なのですが、このシリーズは20か30くらいあるので、まだまだ遠い道のり。
江戸の大川端にある宿屋「かわせみ」の女将るい、八丁堀の与力、神林
通之進の弟、東吾は、夫婦同然の仲。るいの父親はかつて鬼同心と呼ば
れた人で、るいと東吾は幼馴染みなのですが、るいの父親が亡くなり、
世継ぎがいないことから家督を譲って、るいは宿屋をはじめます。
東吾は、与力の兄の家に住み、見習いのようなことをしています。
ふたりは結婚はしていないので、東吾が「かわせみ」に通うようなかたち。
そこでまったりしていると、兄の部下の源三郎が事件の話を持ってきたり、
または東吾やるいが事件に遭遇する、といった話が基本です。
さて、表題作「水郷から来た女」は、両替商の5歳になる息子が誘拐され、
犯人は三百両の身代金を要求。引渡し場所には、犯人を捕まえようと岡っ引き
や下っ引き、さらに剣士までもが隠れていたのですが、それがバレてしまい、
金は持ち去られ、5歳の息子は殺されます。
またも似たような事件が。こんどは3歳の女の子が誘拐されますが、両親は
誰にも知らせずに金を約束の場所に置いてきて、翌日、娘は無事帰ってきま
した。
これには八丁堀はメンツ丸つぶれ状態で、なんとしても犯人を捕まえてやろう
としますが、なんと半月で5件もの誘拐地面が発生。
犯人は、どうやら侍ということがわかり、さらに最近、江戸の町道場に道場
破りをして回ってる女剣士がいるとの噂を聞きつけます。
そんな中、東吾の通う道場にも、噂の女剣士があらわれ、ふたりは立ち合い
をすることに。この女が犯人なのか、誰を探しているのか・・・
基本的に東吾は捜査権はないので、もっぱら兄の部下である源さんと行動
するのですが、たまにみせるひらめきもあったりして、さしずめ江戸版の
浅見光彦(お兄さんが警察庁キャリア)といったところですかね。
それにしても、るいと東吾の仲は進展しません。まあ最終的に結婚する
というのは分かってしまっているのですが、もうこれは読者も気長に
見守っていくという心境になります。