東国原英夫・前宮崎県知事(53)の動きが慌しい。一部に「25日にも東京都知事選(4月10日投開票)出馬で正式表明する」との報道がある一方、衆院選出馬の憶測も流れる。21日には、民主党の小沢一郎元代表(68)に近い原口一博元総務相(51)と会談し、原口氏が来月に立ち上げる政治団体「日本維新の会」との連携をブチあげた。石原慎太郎都知事(78)の不出馬情報が流れる中、希代の劇場型政治家は、どんな勝負を仕掛けるのか。
「私は労を惜しまない。微力だが汗を流させていただく」
東国原氏は、永田町政局のキーマンに躍り出た原口氏との会談でこう語った。都知事選をあきらめ、菅直人首相の「ぶち切れ解散」を見すえて衆院選への出馬に舵を切ったとも受け取られた。
だが、東国原氏周辺は「両にらみだと思う。彼は事あるたびに『あらゆる可能性を否定しない』と語り、都政の課題も勉強している。決断はギリギリまで先延ばすだろう」と語る。
関係者の話などを総合すると、東国原氏のプランAは《都知事選に出馬して当選。その後、都知事を何期かやって国政に転進》。プランBは《万が一、都知事選で負けても、かなりの集票で2位ならば、一息入れて衆院選出馬して国政へ》だったとみられる。
こうした方針で準備を進めてきたが、鳩山由紀夫前首相の「米海兵隊抑止力は方便」失言で社民党が激怒。さらに、小沢氏に近い比例単独議員16人が会派離脱を表明し、3月末の2011年度予算関連法案の成立は絶望的に。
永田町は、にわかに「4月解散総選挙」という暴風雨が吹き荒れそうな気配が漂ってきた。
名古屋市の河村たかし市長に近い人物は「東国原氏は、都知事選と総選挙の時期がズレると思っていた。この急激な動きは予想外。どちらを選ぶかでハムレットの心境ではないか」という。
いずれに転んでも、東国原氏の方向性はハッキリしている。ひんぱんに会合を重ねている大阪府の橋下徹知事の地域政党「大阪維新の会」や、河村氏の地域政党「減税日本」などと連携を取っての天下獲りだ。
自民党ベテラン議員は、東国原氏の今後をこう読む。
「都知事選と衆院選がダブル選挙となれば、宮崎1区から衆院選に出馬するだろう。例えば、地域政党『宮崎維新の会』を立ち上げて、原口、橋下、河村各氏と連携していく。視野の先には、民主党と自民党を巻き込んでの政界再編も入っているはずだ」
最近、東国原氏は、永田町の議員会館近くのパレロワイヤル永田町に事務所を構えた。ここはかつて、「政界のドン」こと自民党の金丸信元副総裁が拠点にしていたことで知られ、天下獲りの“居城”としては申し分ない。東国原氏の動き次第で、「永田町・春の陣」はさらに激しくなりそうだ。
いずれにしても、期待できないってことですよね