クィネルの小説は、実際に起こった出来事、事件などが題材になっていたりして、
それがかなり核心をついているとかで、”本物”に狙われるんじゃないだろうか、
ということで、顔写真も本名も所在地も非公開にしていた、などと言われていたり
しましたが、この『血の絆』でも、舞台が(だいぶ後半ですが)ザンジバル辺りと
いうことで、ここで起こった革命の裏話などは、かなり当人たちにとっては耳の痛
いことが書かれているんじゃないの、と。
ニューヨークに独りで暮らす女性、カースティ・ヘイウッド。しかし、都会の喧騒
とは距離を置いていて、どこか寂しげ。
というのも、まだ30代後半で夫に先立たれ、さらに息子は勝手に”自分探しの旅”
に出て行ってしまい、消息不明。
そんな息子、ギャレットですが、かなり特殊な血液型の持ち主で、カースティは、
ちょっと神経過敏になって子育てをして、それが結果的に息子を縛り付けていた
ことに後になって気づくのですが、親子はいがみ合い、息子は父親の信託遺産を
受け取れる年齢に達するやいなや旅に出かけてしまうのです。
そんな息子から、手紙が届きます。
「旅を続けていくうちに、母の自分に対するのが純粋に愛情だったことを理解する
ようになった。もう憎しみは消えた。」
喜びも束の間、警察から「ギャレットがインド洋上で溺死」と報告が。
しかしカースティは、息子が死んだことを認めず、絶対に生きていると確信。
インド洋に行こうとしますが、カースティの恋人、会社の社長から反対されます。
しかし決意は固く、家も財産も売り払い、一路アフリカへ。
カースティは、ラセルという船長の船にギャレットが乗っていて、そこから海に
落ちて死亡したという詳細を聞きますが、彼女は、直接ラセルに聞くまで納得い
きません。
ここから話は変わって、インドの貧しい中年、ラメッシュという男が登場。
本の虫だったラメッシュは冒険願望を密かに持っていて、ある日「マナサ号」
というオンボロ船を見つけて、何を思ったのか即購入します。
うだつの上がらない暮らしに別れを告げて、まともに航海技術も無い(本で
得た知識のみで)まま、船の修理をして、ラメッシュは大海原へ・・・
石油掘削人のケイディは、ちょっとしたことで上司をぶん殴って仕事を馘に。
以前から趣味であった釣りをしようと、インド洋に旅立ちます。
途中、セーシェルへ向かう船の中で、カースティはケイディと出会います。
カースティは旅の目的をケイディに話し、彼も一緒に息子を探しに行くことに。
マナサ号は途中で小さな島に寄って、ラメッシュは水や食料を買い出しに上陸
します。そこで売店にいた少女、ラニーと出会います。
彼女はラメッシュの船旅の話に興味津々で、船を見物に行きます。
買い出しも済ませて、島を離れてから、ラメッシュは船室に潜り込んでいた
ラニーを発見して・・・
そこからいろいろあって、この4人が合流して、マナサ号で悪名高いラセル船長
を追うことになります。
はたして、ギャレットは生きているのか。生きていたとしたらどこにいるのか・・・
途中、マナサ号のエンジンが壊れ、元イギリス海軍という”噂”のジャック・ネルソン
という男にラメッシュは修理を依頼しますが、ネルソンは偏屈で、偏見に凝り固まり、
売り言葉に買い言葉でラメッシュもネルソンを罵倒。
しかし、どういったわけか、ネルソンはマナサ号にやってきて、エンジンを見てやる、
というのです。お互い謝罪して和解し、古いエンジンはネルソンにとって見慣れたもの
で、さらに機械系に強いケイディも加わって、エンジンを修理します。
ネルソンとラメッシュの友情の話は、最後にホロリときます。
それがかなり核心をついているとかで、”本物”に狙われるんじゃないだろうか、
ということで、顔写真も本名も所在地も非公開にしていた、などと言われていたり
しましたが、この『血の絆』でも、舞台が(だいぶ後半ですが)ザンジバル辺りと
いうことで、ここで起こった革命の裏話などは、かなり当人たちにとっては耳の痛
いことが書かれているんじゃないの、と。
ニューヨークに独りで暮らす女性、カースティ・ヘイウッド。しかし、都会の喧騒
とは距離を置いていて、どこか寂しげ。
というのも、まだ30代後半で夫に先立たれ、さらに息子は勝手に”自分探しの旅”
に出て行ってしまい、消息不明。
そんな息子、ギャレットですが、かなり特殊な血液型の持ち主で、カースティは、
ちょっと神経過敏になって子育てをして、それが結果的に息子を縛り付けていた
ことに後になって気づくのですが、親子はいがみ合い、息子は父親の信託遺産を
受け取れる年齢に達するやいなや旅に出かけてしまうのです。
そんな息子から、手紙が届きます。
「旅を続けていくうちに、母の自分に対するのが純粋に愛情だったことを理解する
ようになった。もう憎しみは消えた。」
喜びも束の間、警察から「ギャレットがインド洋上で溺死」と報告が。
しかしカースティは、息子が死んだことを認めず、絶対に生きていると確信。
インド洋に行こうとしますが、カースティの恋人、会社の社長から反対されます。
しかし決意は固く、家も財産も売り払い、一路アフリカへ。
カースティは、ラセルという船長の船にギャレットが乗っていて、そこから海に
落ちて死亡したという詳細を聞きますが、彼女は、直接ラセルに聞くまで納得い
きません。
ここから話は変わって、インドの貧しい中年、ラメッシュという男が登場。
本の虫だったラメッシュは冒険願望を密かに持っていて、ある日「マナサ号」
というオンボロ船を見つけて、何を思ったのか即購入します。
うだつの上がらない暮らしに別れを告げて、まともに航海技術も無い(本で
得た知識のみで)まま、船の修理をして、ラメッシュは大海原へ・・・
石油掘削人のケイディは、ちょっとしたことで上司をぶん殴って仕事を馘に。
以前から趣味であった釣りをしようと、インド洋に旅立ちます。
途中、セーシェルへ向かう船の中で、カースティはケイディと出会います。
カースティは旅の目的をケイディに話し、彼も一緒に息子を探しに行くことに。
マナサ号は途中で小さな島に寄って、ラメッシュは水や食料を買い出しに上陸
します。そこで売店にいた少女、ラニーと出会います。
彼女はラメッシュの船旅の話に興味津々で、船を見物に行きます。
買い出しも済ませて、島を離れてから、ラメッシュは船室に潜り込んでいた
ラニーを発見して・・・
そこからいろいろあって、この4人が合流して、マナサ号で悪名高いラセル船長
を追うことになります。
はたして、ギャレットは生きているのか。生きていたとしたらどこにいるのか・・・
途中、マナサ号のエンジンが壊れ、元イギリス海軍という”噂”のジャック・ネルソン
という男にラメッシュは修理を依頼しますが、ネルソンは偏屈で、偏見に凝り固まり、
売り言葉に買い言葉でラメッシュもネルソンを罵倒。
しかし、どういったわけか、ネルソンはマナサ号にやってきて、エンジンを見てやる、
というのです。お互い謝罪して和解し、古いエンジンはネルソンにとって見慣れたもの
で、さらに機械系に強いケイディも加わって、エンジンを修理します。
ネルソンとラメッシュの友情の話は、最後にホロリときます。