落札してしまった。
『〇〇〇〇道の駅新築工事設計委託業務』。
落札金額は1000万円(税別)。
ライバルには自分が取ると宣言していたもののいざ落札したら青ざめてしまった。
あまりにも大きい。
期限に間に合わせる自信がない。
なんで取る前にそのことを考えなかったのか。
いまさら後悔しても遅い。
まてよ。
なんか変だぞ。
別の民営の道の駅はすでに私が計画している。
それなのに今度の入札は公営の道の駅。
まったく違う物件とはいえ、道の駅の設計がこうも重なるものかいな。
もしやこれは夢?
話が不自然すぎやしませんか。
いや、いや、いや、夢にしてはリアルすぎる。
床にばら撒いたこの入札用紙の紙屑を見たまえ。
これほどまでに鮮明な夢があろうか。
これはどこをどう見ても紙屑である。
念のため、紙屑を手に取って質感を確かめてみる。
まちがいない。
これは正真正銘の現実である。
さあ困った。
どうしよう。
ただでさえ仕事に追われているのに、そこに大きな道の駅が二つ。
ぜったい無理だって。
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結局夢だった。