この作品の日本語タイトルは翻訳者によって「高慢と偏見」
となったりもするのですが、原題のPride and Prejudice
でいうところの"Pride"をどう捉えるか、によって違ってく
るのでしょう。
というのも、この作品に出てくる登場人物の性格描写は、まあ
明け透けというか、表も裏もしっかりと描かれているので、単純
に善い人悪い人(相関図にして誰にとっての)という区分けが
難しいのです。
これだけひとりひとりの人間を複雑に描くと、そのキャラが
弱くなったりもしますが、そこは揺るがない何かを持たせること
によって確立はさせていますが、しかしその「何か」が誤解や
偏見を生んでしまうことも多々あり、それをどう解きほぐして
いくかのプロセスが楽しいのです。
イギリスの片田舎に、金持ちで独身の紳士が引っ越してくるとい
うニュースが飛び込んできて、村の独身の娘を持つ家々はちょっと
した騒ぎになります。
これは、文豪夏目漱石も絶賛したこの小説の冒頭「独りもので金が
あるといえば、あとはきっと細君をほしがっているにちがいない、
というのが、世間一般のいわば公認真理といってもよい。」(訳者
によってニュアンスの違いはあるでしょうが)で、まあこれがこの
物語のすべてを語ってるといってもいいでしょう。
この村のベネット家、この家には5人の娘がいて、母はぜひとも
長女のジェーンをこの金持ち独身紳士に”あてがおう”と躍起に
なります。
引越し祝いとでもいいますか、ビングリー家でパーティーが催され
ることになり、ベネット家も招かれます。ビングリーはジェーンと
ダンスを踊り、たがいの第一印象は上々。ところが次女のエリザベス
にとっては、このパーティーは最悪。
というのも、ビングリーの親友のダーシーという男が、何かにつけて
文句タラタラ、あげくエリザベスに向かって、ベネット家の娘たち
はみな美人と聞いてたけど、あんたはそれほどでもない」みたいな
ことを言われる始末。
さて、見栄っ張りな母はさっそくビングリーとジェーンを結婚させよ
うとやる気まんまん、一方父親は、娘たちが幸せなら相手が誰だって
別にいいというスタンス。ところが、なかなかビングリーとジェーン
の恋の進展はうまくゆかず、ビングリーの妹はエリザベスを何かと
目の敵にしたり。というのもビングリーの妹はダーシーとくっつきたい
のですが、それには先のパーティーで彼といっしょにいたエリザベスが
邪魔で・・・
ただでさえゴチャゴチャしているところに、コリンズなる牧師が出て
きたり、ダーシーの過去を知るウィカムという男も登場したりして、
さらに複雑に。
ところで、訳者があとがきで指摘しているように、文中で男の登場人物
どうしが話をしているシーンがほぼ無いというのは読み終わったあとに
そういえば、と思いました。というのも、作者は父親が亡くなったあと、
母と姉妹とで暮らしていたそうで、この作品のベースは「女たちだけ」
の会話になっているので、周りにヒントが無かったとのこと。
ぶっちゃけ、2組のカップルがくっつくかどうか、という他愛もない
話といってしまえばそれまでですが、冒頭の一節にあるような”普遍性”
を感じることができます。
となったりもするのですが、原題のPride and Prejudice
でいうところの"Pride"をどう捉えるか、によって違ってく
るのでしょう。
というのも、この作品に出てくる登場人物の性格描写は、まあ
明け透けというか、表も裏もしっかりと描かれているので、単純
に善い人悪い人(相関図にして誰にとっての)という区分けが
難しいのです。
これだけひとりひとりの人間を複雑に描くと、そのキャラが
弱くなったりもしますが、そこは揺るがない何かを持たせること
によって確立はさせていますが、しかしその「何か」が誤解や
偏見を生んでしまうことも多々あり、それをどう解きほぐして
いくかのプロセスが楽しいのです。
イギリスの片田舎に、金持ちで独身の紳士が引っ越してくるとい
うニュースが飛び込んできて、村の独身の娘を持つ家々はちょっと
した騒ぎになります。
これは、文豪夏目漱石も絶賛したこの小説の冒頭「独りもので金が
あるといえば、あとはきっと細君をほしがっているにちがいない、
というのが、世間一般のいわば公認真理といってもよい。」(訳者
によってニュアンスの違いはあるでしょうが)で、まあこれがこの
物語のすべてを語ってるといってもいいでしょう。
この村のベネット家、この家には5人の娘がいて、母はぜひとも
長女のジェーンをこの金持ち独身紳士に”あてがおう”と躍起に
なります。
引越し祝いとでもいいますか、ビングリー家でパーティーが催され
ることになり、ベネット家も招かれます。ビングリーはジェーンと
ダンスを踊り、たがいの第一印象は上々。ところが次女のエリザベス
にとっては、このパーティーは最悪。
というのも、ビングリーの親友のダーシーという男が、何かにつけて
文句タラタラ、あげくエリザベスに向かって、ベネット家の娘たち
はみな美人と聞いてたけど、あんたはそれほどでもない」みたいな
ことを言われる始末。
さて、見栄っ張りな母はさっそくビングリーとジェーンを結婚させよ
うとやる気まんまん、一方父親は、娘たちが幸せなら相手が誰だって
別にいいというスタンス。ところが、なかなかビングリーとジェーン
の恋の進展はうまくゆかず、ビングリーの妹はエリザベスを何かと
目の敵にしたり。というのもビングリーの妹はダーシーとくっつきたい
のですが、それには先のパーティーで彼といっしょにいたエリザベスが
邪魔で・・・
ただでさえゴチャゴチャしているところに、コリンズなる牧師が出て
きたり、ダーシーの過去を知るウィカムという男も登場したりして、
さらに複雑に。
ところで、訳者があとがきで指摘しているように、文中で男の登場人物
どうしが話をしているシーンがほぼ無いというのは読み終わったあとに
そういえば、と思いました。というのも、作者は父親が亡くなったあと、
母と姉妹とで暮らしていたそうで、この作品のベースは「女たちだけ」
の会話になっているので、周りにヒントが無かったとのこと。
ぶっちゃけ、2組のカップルがくっつくかどうか、という他愛もない
話といってしまえばそれまでですが、冒頭の一節にあるような”普遍性”
を感じることができます。