おはようございます!
良い天気、花粉も盛りだくさん(涙)な湘南地方です。
早いもので3月最後の金曜日。
そしてとうとう「プロ野球公式戦開幕」!!
いやー、春が来た、という感じです。
さて、今日はこんな記事。
(withnewsより引用)
==========================
ペヤングが密かに「ペユング」を商標登録、新商品の可能性は?
「ペヤングソースやきそば」で知られる、まるか食品(本社・群馬県伊勢崎市)。
今月14日に廉価版にあたる「ペヨング」を発売して話題になったばかりですが、
「ペユング」という名称の商標登録を出願していたことがわかりました。
(中略)
どういう狙いで出願したのか? まるか食品の広報担当者に聞いたところ、以下のような回答でした。
「他の会社さんに商標登録をされたら困るので出願しました。
現時点では『ペヤング』と『ペヨング』の間をとった商品を出すといった企画はありません」
今のところ、新商品が出る可能性は低いようです。
==========================
(引用終わり)
※今朝JPlatpatで検索してみたものの、「ペユング」での出願情報はアップされていませんでした。。
どーやって知ったんだろ?標準化データになる前の公報をダイレクトに見て漁ったのかな?
こういう防衛的な出願で思い出すのは、
かつて「トリビアの泉」でも取り上げられた「G-Shock」でしょう。
カシオは「A-Shock」から「Z-Shock」まで全て出願していた、
というのは、知財業界の人でなくても知られているところかと思います。
ところで、こういう防衛的な出願、どれだけ意味があるのでしょう?
(1)「ペユング」だと、「ペヤング」や「ペヨング」と紛らわしいから
他人が出願しても登録にならないんじゃない?という考え方があります。
確かに、商標の後願排除効は、「同一」だけでなく「類似」まで及びます。
しかし過去の審決例をさっと見てみると、
[ヤ]と[ユ]の音のみの違いではそもそも審判に上がった事例がなく
(つまり類否が問題になるまでもなく非類似。唯一「モンターニュ」と「モンターニャ」の類否が争われ、
これは類似との判断。)
[ヨ]と[ユ]の音のみの違いでの審決例4件中3件が非類似判断、
残りの1件は片方が周知商標(=「YONEX」)なのであまり参考にならない。
そうとすると、確かに「ペヤング」「ペヨング」だけでは、他人の「ペユング」を排除できない、
という可能性が高そうです
(もちろん「ペヤング」の周知性に基づいて具体的な混同可能性を認めてくれる可能性はあります。
が、第三者が出願した案件のなかで審査官が能動的にこうした認定をするかというと未知数です。)
その意味で、“防衛したいなら出願しておくことに意味はある”といえます。
(2)一方で、その手当てで万全か?という問題があります。
まるか食品さんは、今のところ商品として「ペユング」を出す予定は無いようです。
商標は、登録されても一定期間使用をしていないと審判により取り消されてしまう可能性がありますから、
せっかく予防的に出したとしても一定期間(継続して3年)使用していない場合、
無駄になってしまうこともありえます。
そういうわけで、商標の防衛的な出願、というのは、
その必要性と効果とを見極めた上で行う必要があります。
100%無駄、というわけではないですが、出願したから大丈夫!ではない、ということは
気を付けておきたいところです。
良い天気、花粉も盛りだくさん(涙)な湘南地方です。
早いもので3月最後の金曜日。
そしてとうとう「プロ野球公式戦開幕」!!
いやー、春が来た、という感じです。
さて、今日はこんな記事。
(withnewsより引用)
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ペヤングが密かに「ペユング」を商標登録、新商品の可能性は?
「ペヤングソースやきそば」で知られる、まるか食品(本社・群馬県伊勢崎市)。
今月14日に廉価版にあたる「ペヨング」を発売して話題になったばかりですが、
「ペユング」という名称の商標登録を出願していたことがわかりました。
(中略)
どういう狙いで出願したのか? まるか食品の広報担当者に聞いたところ、以下のような回答でした。
「他の会社さんに商標登録をされたら困るので出願しました。
現時点では『ペヤング』と『ペヨング』の間をとった商品を出すといった企画はありません」
今のところ、新商品が出る可能性は低いようです。
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(引用終わり)
※今朝JPlatpatで検索してみたものの、「ペユング」での出願情報はアップされていませんでした。。
どーやって知ったんだろ?標準化データになる前の公報をダイレクトに見て漁ったのかな?
こういう防衛的な出願で思い出すのは、
かつて「トリビアの泉」でも取り上げられた「G-Shock」でしょう。
カシオは「A-Shock」から「Z-Shock」まで全て出願していた、
というのは、知財業界の人でなくても知られているところかと思います。
ところで、こういう防衛的な出願、どれだけ意味があるのでしょう?
(1)「ペユング」だと、「ペヤング」や「ペヨング」と紛らわしいから
他人が出願しても登録にならないんじゃない?という考え方があります。
確かに、商標の後願排除効は、「同一」だけでなく「類似」まで及びます。
しかし過去の審決例をさっと見てみると、
[ヤ]と[ユ]の音のみの違いではそもそも審判に上がった事例がなく
(つまり類否が問題になるまでもなく非類似。唯一「モンターニュ」と「モンターニャ」の類否が争われ、
これは類似との判断。)
[ヨ]と[ユ]の音のみの違いでの審決例4件中3件が非類似判断、
残りの1件は片方が周知商標(=「YONEX」)なのであまり参考にならない。
そうとすると、確かに「ペヤング」「ペヨング」だけでは、他人の「ペユング」を排除できない、
という可能性が高そうです
(もちろん「ペヤング」の周知性に基づいて具体的な混同可能性を認めてくれる可能性はあります。
が、第三者が出願した案件のなかで審査官が能動的にこうした認定をするかというと未知数です。)
その意味で、“防衛したいなら出願しておくことに意味はある”といえます。
(2)一方で、その手当てで万全か?という問題があります。
まるか食品さんは、今のところ商品として「ペユング」を出す予定は無いようです。
商標は、登録されても一定期間使用をしていないと審判により取り消されてしまう可能性がありますから、
せっかく予防的に出したとしても一定期間(継続して3年)使用していない場合、
無駄になってしまうこともありえます。
そういうわけで、商標の防衛的な出願、というのは、
その必要性と効果とを見極めた上で行う必要があります。
100%無駄、というわけではないですが、出願したから大丈夫!ではない、ということは
気を付けておきたいところです。