私の今岡誠に対する印象はかなり悪かった。
やる気がない
何を考えているかわからない
無表情
そんな印象しかなかったので、2003年の大活躍にも大して気に留めることもなかったのだけれど、選手会長になってから、ふと彼の表情が変わった気がした。
激動の2004年のシーズンが終わり、道上さんの番組にゲスト出演した彼は予想に反して饒舌に2004年を語った。
その内容はかなり私の印象を覆すもので、私はその後、彼の一挙手一投足に注目せずにいられなくなってしまった。
かなり前のことなので、うろ覚えながら、ざっとこんな感じだったと思う。
曰く
選手会長として球界再編にかかわれたことはとても貴重な体験だった。
曰く
3番になった時はかなり気分が盛り上がった。
曰く
1番に戻った時は凄く盛り下がった
ええ~~~!?
曰く
5番を打つのはとても楽しみ。凄く気分が盛り上がっている
これまでの情報では、彼は「気分よく打てるので1番を手放さない」と言われていたのに、随分話が違うじゃないかと思った。
実は彼は誰よりもチームを引っ張る資質を持った人物なのではなかろうか?
そう思っていたら、あの活躍だった。
今岡の不振、怪我、離脱でわかった事は、2003年以降阪神打線を牽引してきたのは今岡の変態・・・・もとい天才的なバッティングだった事は語りつくされた事だけれど、あらためて彼のいない穴の大きさを思い知らされた。
今岡のバッティングの変態・・・もとい、天才と呼ばれる所以はどんな体勢でどんなボールに対してもインパクトの瞬間にもの凄いリストの強さで自在にバットの角度を変え、打球のコースをありえない方向に飛ばしてしまうところである。
今岡に打たれた後、谷繁がしきりに首をひねるシーンが痛快だった。
彼は器用な選手だと思われがちであるが、意外に不器用な選手だと思っている。
自分のためだけでなく、明確に誰かのために何かをするという場面でしか集中する事が出来ない人なのだと思う。
球児が点をとられた後
金本がフォアボールを選んだ後
後輩のピッチャーが不甲斐無いピッチングで負けていた土壇場
色んな場でその一振りで全てを救ってきた人である。
そのグラブで全ての頑張りを帳消しにする事もあるんですけどね
今年の今岡の大不振
一番の原因はその手首の押し込みが不完全だったからのような気もするけれど、
実は「誰のために何をするか」明確に目標を持てなかったからのような気もする。
自分のためにバットを振ろうとして、失敗してしまったのじゃないだろうか。
今一度、誰かのためにバットを振ってみてはどうでしょう?
例えば、あなたの帰りを心待ちにしているファンのために。
私はまだまだ戦いはこれからだと思っている。
この記事は「きょうろぐ」
「みんなの選手名鑑2006」参加記事です。
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