過去に江戸川乱歩賞の受賞作品を数冊読みましたが、やはりこの賞
を受賞する作品は、おしなべて面白いです。
『白く長い廊下』は、はじめは医療ミスと思われた患者の不審死は
じつは巧妙に仕掛けられた殺人ではないか、と疑問を抱いた麻酔医
が調べ進んでいく、といった作品で、作者は現役医師だけあって、
病院内部の人間関係、手術の描写などとてもリアルで、それでいて
専門用語の羅列で分かりにくいといったこともなく、いよいよ真相
を手にするまであと一歩という段階で、また目の前に立ちはだかる
疑惑が現れて、ドラマチックな展開が、ミステリー好きにはたまり
ませんね。
昨今、巷の話題を賑わしている、地方病院の閉鎖あるいは縮小とい
った問題は、大学病院や医学部の医局員が関連病院に派遣されると
いったシステムのなかで、臨床研修制度が義務化し、研修先を自由
に選べるようになった結果、研修医は都市部へ集中してしまい、い
っぽう地方では医師数が減り、大学病院は関連病院への派遣を切り
上げてしまい、その結果、地方の病院は医者が足りなくなり、やむ
なく閉鎖あるいは縮小となってしまったのです。
作品の中で、医者はどの大学の出身かというのはさほど問題ではな
く、どの大学病院の医局に入るかによってその後が左右される、と
いうことが書いてあり、比較的入りやすい地方の大学を卒業してか
ら地元に帰って地元の大学病院の医局に入る、というシステムがあ
るらしいのですけど、もはや医局人事制度は崩壊しつつある現在の
地方医療問題をテーマにした医学ミステリーを書いてもらいたいも
のです。
を受賞する作品は、おしなべて面白いです。
『白く長い廊下』は、はじめは医療ミスと思われた患者の不審死は
じつは巧妙に仕掛けられた殺人ではないか、と疑問を抱いた麻酔医
が調べ進んでいく、といった作品で、作者は現役医師だけあって、
病院内部の人間関係、手術の描写などとてもリアルで、それでいて
専門用語の羅列で分かりにくいといったこともなく、いよいよ真相
を手にするまであと一歩という段階で、また目の前に立ちはだかる
疑惑が現れて、ドラマチックな展開が、ミステリー好きにはたまり
ませんね。
昨今、巷の話題を賑わしている、地方病院の閉鎖あるいは縮小とい
った問題は、大学病院や医学部の医局員が関連病院に派遣されると
いったシステムのなかで、臨床研修制度が義務化し、研修先を自由
に選べるようになった結果、研修医は都市部へ集中してしまい、い
っぽう地方では医師数が減り、大学病院は関連病院への派遣を切り
上げてしまい、その結果、地方の病院は医者が足りなくなり、やむ
なく閉鎖あるいは縮小となってしまったのです。
作品の中で、医者はどの大学の出身かというのはさほど問題ではな
く、どの大学病院の医局に入るかによってその後が左右される、と
いうことが書いてあり、比較的入りやすい地方の大学を卒業してか
ら地元に帰って地元の大学病院の医局に入る、というシステムがあ
るらしいのですけど、もはや医局人事制度は崩壊しつつある現在の
地方医療問題をテーマにした医学ミステリーを書いてもらいたいも
のです。