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モーター巻線機2強、10年で売上高倍増 車や家電に不可欠

2024-11-07 16:52:12 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


NITTOKUはモーター用の巻線機で世界首位

 

 

家電から自動車、産業機械まで幅広く使われ、現代生活に欠かせないモーター。

このモーター用に銅線をコイル状などに巻く自動巻線機はNITTOKU小田原エンジニアリングの国内2社で世界市場の過半を握る。

 

エコカーや家電向けの高性能モーターの成長を背景に、2社の業績は直近の10年間でそれぞれ2倍以上に拡大した。

 

 

世界シェア4割

「高い出力を出すため銅線をたくさん巻きたい。だが、巻きすぎると形が崩れやすくなり小型化するのが難しい。

その二律背反を両立させるのが当社の腕の見せどころ」。モーターの巻線機の世界最大手、NITTOKUの角田公司常務執行役員はこう強調する。

 

NITTOKUは銅線を自動で巻き付ける装置で4割弱(同社推定)の世界シェアをもつ。世界をリードする理由は、銅線を速くゆるみなく巻く細かな制御技術にある。

この技術により、モーターを小型軽量化したい自動車大手などの要望を受け、銅線を巻くスペースが年々狭まるなかでも、従来と同じかそれ以上の高出力を実現する。

 

制御技術は安川電機の協力を得て確立した。安川電機は半導体製造装置や工作機械の精密な動作を制御するモーターの大手。

モーターを止める際の精度は、JR東日本の山手線を列車が1周(約35キロメートル)したときに発車地点に誤差4ミリメートルで止める技術に例えられる。

 

この位置決め技術と、NITTOKUの銅線を巻く時の角度の付け方などに関する独自の設計ノウハウを組み合わせると、銅線を隙間無く高速で巻くだけでなく、競合他社よりもエネルギーロスの少ないコイルに仕上がる。角田氏は「(競合の)中国の巻線機メーカーではなかなかまねできない」と強調する。

業績は好調だ。2024年3月期は連結営業利益が前の期比34%増の41億円となり最高益だった。売上高は10年間で2.1倍になった。25年3月期も売上高は340億円と過去最高を見込む。人材採用に苦労する中堅・中小企業が多い中、M&A(合併・買収)の人員増を含め、今期末までに従業員数を約1200人と5年前の1.5倍にする計画を掲げる。

 

 

 

 

20年には商用のハイブリッド車(HV)やハイブリッド建機向けのモーターの開発で世界的に知られる、林工業所(岐阜県中津川市)の梶田効社長と共同出資会社IMD(同)を設立した。

ゼネラル・モーターズ(GM)、韓国LG電子、独コンチネンタルなどの技術者が連日のようにIMDを訪れる。

 

梶田氏は複数のモーター関連企業からの誘いを見送り、NITTOKUと資本業務提携した。梶田氏は「NITTOKUの技術にひかれた」と説明する。

モーターの電動効率が95%近くに達し改善の余地が限られるなか、技術革新の可能性を探る研究開発に力を注ぐ。

 


IMDは技術開発に悩むモーター関連企業の駆け込み寺になっている(岐阜県中津川市)

 

国内では小田原エンジニアリングもNITTOKUに次ぐ巻線機大手として名をはせる。

家電や産業用機器など幅広い業種と取引するNITTOKUに対し、小田原エンジはHVや電気自動車(EV)の駆動モーターに強い。売上高の約8割をHVやEVの駆動用が占める。

 

 

テスラなど顧客

駆動モーターは銅線をコイルのように巻くのではなく「ヘアピン」式と呼ばれる製法が主流だ。

まず1本の銅線をU字に曲げ、モーターの中核部材である電磁鋼板を積み重ねたコアの外周に次々に差し込んでいく。挿入後は200カ所に及ぶ銅線の先端を溶接で接合する。小田原エンジはこの工程をわずか1.3秒でこなす。

 

高速の加工とともに、折り曲げた時の形状をそろえたり、挿入位置を10マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル単位で制御したりする技術に定評がある。顧客は米テスラや日本の複数の自動車メーカーだ。

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小田原エンジニアリングはHVやEVの駆動用モーターの巻き線機に強い

 

 

23年12月期の連結営業利益は前の期比2倍の20億円だった。直近10年間の増収率は2.6倍とNITTOKUを上回る。

24年1〜6月期は顧客の大型案件が下期にずれ込んだ影響で、巻線機事業の売上高は前年同期から半減したものの、24年12月期通期は過去最高の売上高(165億円)を見込む。

 

モーターの技術動向に詳しい静岡大学の朝間淳一教授は「モーターは機械、電気、化学、材料と高度なすり合わせの技術を要する。巻線機はニッチだが日本勢に一日の長がある領域」と話す。

サプライチェーン(供給網)の一角で存在感を示し、国内外の製造大手と連携しながら技術力を高めることが中堅・中小企業の勝ち残り策となる。

 

 

世界市場は年2000億円

23年の巻線機関連の世界市場は13億ドル(約2000億円)規模とみられ、32年までに25億ドル規模に増える見通し。

足元はNITTOKUと小田原エンジニアリングで計5〜6割の世界シェアを持つもよう。電動モーターの世界市場は28年までに約1819億ドルと21年から61%増えるとの予測もあり、巻線機は当面着実な成長が見込まれる。

 

海外の競合はスイスABBや独グローブ、独ティッセン・クルップなどで、近年は広東宗斉オートメーションなど中国勢の台頭も目立つ。

自動車業界ではトヨタ自動車グループや独ボッシュなど巻線機を内製する企業もある。

 

中国勢は低価格を武器に東南アジア市場などに攻勢をかけるほか、顧客の要望する製品を日本勢の半分から3分の1の期間で開発することもあるとされる。

今後、開発や生産を効率化するデジタル改革で海外勢に後れをとれば、日本の競争力が相対的に下がる可能性も否定できない。

(上阪欣史)

 

 

 
 
 
 
 
 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

 

 

 

 

 

山本真義のアバター
山本真義
名古屋大学未来材料・システム研究所、名古屋大学大学院工学研究科電気工学専攻 教授
 
別の視点

日本の基幹産業を支える優れた企業の記事、とても嬉しいです。

この記事にあるようにモータ技術は古くから磨かれ、現在は効率としては飽和状態ですが、新しい技術潮流も取り入れることで付加価値を上げていくことができます。

具体的には、高速回転化、レアメタルレス化、配線アルミ化、複合機能化、です。

モータの小型化のために3万回転を超える高速化に対応すること。

レアメタルを使わない巻線界磁方式(日産・アリア等が採用)に対応すること。

軽量化と低コスト化のためアルミ配線も模索すること。

そして各センサを内蔵させて多機能化させること、で、より付加価値を高めながら日本の独自性を示すことができると考えています。

 (更新)
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日本の会社数の9割超を占める中堅・中小企業に注目が集まっています。

日本経済の再生に向けて、中堅中小の成長と大幅な賃上げが欠かせなくなっているためです。独自技術を武器に世界に挑む経営者も増えており、最新情報と分析を通じ、変貌する「Small&Medium business」の最前線に迫ります。

 

 

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日経記事2024.11.07より引用

 

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ローム12年ぶり最終赤字 EV向け半導体不振、25年3月期

2024-11-07 16:38:05 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


電気自動車(EV)向けパワー半導体などの販売が想定を下回る

 

ロームは7日、2025年3月期の連結最終損益が60億円の赤字(前期は539億円の黒字)になる見通しだと発表した。74%減の140億円だった従来予想から下振れして最終赤字に転落する。

電気自動車(EV)向けパワー半導体などの販売が想定を下回る。最終赤字はデジタル製品向けが不振だった13年3月期以来、12年ぶり。

 

売上高は4%減の4500億円、営業損益は150億円の赤字(前期は433億円の黒字)になる見通し。従来予想からそれぞれ300億円、290億円下方修正した。

EV市場の減速を受け、自動車向けの半導体が振るわない。中国景気の低迷を背景にファクトリーオートメーション(FA)機器メーカー向けの半導体出荷も落ち込む。

 

同日発表した24年4〜9月期の売上高は前年同期比3%減の2320億円、純利益は94%減の20億円だった。

 
 
 
 
日経記事2024.11.07より引用
 
 

 


ロシア、水面下でトランプ氏に祝意か 融和転換を期待

2024-11-07 16:30:08 | NATO・EU・ウクライナ・ロシア・中国・中東情勢


ロシアのプーチン大統領(6日、モスクワ)=AP

 

米大統領選で共和党のトランプ前大統領の当選が確実となり、ロシア政府は米国がウクライナ政策を修正するのか見極める構えだ。

トランプ氏がウクライナへの支援を縮小し、停戦圧力を強めることに期待が広がる。ロシアメディアによると、政権幹部が水面下でトランプ氏に祝意を示した。

 

ペスコフ大統領報道官は6日「米国がウクライナでの戦闘に関与する非友好国であることを忘れるべきではない」と指摘した。

「米国はウクライナでの対立終結に貢献できるが、一晩での解決は不可能だ。米国が外交政策を変更できるか、(トランプ氏が就任する25年)1月にどうなるか見てみよう」と述べるにとどめた。

 

同氏はプーチン氏がトランプ氏の勝利に祝意を示すか「分からない」とも語った。

ロシア外務省も米国は超党派でロシアを敵対視しており「トランプ氏に幻想を抱いていない」と指摘した。

 

ロシア政府は表面的に静観の構えを示す一方、トランプ氏がロシアとの融和路線に転じることに強い期待を抱いている。

トランプ氏は大統領選で自ら大統領に復帰する前に停戦を実現すると主張し「ロシアのプーチン大統領とも非常に良い関係にある。大統領就任前に良い結果に導く」と強調していた。

 

 

ロシアの独立メディア「ビョルストカ」は6日、ラブロフ外相やメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)、上下両院の議長など政権幹部が水面下でトランプ氏に祝意を伝えたと報じた。

メドベージェフ氏は「トランプ氏には我々にとって有益な資質がある。ビジネスマンとして厄介者に資金を投じるのを嫌うことだ」と発言した。トランプ氏がウクライナへの軍事・財政支援を縮小すれば、ウクライナでの戦況はロシア優位に傾く。

 

ビョルストカによると、クレムリンの情報筋は「トランプ氏が中東情勢を優先課題とし、米国はウクライナへの支援を欧州に肩代わりさせる可能性がある」とし、有利な条件で停戦に持ち込めるとの楽観論を示した。

政府系ファンド「ロシア直接投資基金」のキリル・ドミトリエフ総裁は「トランプ氏の勝利はロシアと米国の関係をリセットする新たな機会となる」と期待を示した。

 

 

ロシア財界にはトランプ氏の経済政策に懸念の声もある。トランプ氏は原油など資源開発に前向きな政策を掲げ、油価の下落がロシア経済の打撃となりかねない。

ロシアの「アルミ王」と呼ばれる新興財閥(オリガルヒ)のオレグ・デリパスカ氏は、通信アプリ「テレグラム」に「原油は5月にかけて1バレル50ドルに下落するだろう」と投稿した。

 

 
 
 
 
ウクライナ侵略

2022年2月、ロシアがウクライナに侵略しました。戦況や世界各国の動きなど、関連する最新ニュースと解説をまとめました。

 

 

 

日経記事2024.11.07より引用

 

 


石破首相、トランプ氏と電話協議 「日米同盟高い次元に」

2024-11-07 16:24:22 | 日本政治・外交

石破茂首相は7日午前、米大統領選で当選を確実にした共和党のトランプ前大統領と電話でおよそ5分間協議した。

協議後、首相官邸で記者団に「日米同盟をより高い次元、段階に引き上げていくことで一致した」と述べた。

 

できるだけ早期に対面で会談することも確認したと明らかにした。

トランプ氏の印象について「一言で言えばフレンドリーな感じがした。言葉を飾ったり繕ったりするのではなく、本音で話ができる人という印象を持った」と語った。

 

安全保障に関する踏み込んだ議論はなかったと説明した。

「装備面、運用面、統合面、いろんな観点から日米同盟の強化をこれから精力的に議論していきたい」と強調した。「お互いにいい仕事ができるのを楽しみにしている」とも話した。

 

X(旧ツイッター)には「トランプ氏の強い指導力により日米同盟がいっそう強固になると確信している」とも書き込んだ。

首相は2025年1月の就任式を待たず、次期大統領と接触する意欲を示してきた。今月中旬にペルーやブラジルを訪問する機会を捉え、帰路に米国に立ち寄ってトランプ氏と面会することを模索する。

 

首相はトランプ氏の当選確実が報じられた6日夜に、電話協議や会談の見通しを問われ「接点を早急に持つべく努力したい」と記者団に話していた。

その後発表した祝辞では「政権の最重要事項である日米同盟の更なる強化及び『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向け、緊密に連携していきたい」と指摘した。

 

 
 
 
 
石破政権

自民党の石破茂総裁が10月1日、衆参両院の本会議での首相指名選挙で第102代首相に選出されました。石破政権に関する最新のニュースをまとめています。

 

日経記事2024.11.07より引用

 


アグネス・スメドレー 中国共産党に尽くした女スパイー3: 西洋人共産主義者とのプロパガンダ

2024-11-07 08:16:37 | 世界史を変えた女スパイたち

アグネス・スメドレー(1892-1950)

 

 

アグネス・スメドレー 中国共産党に尽くした女スパイー2: ゾルゲとの出会いと別れ
https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/0ca79bdb97a935f6072417e5ead77af6

からの続き

 

 

ゾルゲと別れたづメドレーは、その後も上海の左翼勢力と積極的に交流した。 

逮捕されたスイス人夫婦を救う組織が陳幹笙や宋慶齢らによって結成されていたが、彼女がそのメンバーになったのは当然だった(彼らは、夫婦の開放を世界世論に訴えたが、二人は終身刑となった)。

 

一九三三年に大きな動きがあった。 

ソビエトが対蒋介石外交を再開したのである。 ソビエトは一九二七年に蒋介石による共産主義者パージ事件以降、国民党政権から距離を置いていたが方針を変えた。

 

この変化がスメドレーをさらに刺激した。

彼女は一九三〇年頃から上海の知識人層との交流を深化させ、芸術活動を共産主義宣揚プロパガンダのツールと認識していた。

 

彼女の眼鏡にかなった知識人の一人が茅循(ぼうじゅん:Mao Dun、一八九六年生)だった。 中国の芸術に思想性を持たせ、一斉に協賛主義礼賛に変えた男である。 

彼女を魯迅に紹介したのも彼であった。小説家であり、文芸批評家だった茅循は中華人民共和国成立(一九四九年)後に、初代共和国文化部長に就任し一九六五年までその要職にあったことから、彼の中国共産党への貢献がいかに評価されていたかが分かる。

スメドレーは、彼と協力し、中国の社会主義芸術作品の外国語への翻訳作業を進めた。

 

 

スメドレーは、魯迅とも積極的に交流した。スメドレーと初めて会ったときには、既にドイツ語版の『大地の娘』を読んでいたこともあり、二人はたちまち意気投合した。

左翼作家連盟(League of Left Wing Writers)を結成し、メンバーの作品を西欧社会に紹介した。 彼女はこの活動を『文化ゲリラ戦(Cultual Guerrilla  War)』と自慢した。スメドレーは魯迅を中国革命におけるヴォルテールに喩えた。

 

*ヴォルテールとは

ヴォルテール(1694~1778)は、フランスの哲学者、文学者、歴史家で、啓蒙思想家として知られています。理性と自由を掲げ、専制政治や教会、狂信や不正裁判に反対して闘いました。

 

この時期のスメドレーの『敵』の主体は『英国』であった。上海租界地は基本的にはヨーロッパ勢力(後に日本も加わる)の安全地帯として生まれたものでありその中心に英国がいた。 スメドレーはインド民族派の独立運動を支援していただけに、繁栄感情がすさまじかった。

ところが、彼女のその意識は、満州事変(一九三一年九月)以降、反日本に次第に変化していくことになる。

 

当時の関東軍の狙いは満州に近い支那北東部諸省を非武装化し緩衝地帯にすることであった。軍閥や国民党軍による満州の不安定化工作に一定の歯止めをかけたかったのである。

この方針は、第一次上海事件後に成立した塘沽協定(タンクーきょうてい:一九三三年五月三十一日)で実現した。

 

*塘沽協定とは

塘沽停止戦協定は、1933年5月31日河北省塘沽で日中両軍終了された軍事停戦協定。

 

この協定は、米国の史書でも書かれているように、国家間協定で有効なものであると西洋諸国も理解した。

 

 

時代は少し下るが、スターリンは、国家安全保障を理由に、東欧諸国の共産化っをテヘラン会議(一九四三年)などの首脳会談を通じて、ルーズベルトとチャーチルに認めさせた。 日本の塘沽協定は、ソビエトの外交方針と同じ性質のものであった。

スメドレーと独紙『フランクフルター・ツアイトウング』との契約が第一次上海事件の起きる少し前に切れている。 

 

ドイツでは、一九九三年初めにヒトラー政権が発足することから分るように、独国内世論はヒトラーにベルサイユ体制の鎖からの解放の願いを託したいtの考えにシフトしていた。

不条理な体制を前提に、英仏と折り合いをつけながら国力の回復が、ワイマール体制の基本であったが、独国民はそれに我慢できなくなっていた。

 

ヒトラー政権は、ワイマール体制下の民主主義的手続きによって成立していた。 

こうした世論の変化で、『フランクフルター・ツアイトウング』紙にとって、スメドレーの中国情報の市場価値が低下したのである。

 

 

ドイツへの論文発表の道は閉ざされたがスメドレーは困っていない。 この頃には米国への発言ルートを作り上げていた。 とりわけ二人の米人共産主義者との人脈は彼女の財産になっていた。

一人はハロルド・イサックス(Harold H. Issacs、一九一〇年生)である。 裕福な家庭に育ち、二〇歳でコロンビア大学を卒業すると暫くニューヨークタイムズ紙に勤務した。 その後上海に渡った。

 

彼は政治的にはノンポリだったが、上海でスメドレーとフランク・グラス(Frank Glass)と知り合ったことで共産主義者となった。

 

 

グラスは世界革命を夢想するトロッキストであった。 一九〇一年生まれ(英国バーミンガム)の彼は1一九〇九年に南アフリカに移住した。 一九二一年には、同地の共産党創設に参加した。

一九二八年頃には反スターリングループ(Opposition Left : トロッキスト)に属し、世界革命を夢見る過激共産主義者となった。 一九三一年には活動拠点を上海に移し、西洋人社会に潜り込んだ。 一九三二年から三三年にかけて、タス通信のレポーターだった。

 

スメドレーはこの二人と中国共産党の拡声的週刊誌『China Forum Weekly』を発刊した。魯迅の短編小説や左翼作家連盟所属作家の作品も掲載しながら、反国民党の論陣を張った。 

中国でもスメドレーと五サックスが共同編集した『国民党による反動(反革命)の五年間(Five Years of Kuo-mintang Reaction)』(一九三二年五月)はインパクトのある論文で会った。

 

国民党政府からの厳しい検閲を惹起したことは言うまでもない。

 

 

 

 

 

アグネス・スメドレー 中国共産党に尽くした女スパイー4: 中国共産党幹部との接触

https://blog.goo.ne.jp/renaissancejapan/e/af2ab0ab3afcd5d6d7c7e419e685b696

に続く