![](https://article-image-ix.nikkei.com/https%3A%2F%2Fimgix-proxy.n8s.jp%2FDSXZQO3789990001092023000000-1.jpg?ixlib=js-3.8.0&w=638&h=425&auto=format%2Ccompress&fit=crop&bg=FFFFFF&s=af3e80052f27d7f51b445cf56cba6b06)
米国防総省は2020年にもUAPの動画を公開していた(バージニア州アーリントン)=AP
【ワシントン=赤木俊介】米国防総省の全領域異常対策室(AARO)は未確認飛行物体(UFO)など未確認異常現象(UAP)に関する新たなホームページを開設した。
今秋にはUAP関連の情報を直接提供できるページも設ける。情報公開を進めて、米国内で広がる陰謀論や情報隠蔽の疑念を晴らす狙いだ。
ホームページは8月31日に開設した。
これまでに公開されたUAP関連の写真や動画、目撃数など機密区分から外れた米政府の情報がまとめられている。国防総省は声明で「AAROの活動を発信し、米国民にUAP調査の透明性を約束する」と述べた。
AAROのディレクター、ショーン・カークパトリック氏は紹介文で「AAROが設立された22年7月以来、我々はUAPのデータ収集や報告・告発手段の標準化、安全保障上の脅威軽減のため尽力してきた」と説明。情報を随時更新する考えを示した。
今後は、1945年以降にUAP関連の政府活動に参加した政府職員や請負業者らにも情報を募る予定だ。米国では近年、UAPを巡る議論が盛り上がっている。
国防総省が2020年にUAPの動画を公開したほか、米情報機関を統括する国家情報長官室は21年にUAPに関する年次報告書を発表した。
23年6月にUAP関連の情報を米政府が違法に隠蔽していると元米政府関係者が告発し、同年8月に連邦議会下院の監視委員会がUAPに関する公聴会を開いた。
22年には米航空宇宙局(NASA)がUAPの分析を目的とし、航空技術や天体物理学、海洋生物学など幅広い分野の専門家で構成された調査チームを設立した。
調査経過を報告するためにNASAが23年5月に開いた記者会見では同チームに対するネット上の中傷が絶えないと明かし、UAPの調査に理解を求める場面もあった。
UAPはUFOに代わり、NASAが新たに採用した未確認現象の名称だ。米国では1940年代からUFOの目撃情報が報告されてきたが、都市伝説や陰謀論として軽んじられてきた。名称の変更はUFOに結びついた偏見を払しょくする意図がある。
日経記事 2023.09.02より引用