![]() | 完全なる首長竜の日 |
乾 緑郎 | |
宝島社 |
本屋でなんとなく目についてなんとなく買ってしまいました。
現実と非現実の区別のあいまいな世界。本当の現実は、こういうことだったのかという話ですが、ある程度予想はつきながらも、なんか憂鬱になってしまう終わり方です。この主人公はずっと孤独だったんでしょうか・・・
こういう悲しい、寂しい余韻も小説ならではなのかな?とおもいつつ・・・
![]() | バッテリー (角川文庫) |
あさの あつこ | |
角川書店 |
とても有名な本なので、何をいまさらな感じですが、これも古本屋でなんとなく手にとって100円という安さもあって買って読んでみました。
あっという間に読み終わってしまいましたが、心の中の叫びというか、葛藤というかいろんなものがあふれてくるような感じで、特に青波君の野球をやりたい思いというのは、野球をすることがこれからの人生を生きていくために自分にとってどうしても必要なものと思われるぐらいの強い意思を感じてボールを捜して家に帰ってこないところのくだりは泣けました。
おにいさんは見ただけですごい人というのがわかる設定です。でも、ここに出てくる豪君とか青波君とかも、一回見ただけではわからなくても、かなりすごいということを感じます。一人ひとりの子どもがそれぞれの個性を持っていて、それを伸ばすことができたら、すごくいいんですけどね。
子どもたちにうざったがれるお母さんですが、お母さんも率直で好感が持てます。
おにいさんって、自分のいる野球という範囲が世界、自分のいるマウンドが世界で、そこしか見えてなかったし、そこだけ見ていればこれまではうまくいっていたと思うんだけど、青波クンの変化とか、豪君との出会いの中で、明らかにそれまで考えていた世界の幅を広げざるをえなくなってきたんじゃないかと思うのです。2人のことをすごいやつだと思う瞬間があったりして自分が確立していた完璧なものがすこしずつ揺らいでいくというか・・・いい意味で自分を変えなくちゃいけなくなっていくんじゃないのかな?
なんておもいつつ・・・