弁理士『三色眼鏡』の業務日誌     ~大海原編~

事務所開設13年目!
本ブログがKindle本に!「アマゾン 三色眼鏡」で検索!!

【知財記事(商標)】羽織模様のその裏で

2020年07月20日 08時49分13秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
今日は暑くなりそうなことを予感させる空模様な、@湘南地方です。

さて、今日はこんな記事

(livedoorNEWSより引用)
===================
「鬼滅の刃」キャラの羽織柄が商標出願、ファン困惑「伝統的な着物の柄なのに…」

人気作品『鬼滅の刃』のキャラクターが着ている羽織の柄が、商標出願されていたことがわかり、ネット上で困惑が広がっている。
出願されたのは、竈門炭治郎(かまどたんじろう)、竈門禰豆子(かまどねずこ)、我妻善逸(あがつまぜんいつ)、冨岡義勇(とみおかぎゆう)、胡蝶しのぶ(こちょうしのぶ)、煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅろう)ら、6人のキャラクターが着ている羽織の柄だ。
いずれも、版元の集英社が6月24日、商標出願していた。

(以下略)
===================
(引用終わり)

J-Platpatで検索しても、整理標準化データとしてはまだヒットしません。
なので各商標図柄はこちらのサイトを参照してください。

一大ブームを引き起こした「鬼滅の刃」。
当方もご多分に漏れず、stayhome中にアニメを観てしまいました。
単行本ベースで追いかけているけど、来月で最終巻、なのかな?
かつてのジャンプにありがちな引き延ばしが無く、ストーリーとして奇をてらうところもなく、
読み心地の良い作品。

とまあ、それはさておき。

「商標って『マーク』じゃないの?羽織の柄なんて『マーク』じゃないのに登録になるの?」
と思う向きも少なからずいると思います。

この点、商標法審査基準(第3条第1項第6号=要は“誰の商品/サービスか分からない商標は独占させないよ、という規定”)
では「地模様」について以下の通り規定されています。

7.地模様からなる商標について
商標が、模様的に連続反復する図形等により構成されているため、単なる地模様として認識される場合には、本号に該当すると判断する。
ただし、地模様と認識される場合であっても、その構成において特徴的な形態が見いだされる等の事情があれば、本号の判断において考慮する。


「本号に該当する」=登録を受けることができない、ということ。
つまり“単なる”地模様だと、登録を受けることができない。

その一方で、以下のような登録例もあります。

①登録第6014007号

②登録第5515006号

③登録第5394671号

つまり一見「地模様」と思しき外観であっても、
特徴的な図形と認識される場合
(=①。“T型形状をモチーフとした図形を並べて『長方形』を構成した特徴的図形”と認定。この認定で登録された場合に、第三者が「地模様」として使用している場合に効力が及ぶのかは疑問)や、
特定の出所(伊勢丹とかポールスチュアートとか)に係る商品/サービスであると認識される場合(②、③)は
「“単なる”地模様」でなく登録される余地があると言えます。
もっとも、上記はいずれも拒絶査定不服審判を経て登録に至っているものです。
原則的な判断としてはやはり「地模様」は独占性がない、というところからスタートするとみてよいです。

そうとすると、今回の羽織模様の出願も炭治郎、禰豆子、善逸(←個人的に善逸のキャラクターは大好き。どうでもよいけど)の柄は
登録を受けるのは厳しそう。
集英社自身の出所表示として広く認識されているわけでもないですしね。
冨岡さん、しのぶさん、煉獄さんの柄は、地模様というよりは全体で一つの図形、マークと認識されると思われるので登録の可能性がありそう。

ちなみに。
「鬼滅の刃」文字商標については既に登録済(登録第6260437号)。
鬼滅関連の語として「柱」が出願中(出願日:6/16、商願2020-74366)。
今のところ「呼吸」とか「鬼殺隊」とかは出願されていないようです。
顧客吸引力の高いコンテンツですもんね。秋には新作映画も予定されているし。
第三者による登録可能性を排除するための出願、という意味もあり、自然な出願行動ではないかな、と思います。

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【告知】リリースが、遅れます。

2020年07月19日 12時58分42秒 | イベント告知・挨拶・宣伝 ほか
こんにちは!
今日は梅雨の合間の晴れ間、といったところの@湘南地方です。
…晴れているうちに運動はしたいなあ。

さて。お恥ずかしい話ですが、
予定していた電子書籍発行。ちょっと遅れてしまいます。
作業進めていますがなにぶん初めてのことで勝手がわからず滞る面もあり。

8月頭を目標に進めています。決まったら改めてお知らせいたします。
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【経営環境】企業の「新陳代謝」

2020年07月17日 07時52分35秒 | 経済指標・経営環境・景気
おはようございます!
梅雨も後半戦、本気出してきたな、と感じられるくらいに雨が降る@湘南地方です。

昨日発表された「欅坂46」の改名(10月予定)
新しい名前が何になるのだろうかとJ-Plaを検索してしまう私は職業病(ちなみにまだそれらしい出願は見当たらず)。。

さて、それはさておき。
今日はこんな記事

(日経電子版より引用)
===================
中小企業減 容認へ転換
政府、社数維持の目標見直し 新陳代謝促し生産性向上

政府は中小企業数の維持を狙った従来目標を見直す。これまで掲げてきた「開業率が廃業率を上回る」との表現を近くまとめる2020年の成長戦略から削る。中小企業は新型コロナウイルス禍で経営環境の厳しさが増している。統廃合を含めて新陳代謝を促し、全体の生産性向上をめざす方針に改める。
(以下略)
===================
(引用終わり)

開業率と廃業率に関して、他国との対比を分かりやすく示してくれているサイトとしてこちらがある。
開業率、廃業率とも、日本は他国に比べるとかなり低い。

記事中、政府関係者の解説として
「事実上、廃業の増加を認める方針への転換だ」とのコメントがある。
足元の状況を考えれば、「認める」も何も「現状追認」な気もする。

統計によれば、
日本の労働生産性はOECD加盟国36か国中21位と低く、その要因が日本の中小企業の多さだ、との指摘があるとか。
だから、というわけでもないだろうが、
成長戦略の新たなKPIとして
「中堅企業に年400社以上が成長する」との目標も盛り込まれるそうだ。

総論としては、わかる。
企業の成長を促す政策が実行されることを強く望む。
だが、個々の企業にはその数の数倍の家庭と生活があるわけで。
社会全体としての成長戦略の方針転換には、その転換のあおりを受ける主体に対するケアの政策もワンセットで実施されるべきだ。
急にルールを変えて、耳心地の良い言葉で雰囲気を作って、
「自助努力だよね、自己責任だよね」といってハシゴを外すのは、違うと思う。
安全サイドに立って正義を語っても、空虚な響きだけが残る。

統計や社会全体の生産性のために個々人は日々過ごしているわけではない。
…まあ、中小零細企業もピンからキリまである、というのも良くわかるのだけど。。
当職個人としては「競争が社会を前進させる」の立ち位置なのではあるが、
それは「競争に敗れても、本人が望む限りリトライできる」が前提とも思っている。

本当に「新陳代謝」の促進を求めるのならば、それは器、装置としての企業/組織の新陳代謝であるべきで、
ダメになってしまった組織に関わっていた個人も、新しい器とともにリスタートを切ることができる。
そんな機会が用意されていて欲しい。

最後は中小企業の話だかアイドルグループの話だか分からなくなってしまったけど(笑)
今日はこの辺で。
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【生活改善】首痛い

2020年07月16日 08時44分31秒 | 生活改善
おはようございます!
今は雨が上がっている、今朝の@湘南地方です。

やばいですねぇ。首の動きがスムーズじゃないです。
ゴリゴリいいます。
自分なりの不調の兆候です。
なるべくしてなっているここのところの生活なので、
結局生活リズムを正常化させるしかないのですが。

これがもう少し悪化すると、平衡感覚がおかしくなるやつで。
そこまでなったことは数回しかないのですが、ちょっと今回はヤバそうだな…。

お昼を軽めにして、ちょっと長めのお散歩に出かけてみますかね。
血行改善が解決策としては一番よさそうなので。

それにしても。今週前半はなかなか好調だったのだけどな。
調子に乗って宵っ張りになるとこうなる。
コンスタントにサステナブルにやらないとコントローラブルにならない。

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【実務関係(知財統計)】特許行政年次報告書2020

2020年07月15日 08時38分07秒 | 実務関係(特・実・意)
おはようございます!
どんより曇り空な今朝の@湘南地方です。

さて、毎年この時期に公表されている掲題の件
年ごとのトレンド、またそもそも特許なら特許が年間何件程度出願されているか、という
「相場感」を知っておくことは大事だと思うので関心を持ってチェックしています。

肌感覚と違うことの“感覚の調整”という面もある。

例えば、ここんとこ自分の仕事としては取り扱いが増加傾向な審判の件数。
商標の不服審判、2019年は811件。感覚的にはその倍程度はあるものと思っていた。

或いは、弁理士の登録人数。合格者数の減少とともに全体数も漸減しているとおもっていたら
実は今も緩やかではあるが増加していた(現状登録者数は11,488人)。

特許登録率(※特許出願件数に対する特許登録件数の割合なので審査請求していない件数も含み、純粋な査定率とは異なる)が約55%
こちらも感覚よりも高い。
出願件数が漸減しているのに対して審査請求件数はほぼ横ばいなので、率としては上がっている。
出願人としても戦略的に出願段階で案件を選別しているのかな、と感じる。

特許の拒絶査定不服審判の請求成立率=68%。
まあ、前置審査で特許になっているものも含まれているからこの数字なのだろうけど、意外と高いな。

一方で商標では「特許登録率」のような指標は無いけど、
敢えて「商標登録率」(=商標登録出願件数に対する商標登録件数の割合)をみると、109,859/190,773=約58%
こちらは、肌感覚よりもかなり低いな。

とまあ、全体像を踏まえて自分の仕事を見つめ直してみるのもときには大事。
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【知財記事(商標)】「うどんタクシー」

2020年07月14日 08時30分43秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
梅雨真っ只中なお天気の@湘南地方です。
しとしとしとしと。。。。


さて、今日はこんな記事

(朝日新聞デジタルより引用)※着色は当職
==========================
「うどんタクシー」やめて 商標権侵害でバス会社が提訴

貸し切りタクシーで香川県の讃岐うどん店を案内するサービスで、「うどんタクシー」の名前を使われて商標権を侵害されたとして、同県琴平町の「琴平バス」が高松市の「空港タクシー」を相手取り、商標の使用禁止などを求める訴訟を高松地裁に起こした。

琴平バスは今年1月、うどんタクシーという名前を使わないよう文書で求めたが、空港タクシーは「商標の効力は及ばない」として使用を続ける旨の回答をしたという。空港タクシーは取材に対し「係争中なので答えられない」としている。
==========================
(引用終わり)

<権利>
琴平バスの登録商標の情報はこちら

<使用状況>
琴平バスの「うどんタクシー」【公式】サイトはこちら
空港タクシーの「うどんタクシー案内」サイトはこちら

なるほど、記事にもあるように、琴平バスの「うどんタクシー」は行灯がうどんの形になっている。
うどんの丼のうえにうどんの麺で「うどん」の文字がつづられている(ややこしいな)

サービス内容としては、どちらもベースとしては近いところがあって、
タクシーでうどん巡りをするにあたってドライバーが有名店や隠れた名店を案内する、というもの。
琴平バスの方は、“うどんタクシードライバー”になるための試験がある、という点が違いかな。
筆記・実地・手打ち という3つの難関(…手打ち、必要か??)

さてさて、記事中赤で着色した箇所=「商標の効力は及ばない」との主張。
当然中身は見ていないので推測の範疇だが、下記規定(3号、6号のいずれか)に基づくものと思われる。

(商標権の効力が及ばない範囲)
第二十六条 商標権の効力は、次に掲げる商標(他の商標の一部となつているものを含む。)には、及ばない。
一 略
二 略
三 当該指定役務若しくはこれに類似する役務の普通名称、提供の場所、質、提供の用に供する物、効能、用途、態様、提供の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格又は当該指定役務に類似する商品の普通名称、産地、販売地、品質、原材料、効能、用途、形状、生産若しくは使用の方法若しくは時期その他の特徴、数量若しくは価格を普通に用いられる方法で表示する商標
四 略
五 略
六 前各号に掲げるもののほか、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができる態様により使用されていない商標
(2項以下略)


「うどん」は饂飩だし、「タクシー」は指定役務との関係で普通名称ないし役務の質そのままだから、
「うどんタクシー」全体で(上記<使用状況>で示したような)タクシーでうどん店を巡るサービスを普通に表すもの。
したがって“当該指定役務の質を普通に用いられる方法で表示する”に過ぎない。と。

ただ、「うどんタクシー」の語がそもそも上記サービスを直接的に感得させるというのはちょっと無理があるような。
それにざーっと検索する限り、「うどんタクシー」で検索したらほぼ全て琴平バスのサービスに関する記事ばかりなのだよね。
これが香川県内の各タクシー業者がこぞって同じように「うどんタクシー」を使用していて権利者も看過している状態だったならばまだしも、
どうもそうでもない、ように見える。
別に同様のサービスを『別のサービス名で』提供する限りにおいては何ら問題ないのだから、
ちょっと知恵を絞ってよりよいネーミングを目指せば良いのに、と思います。

はてさて、落着はどうなるのか。
推移を見守るとします。
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【知財記事】「アマビエ」その後

2020年07月13日 08時19分34秒 | 知財記事コメント
おはようございます。
曇り空、ちょっと涼しい@湘南地方です。

さて、先週こちらで取り上げた標記の件。
取り上げた翌6日に出願取下げとなったとのことです(記事はこちら)。

取引先において「アマビエ」を使用するキャンペーンを検討しており、
「第三者が商標登録をする可能性を考慮」して登録を試みた、というのがD社さんサイドの説明。

弁理士の目線としては、(キャンペーンのアリ/ナシはさておきとして)出願それ自体は合理的な行動だと思う。
登録されるかどうかは、終局的には出願してみないとわからない、という面がある。
クライアントが使うのに出願し忘れてて訴訟沙汰になったら担当者はそれこそ打ち首もの。

とはいえ、予想以上に世間の“逆風”が強かった、というのが実際のところなのでしょう。
仮に取下げせずにそのまま審査係属していたら、、、どうなのでしょう。4条1項7号(公序良俗違反)で拒絶になっていたのかは
微妙なところです。先行類似も見当たらず、それ以外の拒絶理由はぱっと思いつきません。
敢えて無理くり当てはめるとすれば3条1項6号(識別標識として機能しない)でしょうが、やっぱり無理があると思います。

審査基準上、4条1項7号に言う(いわゆる)公序良俗を害するおそれがある商標とは、以下の通りです。
(1) 商標の構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音である場合。
なお、非道徳的若しくは差別的又は他人に不快な印象を与えるものであるか否か は、特に、構成する文字、図形、記号、立体的形状若しくは色彩又はこれらの結合、音に係る歴史的背景、社会的影響等、多面的な視野から判断する。
(2) 商標の構成自体が上記(1)でなくても、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合。
(3) 他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合。
(4) 特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合。
(5) 当該商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある等、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合。


これらの内(1)~(4)は該当しない。
当てはめようとするなら(5)なわけだけど、ネット民のざわつきが“商標法の予定する秩序に反する”に相当するかと言うと…。

ただ、先のエントリで触れた「ギコ猫」の件でも思ったけど、
これだけ情報通信手段が発達した時代にあっては、
「秩序」という概念も静的なものから動的なものに変異しているのかなぁ、とも思う。

秩序=社会の諸要素が相互に一定の関係・規則によって結びつき、調和を保っている状態 (大辞林 第三版)
という意味合いからすれば、先に「規則」があり、これに基づいて整然とした状態のことを指すわけだけど、
ことが起きてからのリアクションが、反射的と言うか感覚的というか。
ただその発信がフレッシュで直接的なためにインパクトがある。
むしろそうした反射的なリアクションが積み重ねられて新たな秩序が形成されている、というふうに感じる。
ただ少なくともこのあたりは「商標法の予定する『秩序』」というときの秩序には含まれない、含まれるべきじゃないんじゃないかな、
というのが当職の考え。

法律の解釈の在り方って、どこまで弾力性をもって許容されるもんなんでしょうね。

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【試しに】スーパーメン【買ってみた】

2020年07月12日 11時13分54秒 | 知財記事コメント
おはようございます!
出張から帰ってまいりました。
1週間不在にすると色々とあります。
コツコツ片付けていこうと思います。

さて、
ようやく届きました。

スーパーメン(SUPER M.E.N.)

同様の形状の製品が既に多数世の中で使われている中、注文してから3カ月以上経ってようやく到着。


127件の発明で構成されているとのことで、検索してみるもまだ公開はされていない模様。
…それにしても発明者名「中松義郎」で637件の公開公報がヒット(特実)。
すげーな、さすが“エジソンを抜いた世界の発明の父”。

単なるネタとして買ってみたが、まあ使ってみてもよいかも。
装着していても息苦しくないし。普通のマスクでお肌荒れている身としてはありだ。

今後お会いする方には装着状態でお目にかかることもあるかもしれません(笑)




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【業務日誌】出張日誌20/07

2020年07月08日 08時50分19秒 | 業務日誌
おはようございます!
やや蒸し暑い@札幌です。

ちょっと間が空きました。
移動続きでした。

訪問を歓迎してくれるところもあり、時節柄そうでもないところもあり。
難しいところはありますが、それはそういうものとして切り開いていかないといけない面もあり。

今週は人と会うウィーク(ですが、今日はちょっと溜まった書類仕事もこなさないと)。
頑張ります。
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【商標】「アマビエ」の商標登録出願

2020年07月05日 10時02分27秒 | 実務関係(商・不)
おはようございます!
やや重たい雲が空に漂う、今朝の@湘南地方です。

さて、掲題の件。
D社さんが出願したということで界隈をにぎわせているようです。
(出願内容はこちら

多くはあまり好意的ではないコメントのようです。
たとえばこちらのブログ

[原則論として]
まあ、こういうアレルギー的な反応が出ることを織り込んででもなおプラスの意味があると考えているから出願しているんでしょうし。
他の人だって、先願主義なんだから他人に取られたくなければ自分がいち早く出願すれば良い話なので。

毎度このテの話のたびに言っているのが2点。
(1)商標は「選択物」。なので、既存の概念や言葉を出願することそれ自体は別に非難されるべきことではないです。
 自分の商品/サービスの特性を伝える、またターゲットとなる需要者層に刺さる言葉を選択することは
 むしろ普通のこと。
 ※推測ですが、「広告代理店」であるD社の出願が非難されているのは“自己の商売のため”ではなく“他人の自由を邪魔するため”と思われているからかも、と思います。
  実際「アマビエ」にまつわる出願は、コロナ禍発生以降で本件の前にも何件か存在します。
  (指定商品「菓子」「酒類」「化学品(アルコールが含まれる)」「薬剤」など。いずれも、それぞれを本業として取り扱うと思われる企業さんの出願です。)


(2)商標って「言葉狩り」の道具ではないので、仮に上記の出願が登録になったとしても、
他の人が「アマビエ」という言葉を使っちゃだめ、ということではない点はよくよく考えていただきたい。
商標権取得の効果として得られるのは、指定商品/役務についての『商標としての』独占的使用であって、それ以上ではないです。

商標としての使用とは、(やわらかく言うと)
そのマークがどこの商品であるか、ということを示すような態様で商品に貼ったり宣伝に使ったりすることを言います。
「Web向け対策啓発の広報アイコンアマビエのイラストを使うこと」や「寺社の護符に描くこと」は権利の範囲外です。

[そうは言いつつも]
…とは言ったって、まあ登録されている言葉を使うことには抵抗が出てしまうのも事実。
影響力の大きさを考えたら、適切な出願行動だったのかなぁ、とも思ってしまいます。
かつての「ギコ猫」騒動(注)を思い出してしまいます。

(注)商願2002-19166。タカラが2ch内のパブリックドメイン的キャラクターAAの名称をタカラが勝手に出願したことで“炎上”。
 炎上の3日後にタカラは出願取下するに至った。


“「みんなのもの」をひとりじめしようとするなよ”
という思い。そのあたりを軽視してしまうと事案が複雑化してしまいがち。
法律も規範。商道徳も規範。ネット時代の商道徳は、公明正大のウエイトが以前よりもぐっと高まっているように感じます。
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