時、うつろいやすく

日常のたわいもない話…
だったのが、最近は写真一色になりつつある。

柳川の夜道

2016-01-04 00:05:29 | 日常

1月3日、PM8:20。

柳川で立花うどんを食べた帰りのこと。

家族を乗せて寂れた路地を走行する。

道が狭くて対向車との離合に苦労する。

道の両側には、田んぼを挟んで古びた民家がぽつりぽつりと立ち並ぶ。

中に人はいるようだが、どの家も空家のように生気がない。

ここには道を照らす街灯すらない。

あまりの暗さにヘッドライトを上向きにする。

ほんの10メートルくらい先に道を歩く人がいた。

グレーのコートを着ているせいで完全に闇に溶け込んでいる。

まだ20代とおぼしき女性である。

この暗い道を明かりも付けずに歩いている。

女性を通り過ぎる際にオカンがいう。

「この人、電池も持たんで歩きよる」

いわんとすることはわかる。

それでも一言いわずにはいられない。

「電池や」

オカンが「うっ」となる。

もう一度繰り返す。

「電池や」

オカンがもごもごいっている。

言葉を探してる。

数秒後、答えを得たかのような返事がくる。

「懐中電池のこと」

私はあざ笑うかのようにいい放つ。

「懐中電気やろもん」

オカン、そのまま無言になる。

いくらもしないうちに、後部座席にいる娘が口を出す。

「懐中電灯じゃなかと」

・・・

たしかにそうともいう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする