rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

映画 帰ってきたヒトラー感想

2018-03-27 00:32:43 | 映画

映画 帰ってきたヒトラー(Er ist wieder da) 感想

 

2015年ドイツ ターヴィト・ヴネント監督 オリバー・マスッチ主演

 同名の小説の映画化で、敗戦間近のベルリン地下要塞から突如現代にタイムスリップしてきたヒトラーが、現代ドイツのありように困惑しつつも移民問題、経済問題などヒトラーが政権を獲得した当時との類似点から彼としては大真面目に現代のドイツ国民にヒトラー思想を鼓舞するというストーリーです。初めは喜劇役者の道化とバカにしていた周囲も本物のヒトラーの大衆を魅了する演説に次第に引き込まれて本当に再び彼を総統に選んでしまうのではないかという危機感を持ってしまいます。

 

     本物の政党党首も出演      聴衆を魅了させる演説

 

 この映画の見所は「本物のヒトラーがタイムスリップした」という設定で映画(フィクション)を作っているという設定のドキュメンタリーに一部仕立てている所で、本物のドイツネオナチ政党の党首や右派政党の党首と政治談義対決をしている所です。「本物という設定」でオリバー・マスッチがヒトラー節をまくしたてるのでネオナチの党首もタジタジであり、インタビュアーの「あなたは彼の命令に従いますか?」の問いに「カメラを止めろ・・、彼が本物ならば従うね。」と返す所などが秀逸。ヒトラーの扮装でオリバー・マスッチが民衆に愛嬌を振りまくエンディングでは面白がって手を振る人、指を立てて嫌悪を示す人、ヒトラー式の敬礼で答える人など様々で「きわどい題材で良く映画を作った」と言えそうです。一番印象に残った場面は、初めてテレビに出演した時に1分以上も沈黙を守って聴衆を惹き付けておいてからテレビ局が作ったユダヤ人を揶揄した台詞などを破り捨てて「このような低俗な番組に意味はない・・現在のドイツの様はどうだ・・」と大衆を煽動する一流の演説で聴衆を虜にしてしまう場面でしょうか。「君たち(国民)が私を総統に選んだのだよ。」という後の台詞の重さが生きてきます。


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