今年、世界中を取り巻いているこの状況で、読書という趣味があって良かったなあとしみじみ思います。
複数人が集まらなければ成立しない趣味、スポーツですとか囲碁や将棋といった対戦形式のゲームは、インターネットがあれば成立できるものもあるのでしょうが、それでも「家族以外の他人となるべく会わない」というこの状況ですと難しいですね。
ある個人的に尊敬してる人が「年を取る前に一人で成立する趣味を持っていたほうがいい。年取ると出かけられなくなるだろうし周りの人も死んでいくし」と言っていて、妙に納得です。
まだ早いですが、2020年を振り返ってみたところで。
池井戸潤さんです。
この作品は、もともと2004年に出版された「不祥事」という短編小説があり、それが2014年に「不祥事」ともう一作品が原作のテレビドラマが放送され、「不祥事」の続編として2016年に連載、翌年に文庫本出版、となったそうです。
東京第一銀行の本部ビルに「臨店指導グループ」というセクションがあり、なにをするかというと、各支店に赴いて、ミスの指摘や改善などをするチーム。ある日の朝、花咲舞と上司の相馬の耳に入ってきたのは、赤坂支店の情報漏洩疑惑。取引のある外食チェーンの内部情報が競合他社に漏れているのではないか、ということなのですが、本来は支店が対処しなければいけないこの手のトラブルを、本部のお客様相談室に駆け込まれたというのは、支店にとっては恥ずかしいこと。ところがこの問題を調べていくうちに、いち支店だけの問題ではないことがわかります。
・・・とまあ、これが第一話で、連続短編の形式で進んでいくわけですが、銀座支店のトラブル、大分の別府支店に飛んでライバル銀行との融資に関する攻防、四谷支店のトラブル、神保町支店での謎、営業本部と不正会計の企業との問題、そして最終話、となるのですが、臨店指導グループの活動と同時に描かれている、東京第一銀行と産業中央銀行との合併の話、さらに「企画部」という謎のチームが花咲や相馬の報告書をことごとくひねりつぶしていくのですが・・・
池井戸潤さんの作品は、読み終わった後に「ちょっとだけお利口になった気がする」感があります。銀行というふだん利用している割にはよくわかってないシステムを勉強できて、さらに重苦しくない程度にさらりと問題提起もあり。
そして一番「読んでよかった」と思えるのが、読後のスッキリ感。勧善懲悪とまではいきませんが、最終的に大事なものは何ですか、という問いにちゃんと答えているのがいいですね。
まだ全作品を読んだわけではないので、中にはモヤモヤした終わり方もあるのでしょうかね。
複数人が集まらなければ成立しない趣味、スポーツですとか囲碁や将棋といった対戦形式のゲームは、インターネットがあれば成立できるものもあるのでしょうが、それでも「家族以外の他人となるべく会わない」というこの状況ですと難しいですね。
ある個人的に尊敬してる人が「年を取る前に一人で成立する趣味を持っていたほうがいい。年取ると出かけられなくなるだろうし周りの人も死んでいくし」と言っていて、妙に納得です。
まだ早いですが、2020年を振り返ってみたところで。
池井戸潤さんです。
この作品は、もともと2004年に出版された「不祥事」という短編小説があり、それが2014年に「不祥事」ともう一作品が原作のテレビドラマが放送され、「不祥事」の続編として2016年に連載、翌年に文庫本出版、となったそうです。
東京第一銀行の本部ビルに「臨店指導グループ」というセクションがあり、なにをするかというと、各支店に赴いて、ミスの指摘や改善などをするチーム。ある日の朝、花咲舞と上司の相馬の耳に入ってきたのは、赤坂支店の情報漏洩疑惑。取引のある外食チェーンの内部情報が競合他社に漏れているのではないか、ということなのですが、本来は支店が対処しなければいけないこの手のトラブルを、本部のお客様相談室に駆け込まれたというのは、支店にとっては恥ずかしいこと。ところがこの問題を調べていくうちに、いち支店だけの問題ではないことがわかります。
・・・とまあ、これが第一話で、連続短編の形式で進んでいくわけですが、銀座支店のトラブル、大分の別府支店に飛んでライバル銀行との融資に関する攻防、四谷支店のトラブル、神保町支店での謎、営業本部と不正会計の企業との問題、そして最終話、となるのですが、臨店指導グループの活動と同時に描かれている、東京第一銀行と産業中央銀行との合併の話、さらに「企画部」という謎のチームが花咲や相馬の報告書をことごとくひねりつぶしていくのですが・・・
池井戸潤さんの作品は、読み終わった後に「ちょっとだけお利口になった気がする」感があります。銀行というふだん利用している割にはよくわかってないシステムを勉強できて、さらに重苦しくない程度にさらりと問題提起もあり。
そして一番「読んでよかった」と思えるのが、読後のスッキリ感。勧善懲悪とまではいきませんが、最終的に大事なものは何ですか、という問いにちゃんと答えているのがいいですね。
まだ全作品を読んだわけではないので、中にはモヤモヤした終わり方もあるのでしょうかね。