフリカのやつは、ビンラディンを捕まえて報酬をいただこうという子どもの話ですが、アラブの人はみんなビンラディン、イスラム教徒はみんなテロリストに見られてしまう現実を表現していると思います。そして、ビンラディンを捕まえただけで、ここの暮らしを良くできるという南北の格差といいますか・・・貧富の格差の矛盾があります。でも、さわやかです。
インドのやつは、じっさいに9.11後に行方不明になった人の話で、イスラム教徒だったばっかりにテロリストと思われてしまったようです。じっさいは、献身的に救助活動をしてなくなってしまったようです。
これで7個ですね。
ショーンペンのは、あまりどうでも良いような・・・ただのあほなおじいちゃんです。
ちょっと大げさすぎな感じです。9.11とのつながりもいまいちわからないです。ビルが崩壊してそのことで一年中光がささなかったアパートに光が入ってきて、枯れた花がそれで咲いて・・・そのときに奥さんがなくなった現実を悟るようですが・・・それと9.11の関係が良くわかりません。
もしかしたら・・・ビルの崩壊とともにアメリカ国民が世界の現実を知ることになったということなのかも。
ベイルートだかのテロでなくなった兵士の幽霊の話は、セリフはストレートですが・・・
あとは・・・イスラエルの街角テロの中継をしていたら9.11に吹き飛ばされたという話。あまり面白くなかったです。
もうひとつはなんだろう・・・
ああ、おもいだした。ボスニアヘルツエゴヴィナのやつだ。雰囲気が好きです。内戦のせいで家に帰れないきれいな女の人。9.11に何かあったんでしょうね。女性達でデモをしようと集まりますが、そこでこの事件。これで中止・・・いや、だからこそ出盛らなきゃってことです。雰囲気好きでした。
時計が中国製造になっていたのもかんか、いい雰囲気出してます。
9.11は、世界的な転換点と言う位置付けができるのかもしれません。
アメリカだけが唯一の超大国で、軍事力で世界を征服するということが通用しなくなった時代の始まりでもあるのかもしれませんね。
もちろん、テロを容認する立場ではありませんが・・・
アメリカだけが世界じゃないことに多くのアメリカ人や日本人が気付いたのかもしれません。