弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

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【知財記事】看板を質入れすると…

2017年07月28日 08時25分39秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
今日は良い天気!洗濯日和!な湘南地方です。

さて、今日はこんな記事。

朝日新聞DIGITALより引用)
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シャープ商標、中国大手が継続使用の方針 米テレビ市場

家電大手シャープが中国の家電大手海信(ハイセンス)集団に対し、米国などで「シャープ」「アクオス」の商標のテレビを販売するのをやめるよう求めている問題で、海信の海外部門幹部は27日、今後も商標を使い続ける方針を明らかにした。

海信の国際事業担当子会社のアレックス・チュー副社長が同日、朝日新聞記者らの取材に応じた。チュー氏は「海信は契約を大切にしている。これまで通り(商標を譲渡された)契約を履行したい」と述べた。

シャープは経営不振で2015年末、米国でのテレビ販売から撤退。20年末までの米国などでの商標使用権を海信に譲渡した。その後、台湾の鴻海精密工業に買収されたシャープは今年4月、低品質の製品で評判を下げたなどとして、海信に商標利用の契約打ち切りを通告。米国で訴訟を起こしていた。

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(引用終わり)

契約内容がオープンになっているわけではないので何とも言いにくいですね。
契約上品質保持義務が記載されていたりするのかな。

所感:
・「シャープ」「アクオス」のブランドは少なくとも米国市場において顧客吸引力を有するものであったし、現在もそうであることに驚き。
 (「低品質の製品」であってもそれを購入する層が一定数いるから良くも悪くも評判が立つ)
 企業業績と商品品質の良し悪しは、需要者の意識としてはあまり連動しないのだなぁ、と。

・「低品質の製品で評判を下げたこと」の立証ってどうするのかな。やっぱり契約上明記されているのかな。

・使用権譲渡は被買収前のことなのね。自社ブランドまで売りに出す…「黒夢」が競売されたのを思い出してしまった。
 中の人、twitterで面白いことつぶやいてる場合じゃなくない?
 (ちなみに、昨日「洗濯の様子がスケて見えるタテ型洗濯機」が発売だったようです…ちょっと楽しそう)

・鴻海としても買収の段階でこの契約はどこかで打ち切ろうと考えていたんじゃないかな。

・いずれにしても、こういうすったもんだを経てしまったあとのブランド再構築って簡単じゃないよな…結論がどっちになるにしても
 果たしてこれまでの価値を維持できるんだろうか…?

看板をいったん質入れしてしまうとそのままでは帰ってこない、ということですね。
本件は引き続きフォローしたいと思います。
コメント
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