同僚の科学者が自らの体を実験台にしてしまった。
実験は悲惨な失敗に終わった。
その結果、とんでもない化物を作り出してしまった。
同僚は体がドロドロに融合し合って醜い肉の塊になった。
生きてはいるが意識もなく動くこともできない。
見るにおぞましいホヤ貝のような肉塊になってしまった。
同僚は生命維持装置を付けられ、暫く観察されることになった。
数日後、私は夢の中で神の啓示のようなものを受けた。
次の日、それを実行すべく、直ちに同僚のオペにかかった。
肉の塊の表層を縦に、表から裏へぐるりと一回転に切り、マンゴー
の皮をひっくり返すようにして肉塊をプルンと裏返しにした。
すると、裏返した内部から無傷のキレイな同僚の体が出てきた。
切り口を縫い合わせ、同僚の回復を待つことにした。
そのとき、私はとてつもなく不吉な予感を覚えた。
前夜の神の啓示と同様に確信に満ちたものだった。
同僚は間もなく魔物になるという啓示だった。
同僚の回復は早かった。
半日で普通に歩けるようになった。
まだこの段階では今までと変わらぬ温厚な同僚だった。
私はさり気なくその場を離れると急いで自宅に帰った。
家族に事の真相を話すと遠出の準備にかかった。
海外まで逃げないとまずい。
日本が壊滅するのは時間の問題だ。
衣服や日用品をバックに詰め込むのだが家族の行動が遅い。
事態の深刻さが飲み込めていないようだ。
詰め込む物をあれもこれもと欲張っているうちに瞬く間に時間が
過ぎていった。
まずい、早く逃げ出さなくては。
たまりかねた私は激昂して家族を無理やり家から出した。
大量の荷物を抱え込み、私は先に車へ向かった。
駐車場の脇にピンクの見慣れぬ車が停めてあった。
その運転席からあのホヤ貝だった同僚が下りてきた。
助手席からは見知らぬ女が下りてきた。
まがまがしい凶暴な笑みを浮かべる同僚。
片手には大きな銃器のようなものを抱えていた。
横にいる女もなにか銃器のようなものを握っていた。
やばい、私は荷物を放り投げ、とっさに車に乗り込んだ。
ギアをバックに入れ、急発進しようとしたとき、女が銃器を構えて
水のような液体を放射してきた。
ハンドルを大きく切って液体を避けると猛スピードで後方に逃げた。
同僚が大きな銃器のようなものをこちらに向けた。
凄まじい炎が噴射してきた。
同僚が手にしているは火炎放射器だった。
炎が大きな弧を描いて車に襲ってくる。
同時に女が放射した液体に炎が引火した。
地面を這うようにして炎が襲ってくる。
私の車を炎が天と地から挟み撃ちにする。
アクセルを全開にして間一髪炎を振り切った。
同僚の姿が見えなくなるまで猛スピードで車を後退させた。
逃げ切ることはできたが、家族の行方がわからなくなった。
と、いうところで目が覚めた。
久々に見たムービー調の夢だった。
人間を裏返しにするとは、夢のやつ侮れない空想力だと思った。
実験は悲惨な失敗に終わった。
その結果、とんでもない化物を作り出してしまった。
同僚は体がドロドロに融合し合って醜い肉の塊になった。
生きてはいるが意識もなく動くこともできない。
見るにおぞましいホヤ貝のような肉塊になってしまった。
同僚は生命維持装置を付けられ、暫く観察されることになった。
数日後、私は夢の中で神の啓示のようなものを受けた。
次の日、それを実行すべく、直ちに同僚のオペにかかった。
肉の塊の表層を縦に、表から裏へぐるりと一回転に切り、マンゴー
の皮をひっくり返すようにして肉塊をプルンと裏返しにした。
すると、裏返した内部から無傷のキレイな同僚の体が出てきた。
切り口を縫い合わせ、同僚の回復を待つことにした。
そのとき、私はとてつもなく不吉な予感を覚えた。
前夜の神の啓示と同様に確信に満ちたものだった。
同僚は間もなく魔物になるという啓示だった。
同僚の回復は早かった。
半日で普通に歩けるようになった。
まだこの段階では今までと変わらぬ温厚な同僚だった。
私はさり気なくその場を離れると急いで自宅に帰った。
家族に事の真相を話すと遠出の準備にかかった。
海外まで逃げないとまずい。
日本が壊滅するのは時間の問題だ。
衣服や日用品をバックに詰め込むのだが家族の行動が遅い。
事態の深刻さが飲み込めていないようだ。
詰め込む物をあれもこれもと欲張っているうちに瞬く間に時間が
過ぎていった。
まずい、早く逃げ出さなくては。
たまりかねた私は激昂して家族を無理やり家から出した。
大量の荷物を抱え込み、私は先に車へ向かった。
駐車場の脇にピンクの見慣れぬ車が停めてあった。
その運転席からあのホヤ貝だった同僚が下りてきた。
助手席からは見知らぬ女が下りてきた。
まがまがしい凶暴な笑みを浮かべる同僚。
片手には大きな銃器のようなものを抱えていた。
横にいる女もなにか銃器のようなものを握っていた。
やばい、私は荷物を放り投げ、とっさに車に乗り込んだ。
ギアをバックに入れ、急発進しようとしたとき、女が銃器を構えて
水のような液体を放射してきた。
ハンドルを大きく切って液体を避けると猛スピードで後方に逃げた。
同僚が大きな銃器のようなものをこちらに向けた。
凄まじい炎が噴射してきた。
同僚が手にしているは火炎放射器だった。
炎が大きな弧を描いて車に襲ってくる。
同時に女が放射した液体に炎が引火した。
地面を這うようにして炎が襲ってくる。
私の車を炎が天と地から挟み撃ちにする。
アクセルを全開にして間一髪炎を振り切った。
同僚の姿が見えなくなるまで猛スピードで車を後退させた。
逃げ切ることはできたが、家族の行方がわからなくなった。
と、いうところで目が覚めた。
久々に見たムービー調の夢だった。
人間を裏返しにするとは、夢のやつ侮れない空想力だと思った。