この作品は「ブラックペアン1988」の続編にあたるのですが、なにせ
ブラックペアンを読んだのはだいぶ前、正直どんな話かほとんど覚えて
なかったので、当ブログで前に書いた感想を見て、ああ、と思い出し
でから読み始めました。
東城大学医学部総合外科学教室の垣谷という講師と、外科医になって
僅か3年の世良は、国際学会のシンポジウムのため、フランスのニース
に来ています。
本来は、垣谷よりも上のポジションの人が来るはずだったのですが、
英語がダメやらなんやらで垣谷の役目となりますが、世良はただの
”お供”ではなく、病院長の佐伯から、ある”密命”を仰せつかって
いたのです。
学会では垣谷の発表が終わり、いよいよ注目の「ダイレクト・アナスト
モーシス(直接吻合法)」という、聞いたことのない術式を発表する、
モンテカルロ・ハートセンターの天城雪彦という医師の講演がはじまる
ところですが、その天城はなんと、このシンポジウムをドタキャン。
しかし、なんとしても天城に会わなくてはならない世良は、ニースから
モナコへ移動。カジノにいる、と病院の人に教えてもらい、ようやく天城
に会うことができ、世良は佐伯病院長の手紙を渡します。
それを読んだ天城は表情が一変、その手紙の内容は、天城に東城大学付属
病院の新施設、心臓外科センターのセンター長になってほしい、ということ
だったのです。
この天城という医者は、ここモナコで治療をする際、患者に全財産の半分を
カジノで賭けさせて、当たれば手術、外せば手術はしない、という方針を
とっていて、さらに、天城は世良に、赤か黒かの一発勝負で勝ったら日本に
行く、と提案。これに垣谷は納得できません。が、世良は了承します。
結果は負けとも勝ちともつかず。しかし天城は、日本行きを承諾することに。
さて、いくら病院長が直々にセンター長に要請したとはいえ、当然もともと
総合外科にいた人達は面白いはずもなく、しかし天城はどこ吹く風で余裕。
世良は天城の”お守り役”に任命されて、総合外科の先輩たちから白い目で
見られます。
ここで、天城に食ってかかる急先鋒が、バチスタシリーズでは病院長の高階
(1990年の時点では講師)です。
世界で天城しかできないという心臓手術の「直接吻合法」を、まったく行う
こともせず、他人の手術を覗いたり、会議に茶々を入れたりの日が続きます
が、ある日、天城は唐突に、今度手術をする、と告げます。
ところがその手術というのが、東京で行われる学会の、なんとステージ上で
公開手術をする、と・・・
この作品でも、「医療」とは何か、という、根源的、本質的な問いを読者に
ぶつけてきます。といっても禅問答みたいなものですが。
文中に、桜宮が一億円で作った「黄金の地球儀」や、珍しい深海魚の話題が
出たり(「夢見る黄金地球儀」に出てきます)、”でんでん虫”こと、碧翠
院桜宮病院が出てきたり、スピンオフの中にさらにスピンオフが取り上げられ
ていて、今まで海堂尊の作品はほとんど読んできましたが、ここにきて桜宮を
取り巻くいろいろな話がこんがらがってきたので、一度「チームバチスタの栄光」
から読み直してみないとだめですね。
ブラックペアンを読んだのはだいぶ前、正直どんな話かほとんど覚えて
なかったので、当ブログで前に書いた感想を見て、ああ、と思い出し
でから読み始めました。
東城大学医学部総合外科学教室の垣谷という講師と、外科医になって
僅か3年の世良は、国際学会のシンポジウムのため、フランスのニース
に来ています。
本来は、垣谷よりも上のポジションの人が来るはずだったのですが、
英語がダメやらなんやらで垣谷の役目となりますが、世良はただの
”お供”ではなく、病院長の佐伯から、ある”密命”を仰せつかって
いたのです。
学会では垣谷の発表が終わり、いよいよ注目の「ダイレクト・アナスト
モーシス(直接吻合法)」という、聞いたことのない術式を発表する、
モンテカルロ・ハートセンターの天城雪彦という医師の講演がはじまる
ところですが、その天城はなんと、このシンポジウムをドタキャン。
しかし、なんとしても天城に会わなくてはならない世良は、ニースから
モナコへ移動。カジノにいる、と病院の人に教えてもらい、ようやく天城
に会うことができ、世良は佐伯病院長の手紙を渡します。
それを読んだ天城は表情が一変、その手紙の内容は、天城に東城大学付属
病院の新施設、心臓外科センターのセンター長になってほしい、ということ
だったのです。
この天城という医者は、ここモナコで治療をする際、患者に全財産の半分を
カジノで賭けさせて、当たれば手術、外せば手術はしない、という方針を
とっていて、さらに、天城は世良に、赤か黒かの一発勝負で勝ったら日本に
行く、と提案。これに垣谷は納得できません。が、世良は了承します。
結果は負けとも勝ちともつかず。しかし天城は、日本行きを承諾することに。
さて、いくら病院長が直々にセンター長に要請したとはいえ、当然もともと
総合外科にいた人達は面白いはずもなく、しかし天城はどこ吹く風で余裕。
世良は天城の”お守り役”に任命されて、総合外科の先輩たちから白い目で
見られます。
ここで、天城に食ってかかる急先鋒が、バチスタシリーズでは病院長の高階
(1990年の時点では講師)です。
世界で天城しかできないという心臓手術の「直接吻合法」を、まったく行う
こともせず、他人の手術を覗いたり、会議に茶々を入れたりの日が続きます
が、ある日、天城は唐突に、今度手術をする、と告げます。
ところがその手術というのが、東京で行われる学会の、なんとステージ上で
公開手術をする、と・・・
この作品でも、「医療」とは何か、という、根源的、本質的な問いを読者に
ぶつけてきます。といっても禅問答みたいなものですが。
文中に、桜宮が一億円で作った「黄金の地球儀」や、珍しい深海魚の話題が
出たり(「夢見る黄金地球儀」に出てきます)、”でんでん虫”こと、碧翠
院桜宮病院が出てきたり、スピンオフの中にさらにスピンオフが取り上げられ
ていて、今まで海堂尊の作品はほとんど読んできましたが、ここにきて桜宮を
取り巻くいろいろな話がこんがらがってきたので、一度「チームバチスタの栄光」
から読み直してみないとだめですね。