月の瓶詰~ブログ版~

こぼれゆく時の欠片を瓶詰に。

小説『源氏の流儀』の感想(と称した妄想)。

2012-06-03 16:26:40 | モノガタリ
ちょっとっ!
せっかく&ようやくの保元の乱なのに、視聴率が低下するって…


シンジラ~レナ~イ。


…なんてモノマネを繰り返していた今日この頃。
高橋直樹さんの『源氏の流儀』(文春文庫・書き下ろし)を読み終えました。
一応「源義朝伝」と副題がついているのですが、
どうも…作者は頼朝さんびいきではないかな、という気がします。
義朝さんも清盛さんも、描き方にそれぞれ敬意は感じられるけれど、
いささか筆が乗っていない気がするんですよねえ。


あの…


腹黒&屈折している登場人物こそ、高橋作品の真骨頂だと思うのです。
きっと、義朝さんも清盛さんも、高橋直樹さんが描くには大らかすぎたのでしょう。
腹黒&屈折のデパートな『鎌倉擾乱』は、本当に素晴らしい短編集でした。
なのに、いつの間にか絶版のようで…。文春文庫への復活を希望します!
永井路子さんの『はじめは駄馬のごとく』も是非!(…とここで言ってもしょうがないか。)


ところで。
作中、義朝さんの関東訛りについて描かれていたのが
とても嬉しかったです。
私も常々思っていたんですよね~。
正確には、義朝さんではなく頼朝さんについてそれを考えていたのですが。
いつまでもシティボーイのつもりな頼朝さんに対して、

「いやあ、都言葉がお上手ですね。まったく訛りが気になりませんよ」

…なんて、宗盛さんあたりが言いそうだなと。
宗盛さんに悪気はないのですが、頼朝さんは大ショックです。

「『上手』って…、オレ、京の人間だし!正真正銘のイケてる都会人だし!
 『気になりません』って、そもそも訛ってネェから!」と。


…うん?これって小説の感想というより、私の単なるもーそーネタでは…(^^;