まず、なんの前知識も持ち合わせていずに、この本を手に取ったなら、
まず題名から、古代人類に関する本なのかな、と考えるのは当然。
装丁も古代人類の頭蓋骨ですし。
そして、著者は、写真でピュ―リッツァー賞を受賞しています。
しかし、裏表紙には、ミステリ?サスペンス?を匂わすあらすじが。
ドイツのネアンデル渓谷(タール)で発見された古代人類の骨は
およそ2万5千年前には絶滅しているネアンデルタール人。
しかし、ある有名な古代人類学者の教え子のもとに届いた頭蓋骨は
検査結果によると100年以内のものであると・・・
うーん、面白そうだ。
ヒマラヤ、中央アジアで現地の民族から目撃談が多い『雪男』、
イエティという名で呼ばれている未確認生物が、実は、かつて
ホモ・サピエンスとの闘争により敗れて山奥に逃れることになった
ネアンデルタール人の生き残りであるという大胆な構想。
そして彼らは、ホモ・サピエンスが発展できた要因である、言語
によるコミュニケーションの代わりに、相手の視覚中枢に意識を
飛ばして他者との意思疎通を図ることができる、という特殊能力
を身に付けている。
それを最初に発見したロシアの山岳探検チームはその研究を途中で
放り投げて、なぜかアメリカにその情報が漏れ伝わることに・・・
ネアンデルタール人がもし生きていて、そして彼らがどんな生活を
しているのか、という設定は、こういう分野(考古学、古生物学)
に多少なりとも興味のある私にとってはたまらなく面白いです。
彼らは、凶暴で野蛮な洞窟に住む部族と、穏やかで平和的な谷の部族
に分けられています。
洞窟には壁画があり、額の出っ張ったネアンデルタール人武装グループと
額の平らなホモ・サピエンス武装グループの戦のシーンが描かれていて、
ホモ・サピエンス側がネアンデルタール側に和平を持ちかけようとしている
絵と続き、ネアンデルタール人が地面に掘ってあった穴に落ちて殺されて、
ネアンデルタールの怒りに満ちた形相の顔の絵で終わるというもの。
つまり、ホモ・サピエンスは、敵を騙し欺いて勝利を収めた、と壁画は
記しており、ネアンデルタール人は先祖の無念、恨みを忘れることなく
ヒマラヤの奥地に生き延び、人間を極端に恐れ嫌っているのです。
人間は、2足歩行となって、道具を手にし、言語を発達させて、その結果
知恵と知識が膨大に膨れ上がって、地上のリーダー格にのさばっていますが、
かつて森から草原に生活の場を移すこととなる人類の祖先は、その時代の他
の動物とガチンコの殺し合いでは弱かったのでしょう。だからこそ身に付けた
知恵と知識は確かに人類の発展に寄与するものなのですが、それは謀略と欺瞞。
本を読み終わってテレビをつけると、そこには厚顔無恥な政治屋の顔、顔、顔。
謀略と欺瞞のどす黒い色に塗られた世界は、霊長類生き残り戦争のように
見えてしかたありません。
まず題名から、古代人類に関する本なのかな、と考えるのは当然。
装丁も古代人類の頭蓋骨ですし。
そして、著者は、写真でピュ―リッツァー賞を受賞しています。
しかし、裏表紙には、ミステリ?サスペンス?を匂わすあらすじが。
ドイツのネアンデル渓谷(タール)で発見された古代人類の骨は
およそ2万5千年前には絶滅しているネアンデルタール人。
しかし、ある有名な古代人類学者の教え子のもとに届いた頭蓋骨は
検査結果によると100年以内のものであると・・・
うーん、面白そうだ。
ヒマラヤ、中央アジアで現地の民族から目撃談が多い『雪男』、
イエティという名で呼ばれている未確認生物が、実は、かつて
ホモ・サピエンスとの闘争により敗れて山奥に逃れることになった
ネアンデルタール人の生き残りであるという大胆な構想。
そして彼らは、ホモ・サピエンスが発展できた要因である、言語
によるコミュニケーションの代わりに、相手の視覚中枢に意識を
飛ばして他者との意思疎通を図ることができる、という特殊能力
を身に付けている。
それを最初に発見したロシアの山岳探検チームはその研究を途中で
放り投げて、なぜかアメリカにその情報が漏れ伝わることに・・・
ネアンデルタール人がもし生きていて、そして彼らがどんな生活を
しているのか、という設定は、こういう分野(考古学、古生物学)
に多少なりとも興味のある私にとってはたまらなく面白いです。
彼らは、凶暴で野蛮な洞窟に住む部族と、穏やかで平和的な谷の部族
に分けられています。
洞窟には壁画があり、額の出っ張ったネアンデルタール人武装グループと
額の平らなホモ・サピエンス武装グループの戦のシーンが描かれていて、
ホモ・サピエンス側がネアンデルタール側に和平を持ちかけようとしている
絵と続き、ネアンデルタール人が地面に掘ってあった穴に落ちて殺されて、
ネアンデルタールの怒りに満ちた形相の顔の絵で終わるというもの。
つまり、ホモ・サピエンスは、敵を騙し欺いて勝利を収めた、と壁画は
記しており、ネアンデルタール人は先祖の無念、恨みを忘れることなく
ヒマラヤの奥地に生き延び、人間を極端に恐れ嫌っているのです。
人間は、2足歩行となって、道具を手にし、言語を発達させて、その結果
知恵と知識が膨大に膨れ上がって、地上のリーダー格にのさばっていますが、
かつて森から草原に生活の場を移すこととなる人類の祖先は、その時代の他
の動物とガチンコの殺し合いでは弱かったのでしょう。だからこそ身に付けた
知恵と知識は確かに人類の発展に寄与するものなのですが、それは謀略と欺瞞。
本を読み終わってテレビをつけると、そこには厚顔無恥な政治屋の顔、顔、顔。
謀略と欺瞞のどす黒い色に塗られた世界は、霊長類生き残り戦争のように
見えてしかたありません。