rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

機械が意思を持ち始める社会

2021-01-14 19:35:50 | 社会

奇才スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」では、猿人が武器を持ち始める瞬間、木星に向かって惑星旅行する宇宙船を統括するコンピュータHAL(IBMの1文字手前)が人格を持ち始めて人間を支配し始める瞬間が描かれ、そのイノベーションの象徴として黒い板状の金属柱「モノリス」が描かれていました。

Space odyssey 2001の猿人とモノリス      意思を持ち始めるコンピューターHAL

 

21世紀の現在、コンピュータは小学生でもスマホとして扱えるようになり、各人が情報を伝達、交換する手段として必須の道具として用いるようになりました。日用品の購入や仕事上の売買にも仮想空間が店舗の代わりとして使用され、現実社会の小売業のありようも変化しています。昨年来の新型コロナ感染症パンデミックは、実際の人の移動・往来まで制限するようになり、仮想空間における自分の存在はほぼ現実社会における存在と同等の価値を持つようになったと言えるでしょう。

 

その仮想空間におけるヒトの存在をあらしめる媒体は「アカウント」と呼ばれ、購買(アマゾンや楽天)、会議(ズーム)、情報発信と交換(電話番号、アドレス、ブログやツイッター、フェースブックなど)それぞれに「個人用のアカウントを設ける」事で「仮想空間における自分の存在をあらしめる事」が可能になっています。そのアカウントを作製する基盤となるものはIT企業が提供するプラットフォームと呼ばれるシステムで、誰でも容易に利用できることでその業種における標準(スタンダード)になり、そのプラットフォームに広告を他の企業が出したり、広告費用として検索した際に上位に結果として出るようにしてもらうことで提供するIT企業は莫大な収入を得ています。

 

我々は各人が操るコンピュータ(スマホも)という人格のない機械を相手にしているので、ネット上にアカウントを設ける事もほぼ機械的操作のみで完了すると考えています。またアカウント上で自分がどう振舞うかも自分の意思でコンピュータを操作することでコントロールできると考えています。うまく行かない場合はシステムの不具合か、自分の操作方法が悪いせいだろうと考え、機械が意思を持ってこちらの操作を妨害しているなど「ありえない」と考えます。ネット空間を利用するにしても、悪意あるウイルスや詐欺目的のメール、ウェブサイトなど注意する必要があり、また個人が情報発信する際にも社会常識的な制限は当然守らなければいけません。ただこれらはコンピュータを操る本人が認識してコントロールできるものです。

 

米国では2021年1月6日の大統領選挙の選挙人票集計における上下両院合同会議において、トランプ支持者が議事堂に乱入したとされる事を受けて、トランプ氏、側近、その支持者達に対しても本来機械的存在で意思を持っていないと考えていたプラットフォームが意思を持って特定の思想、思考を持つヒトや意見を排除するということを始めました。「暴力やテロを防ぐ」というもっともらしい理由は付いていますが、排除の選別方法は「機械的」であり、始めに記したキューブリックのコンピュータの暴走と変わりません。

 

合法性や処罰の判断は、「裁判」であれば原告側に検事、被告側に弁護人、中立の判事がいて、それぞれの言い分を法に照らした上で中立な判事が判定して客観的に裁定されるのでどのような結果でも「まあ納得」がゆくものです。しかし行政罰にもその面がありますが、この機械による排除は「執行する側である検事と裁判官が同一」であり、しかも弁護士はいません。これは「非常に危険な状態である」とまともな思考ができるヒトであれば考えます。2001年宇宙の旅では、HALに声を聞かれないようにカプセル宇宙船に入って人間同士が相談しますが、HALに唇の動きを読まれて気付かれてしまいます。You Tubeではトランプを虎とか寅とか言い換えて不正選挙も別の言い方にするなどして「機械」を騙そうと努力していますが、deep learningの進んだコンピュータに対しては限界があるようです。我々はこれから先「意志を持った機械」と対峙して生きてゆかねばならない時代に突入したようです。

生活に必要な物資の購入も、現在は機械的にできていますが、今後「特定の思想や思考をするヒトには物を売らない」という判断をプラットフォームがしてくる可能性もあります。「そんな馬鹿な」と現在は思うでしょうが、1年前までは海外旅行や国内旅行まで自由にできなくなると言えば「そんな馬鹿な」と言ってたはずです。2020年の状況をrakitarouは「仮想の現実化」と「現実の中国化」と表現しましたが、検事と判事を同一にして弁護人を付けずに思想を機械的に取り締まるのはまさに共産中国のやり方です。この現実に危機感と異議を表明せず、「自分の嫌いなトランプが締め出されているから別に良いじゃん」と考えている様なレベルの人は、知性が劣化した本格的な阿呆であり、今後どんな偉そうな事を言っても私は言論人として認めません。

2020年に米国の砂漠に出現したモノリス    カリフォルニアに出現した第三のモノリス       ルーマニアに出現したモノリス

 

「機械が意志を持ち始める」というイノベーションを象徴したのか、昨年暮れに世界各地で「モノリス」様の建造物が出現して話題になりました。それらは自然に消失してしまったようですが、真に象徴的な出来事であったと思います。


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6 コメント

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支離滅裂 (宗純)
2021-01-15 10:48:25
天才キューブリックが考えていた未来では、20年も前に人類は火星往復が出来る科学技術力を持っていると思っていた。手塚治虫の鉄腕アトムの誕生は2005年なので15年も前。

アトムはともかく宇宙開発が停滞したのはアメリカ大統領ニクソンのアポロ11号のお馬鹿パフォーマンスであることは明らかですよ。アポロの月からは小さな星どころか頭上に輝く巨大な地球が見えなかった。基本的に笑い話

しかも、現在月面探査など宇宙開発で世界で一番は中国なのですから、当時を知っている者にとっては悪夢というか爆笑というか。
大人の常識から、絶対に起きないことが今、現実に起きているのですから無茶苦茶。

日本ではメディアが世界最高の富岳で解析したら云々と盛んに新コロ騒動を煽っているが、いくら計算が早くともゴミを入力すればゴミしか出てこない。ほぼ詐欺

ツイッターのドーシー最高経営責任者(CEO)は13日、トランプ米大統領のアカウントを永久凍結したことは
「正しい決定だった」と述べた一方、
自由に意見を交わす場としてツイッターを運営する方針からみれば「失敗だった」
「(アカウント凍結は)公の場での対話を分断し、危険な前例となる」ともう無茶苦茶。

完璧に矛盾しているというか、自分で自分の主張を否定していた
脳みそが腐っているとしか言いようがない
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トランプ大統領による機密解除 (宗純)
2021-01-15 14:34:50
民主党やリベラルメディアが何故かトランプ一人を標的にして延々とバッシングしていたのですが、今回はとうとう2回目の弾劾決議を無理やり押し通す。しかも1回目の2019年も今回も反対票は197票とピッタリ一致していた。賛成票は1回目230で今回232とこれもほぼ一致

実はトランプの5年前の公約は何も特別なものは無い。大統領予備選挙2位のテッド・クルーズにしろ3位のマルコ・ルビオにしろとランプとほぼ同じ。そもそも国境の壁は共和党ブッシュ政権が始めて民主党オバマ政権が本格的に建設したもの。決してトランプ一人の話ではないのに、何故かトランプ一人をバッシングしていたのですから、当然何かの裏があると睨んでいたのですが、その一つが大統領権限での機密情報の解除。半世紀前のケネディ暗殺の解除を土壇場で思い止まって大勢を残念がらせたが、
何とUFO関連の機密情報は全部解除するらしいですよ。
実はUFO騒動は1947年が最初、今では日本の芸能人の持ちネタの一つだが、アメリカ限定の騒ぎで、米ソ核戦争(冷戦)と関係していたらしい。
当時のアメリカでしかUFOの目撃情報がなかったのですが、「宇宙人は文明が一番発達しているアメリカを偵察している」と理由付けしていたらしいのですから大笑い。
アメリカだけで目撃された空飛ぶ円盤の正体ですが、たぶん、先制奇襲攻撃の大陸間弾道弾ミサイルのノーズコーンの開発を行っていたのでしょう。
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選挙不正から体制変換の問題へ (rakitarou)
2021-01-15 16:02:57
宗純さん、コメントありがとうございます。矢追さんの時代からの不思議大好き人間としては宇宙人問題も興味あるところです。
昨年末の時点では、不正選挙の証拠を暴いてトランプを正式に再選させるかどうかが焦点だったと思われるのですが、1月6日を過ぎてからの民主党の異常なまでの慌てぶりから、ここ数日のネット情報などを見るにトランプ勢力vs Deep state側の戦いに本格的になってきている様に見えます。DCは実質完全武装の米軍で占拠されていますし、戒厳令に近い状態。どう見ても焦っているのはDeep state側のようで、華やかな次期政権立ち上げの紹介といったものが全く行われない。カマラ・ハリスも上院議員を辞めない。本来ならば毎日の様にバイデンがメディアなどで情報発信をしていなければ嘘ですが、殆どやる気ない感じです。
ディストピアにならない方向への展開を期待して、この先数日を見てゆきたいと思います。
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Unknown (山童)
2021-01-15 21:26:22
アルゴリズムは意思や意識ではないと思いますが。
プラットフォームが思想的な選別をしているにせよ、それは機械が意識を持ち意思としてやっている事ではありませんね。あくまで、そのようにアルゴリズムを設定されていての事ですね。つまり背後には人間つまり個人もしくは組織の関与がある。プログラミングされた内容でうごいので、機械に意思や意識が宿り選別している訳ではない。
未来については知りませんが、現況、機械が意思を持って、個として(人格として)やっているとは思えず。
正直、記事の意図が解りません。
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Unknown (山童)
2021-01-15 21:40:53
なぜこのようなツッコミを入れるかと言うと、私は信仰を持つ者だからです。知性について論を持たれるのは自由なのですが、それならば
先生の知性、意識、意思といったものについての、最低限の前提をしてからになさって欲しいのですね。
これてあるとAIが意思を持った存在とも受け取れ、そこのところを曖昧に言われるのは、宗派・宗教の違いを問わず、信仰ある人間としては
良い気分がしません。
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シンギュラリティではない (rakitarou)
2021-01-16 07:47:31
純粋にAIが意思を持つシンギュラリティではないことは100も承知です。低劣な人間によるプログラミングです。ただ機械に向かっている我々一般人はコンピュータープラットフォームを無人格のものとして扱ってきませんでしたか?という問いかけ。
スタートレックにおいてデータ(少佐)の双子の兄であるローアが感情を持つようになるのですが、そこでも自然に持つのではなくで製作者のスーン博士の意図が隠されていたという展開がありました。シンギュラリティも実はその裏にヒトがからむという意味では今回のこともその一歩手前として十分警鐘に値する事柄と私は愚考します。
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