最近は、新聞やテレビなどメディアの露出も増えて、本の中で
指摘してきた日本の医療の諸問題を、現実の問題として取り上
げている海堂尊さんですが、この人は、「バチスタ」シリーズの
登場人物、田口のような人なのか、あるいは白鳥のような人な
のか、はたまた両方を持ち合わせているのか、興味のあるとこ
ろではあります。
東京への通勤圏としてはギリギリの距離にある桜宮市にある、
東城大付属病院の「不定愁訴外来」、分かりやすくいうと、患者
の愚痴を聞くという科で、そこの責任者である田口は、この
大学病院で起こる(ときには厚生労働省へも乗り込んで)さまざま
なトラブルに巻き込まれます。
そのパートナーは、厚生労働省の嫌われ者、「火喰い鳥」こと、
白鳥。ロジカルモンスターとあだ名され、ようは、理屈でも屁理屈
でも相手を言い負かし、しかも相手を必要以上にイラつかせる「特技」
もあります。
『アリアドネの弾丸』は新型のMRIのそばで、技術者の友野が
死体で発見されるところからはじまり、ついで、この(事件)の日
から話はさかのぼり、田口は院長に呼び出されて、「死後画像診断
センター(エーアイセンター)長」に任命されます。
というより、田口のいない場所で決められた人事で、あっちを立てれば
こちらが立たず、その折衷案で決められた、田口にとっては、またも
厄介ごとを引き受けるハメに。
そもそも神経内科の田口がエーアイのシステムを知るはずもなく、
同期で田口が心を許す放射線科の島津のレクチャーを受けることに。
第1回のエーアイセンター運営会議が開かれることになるのですが、
院長、放射線科の島津、東城大病院のエシックス・コミティ(倫理
委員会)の沼田、そして監察医、元警察庁の刑事局長、厚生労働省
からは白鳥、「スカラムーシュ(大ぼら吹き)」こと病理医の彦根
などなど、厄介なメンバーが揃って・・・
この病院内での話と並行して、なにやら警察庁の人たちが集まって、
キナ臭い話し合いが。そして、桜宮にあった悪名高い碧翠院桜宮病院
の医師だった女性(火災にあった病院から忽然と姿を消した)が、
ふたたび桜宮に戻ってきます。この女性と、エーアイセンターの会議
に出席している、元極北市監察医務院院長は、こちらも何やら怪しい
話を。
そんな中、なんと院長が収賄の容疑で警察に抑えられ、さらに病院内
で銃声が。音の聞こえた地下へ行くと、銃を握った状態で倒れている
院長と、元警察庁刑事局長が頭を撃たれて・・・
今までの医療ミステリーから、今回はよりアクション要素の強い内容
となっています。そして、今までよりもさらに、警察側の存在が日本
の医療問題、とりわけ死因の解明にとっての「弊害」として強く描かれ
ています。
指摘してきた日本の医療の諸問題を、現実の問題として取り上
げている海堂尊さんですが、この人は、「バチスタ」シリーズの
登場人物、田口のような人なのか、あるいは白鳥のような人な
のか、はたまた両方を持ち合わせているのか、興味のあるとこ
ろではあります。
東京への通勤圏としてはギリギリの距離にある桜宮市にある、
東城大付属病院の「不定愁訴外来」、分かりやすくいうと、患者
の愚痴を聞くという科で、そこの責任者である田口は、この
大学病院で起こる(ときには厚生労働省へも乗り込んで)さまざま
なトラブルに巻き込まれます。
そのパートナーは、厚生労働省の嫌われ者、「火喰い鳥」こと、
白鳥。ロジカルモンスターとあだ名され、ようは、理屈でも屁理屈
でも相手を言い負かし、しかも相手を必要以上にイラつかせる「特技」
もあります。
『アリアドネの弾丸』は新型のMRIのそばで、技術者の友野が
死体で発見されるところからはじまり、ついで、この(事件)の日
から話はさかのぼり、田口は院長に呼び出されて、「死後画像診断
センター(エーアイセンター)長」に任命されます。
というより、田口のいない場所で決められた人事で、あっちを立てれば
こちらが立たず、その折衷案で決められた、田口にとっては、またも
厄介ごとを引き受けるハメに。
そもそも神経内科の田口がエーアイのシステムを知るはずもなく、
同期で田口が心を許す放射線科の島津のレクチャーを受けることに。
第1回のエーアイセンター運営会議が開かれることになるのですが、
院長、放射線科の島津、東城大病院のエシックス・コミティ(倫理
委員会)の沼田、そして監察医、元警察庁の刑事局長、厚生労働省
からは白鳥、「スカラムーシュ(大ぼら吹き)」こと病理医の彦根
などなど、厄介なメンバーが揃って・・・
この病院内での話と並行して、なにやら警察庁の人たちが集まって、
キナ臭い話し合いが。そして、桜宮にあった悪名高い碧翠院桜宮病院
の医師だった女性(火災にあった病院から忽然と姿を消した)が、
ふたたび桜宮に戻ってきます。この女性と、エーアイセンターの会議
に出席している、元極北市監察医務院院長は、こちらも何やら怪しい
話を。
そんな中、なんと院長が収賄の容疑で警察に抑えられ、さらに病院内
で銃声が。音の聞こえた地下へ行くと、銃を握った状態で倒れている
院長と、元警察庁刑事局長が頭を撃たれて・・・
今までの医療ミステリーから、今回はよりアクション要素の強い内容
となっています。そして、今までよりもさらに、警察側の存在が日本
の医療問題、とりわけ死因の解明にとっての「弊害」として強く描かれ
ています。