晴乗雨読な休日

休日の趣味レベルで晴れの日は自転車に乗ってお出かけ。雨の日は家で読書。

北村薫 『ひとがた流し』

2015-02-10 | 日本人作家 か
更新にずいぶん間が開いたちょっとした言い訳。
入院期間中に早寝早起きの習慣がついてしまったため、
「さて寝ようか・・・」とベッドに入るとすぐに
寝てしまうので、今までの読書時間である就寝前の1時間
に本が読めない!という生活。
なので、起きてる時間帯のちょっとヒマを見つけては
読んでます。

北村薫といえば、「鷺と雪」が直木賞を受賞したとき、
「あれ、けっこうベテランでも直木賞あげるんだ・・・」
なんて思ったものでした。

アナウンサーの千波、千波と小学校からの知り合いの牧子、
そしてふたりの友人、日高美々。

おおまかにいえば主役は千波、でも読み終わった感想としては
主役は3人。

ある日、牧子から千波に電話が。牧子は離婚してひとり娘の
さきと2人で暮らしています。
千波は独身。で、さきが気になるミュージシャンのライブが
東京の青山であり、それに行きたい、と。
でも牧子としては娘がひとりで行くのは不安、そこで、テレビ局
勤務で世慣れてそうな千波の意見を聞くために電話をかけてきたの
です。
最終的に千波、牧子とさき、そして美々とその娘の玲の5人でライブ
に行く事に。

そのライブで、千波のことをずっと見つめてる男がいるのをさきは
見つけますが、さきにとって千波は小さいころから知ってる「おばさん」
ですが、千波はテレビに出ているアナウンサー。そりゃ周りも「おっ」
となるだろうとその場は気にとめなかったのですが、後日、牧子と千波が
病院で人間ドックに行ったあとに寄ったファミレスに件の男が。
ファミレスの客の名前を書くところに、その男はスズキと・・・
しかしそこに千波はいません。というのも、検診が終わった後、千波だけが
看護師に呼ばれます。それから3人で食事に行く予定でしたが、千波は
キャンセルします。

ここで別の章に変わり、日高家の話に。
美々は娘の玲、夫で写真家の類と3人暮らし。そんな類が銀座で個展をひらいて
いて、そこに、千波がやってきます。
どうも様子がおかしいと類は牧子に電話をかけるのですが・・・

千波はどうしたのか。日高家で玲の知ってしまった事実とは。
そして千波のストーカー?疑惑の「スズキ」とは誰なのか。

やはり、北村薫は文章が巧い。読み終わって、そんな感想。

タイトルの「ひとがた流し」とは、川に人の形に切った紙を流す行事。
千波は小さい頃にそれをやって、紙に願い事を書いた記憶があるのですが、
大人になって調べたら、厄払いのように災いを人の形の紙に移して川に
流すというもので、七夕のように願い事を書く例もあるそうです。

そんな思い出を千波は思い出します。このシーンがさらっと書かれている
ようで、印象深い。
コメント
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